議会報告

  • 平成29年9月議会 一般質問(藤村昌隆議員)要旨(平成29年10月5日)
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    1 子どもたちの命を守る取り組み

    ・LINE等SNSを活用した相談体制の導入について伺う。
    (教育長答弁) いわゆるSNSにつきましては、近年のスマートフォンの普及に伴い、子どもたちの間で広く利用されていることから、より利用しやすい相談ツールの一つであると認識をいたしております。議員からのご提案また会派からのご要望もございました。これまで教育庁として検討を重ねてきたところでございます。
    SNSを活用した教育相談を行うにあたりましては、機材等ハード面の整備に加えまして、緊急時を含む相談への対応方法や、相談員の配置や育成などの諸課題がございます。
    このため、教育センターにおきまして、今年度中を目途に、一部の府立高校の生徒を対象に試行実施をし、課題の検証を行うとともに、国の予算確保にも努めながら、SNSを活用した相談体制につきまして検討を深めてまいります。
    ・セーフティプロモーションスクール(SPS)に対する教育庁の認識及び府内の進捗状況について伺う。
    (教育長答弁) SPS(セーフティプロモーションスクール)の認証を受けることは、学校安全に取り組む教職員の意識向上、また保護者の学校に対する信頼を高めることにもつながると考えておりまして、大阪府教育庁といたしましても、これまで、府内の学校に対しまして制度の周知を行ってまいりした。 これまでに、議員お示しの小学校・幼稚園のほか、小学校1校、中学校1校の計4校園が認証を受けております。
    現在、泉南市立西信達小学校、大阪市立新高小学校、大阪市立瓜破中学校、及び府立中央聴覚支援学校の計4校が認証に向けた申請を行っております。
    なお、支援学校の取り組みは、全国で初めてでございます。
    ・SPSの普及促進のため、私立学校への働きかけ及び認証をめざす学校への支援について伺う。
    (教育長答弁) SPSの取り組みを広めてまいりますためには、認証校による実践発表、また、活動報告などが効果的であると考えまして、これまでも公立及び私立学校の教職員を対象といたしました学校安全研修を実施をしてまいりました。
    私立学校に対する働きかけにつきましては、研修への参加をこれまで以上に積極的に呼びかけるとともに、校長や園長に対する説明会を開催をし、取り組み事例について紹介をしてまいります。
    認証をめざす学校からは、SPSの取り組みがスムーズに進みますよう支援を求める声も伺っておりまして、大阪府教育庁といたしましては、これらの学校に対しまして、学校防災アドバイザーの派遣、また、認証校の教職員による指導・助言など人的な支援を行ってまいります。

    2 犯罪被害者支援の取り組み

    ・条例制定をはじめとする犯罪被害者支援策の検討状況について伺う。
    (危機管理監答弁) 犯罪被害者の支援につきましては、「取組指針」を策定するとともに、支援内容を具体的かつ詳細に説明した「犯罪被害者等支援関連施策集」を毎年度作成してホームページへ掲載し、広報・周知を図ってきました。また、平成29年度より新たに公民連携性犯罪・性暴力被害者支援事業を創設し、性暴力救援センター・大阪SACHICOを通じた犯罪被害者等への支援策の充実を図っております。
    昨年の9月議会における条例化のご質問を受け、また、国の第3次犯罪被害者等基本計画等を踏まえ、長らく改定していなかった「取組指針」の点検・見直しに取り組んでおり、犯罪被害者団体のご意見、ご要望もお聴きしながら、更なる方策について検討しているところです。
    お尋ねの犯罪被害者等への支援を目的とした条例化については、この更なる方策を検討する中でその必要性についても見極めてまいります。
    ・「被害者支援調整会議」の設置について伺う。
    (危機管理監答弁) お示しの被害者支援調整会議は、犯罪被害者等の個々の状況等を的確に把握した上で、関係者が連携して支援策を協議・推進するものと認識しております。
    犯罪被害者等のプライバシーの保護など種々の課題の有無を点検した上で、大阪府と大阪府警察そして早期援助団体に指定されている認定NPО法人大阪被害者支援アドボカシーセンターとで、その設定のあり方について協議し、その際に市町村の参画という点も含めまして、検討していきたいと存じます。

    3 大阪を持続可能な開発目標(SDGs)の先進都市に

    ・SDGsについて府の認識と取り組みについて伺う。
    (政策企画部長答弁) 我々がめざします万博のテーマ「いのち輝く未来社会」は、まさにSDGsが達成された社会をめざすものであり、両者の理念は一致するものと考えております。
    これまでも、大阪府では、健康・福祉、環境、教育などの分野で、各部局が様々な取り組みを進めておりますが、これらはSDGsと重なるところも多いと考えております。
    現在、万博の実現に向け、『大阪から「いのち輝く未来社会」をめざすビジョン』の策定などについて、全庁一丸となって取り組みを進めているところでございます。こうした動きに合わせまして、SDGsの理念のもとで取り組みの充実を図ることが重要と考えております。
    万博を機に、大阪からSDGsを先導できますよう、各部局の主体的な取り組みの充実に向けまして、まずはSDGsの理念の共有に努めてまいりたいと考えております。

    4 少子化対策

    (1)妊娠・出産・子育て支援について
    ・不妊検査に対する助成制度の導入について伺う。
    ・若年がん患者の妊孕性の温存について伺う。
    (健康医療部長答弁) まず、不妊検査に関してですが、妊娠・出産は、当事者が自らの意思で決定されるものですが、高年齢での出産・妊娠のリスク増加や不妊治療の効果の低下ということから、お示しのように早期の不妊治療が有効であると認識しています。
    不妊検査については、一般的に健康保険が適用されることから、特定不妊治療の費用に比べて低くなっていますが、議員ご指摘を踏まえ、検査費用助成については、今年度、新たに導入した埼玉県をはじめ、他県の状況を直ちに調査してまいります。
    合わせて引き続き、妊娠・出産を望む方々に対し早期の不妊検査を促していくため、不妊相談やウェブサイト等により正確な情報の提供に努めていきます。
    次に、妊孕性の温存についてですが、将来子どもを持ちたいと願う若年世代のがん患者が希望を持って治療を受けるためにも、お示しの妊孕性の温存は、切実な課題のひとつであると認識しています。
    府内では、地域医療機能推進機構大阪病院と関西医科大学が中心となって、府内大学病院と主な生殖医療機関の産婦人科医などで構成される「大阪がん・生殖医療ネットワーク」が発足し、がん専門医との連携をすすめる体制がこの12月にもスタートする予定です。
    本府としましては、がん診療連携協議会を通じて、当該ネットワークとがん診療拠点病院との連携を積極的に推進するとともに、患者向けの療養情報冊子やホームページなどに妊孕性に関する情報を掲載するなど、がん治療を受けながら将来子どもを持ちたいと願う患者をサポートする環境づくりに努めていきます。
    ・小児救急電話相談の相談時間の拡充について伺う。
    ・電子母子手帳の普及促進について伺う。
    (健康医療部長答弁) まず、小児救急電話相談事業でございますが、この事業は、子どもをもつ保護者の不安解消や救急医療の適切な利用につながっており、診療が十分には提供されない夜間において、小児救急医療体制の維持に大きな役割を担ってきたと認識しております。
    本府では、本年4月から特に相談の多い20時から23時において、3回線から4回線に増設した結果、その時間帯での相談が、約2割増加するなど、着実に成果をあげています。
    相談時間の休日昼間への拡充については、市町村における休日急病診療所の開設時間、他府県の事例、府民ニーズなどを十分に踏まえて検証していきます。
    次に、電子母子健康手帳でございますが、母子健康手帳は母子保健法に基づき、妊娠の届出をした人に対し市町村が交付しており、妊産婦や乳幼児の健康診査や保健指導の結果を記録するものです。
    いわゆる電子母子手帳は、民間企業が開発した妊娠期から子育て期における情報や記録を電子データとして管理・利用できるアプリケーションであり、府内においては母子健康手帳の交付とは別に4市が導入しております。
    電子母子手帳を導入している市からは、乳幼児健康診査や予防接種の案内などに有効な手段であると聞いておりまして、市町村での導入支援のため、今年度から大阪府新子育て支援交付金の優先枠メニューに加えたところです。引き続き、取り組み事例の紹介や交付金の活用により、市町村での取り組みが広がるよう支援していきます。
    (2)オール大阪での少子化対策の推進について 
    ・少子化対策を推進するための計画について府の認識を伺う。
    (福祉部長答弁) 少子化が進行している要因としては、未婚化あるいは晩婚化が進行しているということに加えまして、子育て中の孤立感あるいは負担感といったものが大きいことなどが考えられますことから、結婚、妊娠・出産、子育てまでの切れ目のない支援、これが重要であると認識をしています。
    府といたしましては、福祉部を中心に「子ども総合計画」などに基づきまして、関係部局が連携を図りながら、こうした少子化対策につながる取り組みを総合的に推進しているところですが、少子化を正面から捉えて、出生率などの具体的な数値目標を掲げている計画は、ございません。
    ・少子化対策の総合的推進体制について伺う。
    (福祉部長答弁) 「子ども総合計画」を所管する福祉部としてお答えをいたしますが、少子化対策を前面に出した計画、これがどういう形のものか、あるいは数値目標のあり方を設定するのがいいのかどうか、庁内推進体制や機運醸成のための府民参加のあり方、様々な課題がありますが、どのように対応すべきか、庁内関係部局と協議をし、検討をいたします。
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