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1 英語教育推進事業
①英語学習アプリのパッケージ開発の現在の進捗状況について問う。
(教育長答弁)
これまで英語力の向上に向けて様々な取り組みを進めてまいりましたが、現在1人1台端末の導入を生かし、学年に関係なく、一人ひとりの英語力に応じて発話等も含めた学習が進められますよう英語学習ツールやアプリの開発を進めております。
今年度より開発を進めております英語学習アプリである「BASE in OSAKA」は、AIによる自動採点機能を有しており、児童生徒が画面に示された英文の音読や、英語で質問されたことに対する英語でのやり取りの内容を瞬時に判定することができることとなっております。
また、教員が児童生徒の録音した音声やその評価についても閲覧することができるアプリでございます。
現在、府内公立小学校43校、中学校43校、及び府立高校28校をモデル校に指定し、それぞれの学校の実態に応じて、授業や家庭学習において様々な方法で活用しているところでございます。
今後、府教育庁においては、モデル校からの意見等を踏まえ、事業者と連携しながら、このアプリをより良いものへ改善していきたいと考えております。
②アプリを実際に活用しているモデル校からのフィードバックや、そこから明らかになった課題に対する今後の対応について問う。
(教育長答弁)
モデル校の教職員からは、「休み時間になってもAI判定で高得点が出るまで、楽しみながら何度も話す練習をしている」といった声や、「AIのスコアを見て徐々に自信をつけ、話すことに前向きになった生徒がいる」といった声がある一方で、「アプリの例文が教科書に関連したものであれば、より授業内での活用がしやすい」といった意見もでておると聞いております。
今後、令和6年度以降に、府内で希望する全ての公立小中学校および府立高校が、安価で本アプリを活用できるようにいたしますとともに、授業で活用しやすくするなど、アプリの改善に努めることで、小中高を通じた英語教育のさらなる推進に取り組んでまいります。
2 日本語指導が必要な児童生徒への支援
①これまでの取組みの成果や課題をどのように捉えているのか、また、当該児童生徒の増加が予想される中、今後の支援についてどのように考えているのか所見を問う。
(教育長答弁)
まず、取組みの成果についてでございますが、「OSAKA多文化共生フォーラム」は、今年度、過去最多となる84名の中学生の参加があり、95%の生徒が楽しかったと回答し、「母語で話せるこのようなイベントはとても大事だと思った」という感想が多数寄せられております。また、昨年度から月1回程度実施をしております「オンラインの国際クラブ」では、毎回約120名の児童生徒が参加し交流を深める機会となっております。
さらに、「オンライン日本語指導」では、少数散在校に在籍し指導を受けている児童生徒のうち8割以上の子どもが、取組みの実施前に比べて日本語能力を測るテストのステージが向上するなど一定の成果を上げているところでございます。
次に課題でございますが、政令市を除く小中学校におけます日本語指導が必要な児童生徒が、昨年度は1年間で約300名増加したことに加えまして、当該児童生徒の在籍が2名以下の学校数が在籍校全体の5割を上回るなど、少数散在化の傾向が一層顕著となっていることであります。現状では、異なる日本語能力の児童生徒を想定より多い人数でクラス編成し授業を行わざるを得ないなど、日本語指導員がその対応に追われている状況にございます。
このように少数散在化の傾向がいっそう進んでいる状況から考えますと、十分な日本語指導を行うためには、現状体制の見直しも必要になると考えております。今後、当該児童生徒がどの学校に在籍しても、安心して学校生活を送ることができるよう、効果的な指導体制の構築に向けて検討してまいります。
②特別枠入試実施校の受入れ枠の拡大やセンター的機能を担う学校づくりについて所見を問う。
(教育長答弁)
府立高校におけます日本語指導が必要な生徒への対応についてでございますが、ただいまご指摘の課題を含めまして、現在、大阪府学校教育審議会多様なニーズに応える府立学校のあり方検討部会におきまして、ご審議をいただいているところでございます。
本部会では、特別枠を設けた入学者選抜を志願する生徒をこれまで以上に受け入れることができる新たな仕組みやICTを活用しながら少数在籍校へ支援を行うセンター的機能を担う学校について、検討の必要があるとのご意見をいただいております。
今後、学校教育審議会での議論を踏まえまして、府立高校におけます受入れ体制づくり等について、具体的に進めていきたいと考えております。
③多様な生徒の学びの保障を市町村関係なく行っている各市の中学校夜間学級に対して、府も支援を進めるべきと考えるが、所見を問う。
(教育長答弁)
夜間中学は、大阪府におきましては教育機会確保法が成立する以前から、戦後の混乱期を背景に、学齢期に十分義務教育を受けられなかった方の学習保障を目的として7つの市が設置をしておりまして、府としても、多様な学びを保障する学校として欠かすことができないものであると認識をしております。
ただいまお示しのとおり、夜間中学校には、全体の7割を超える日本語の理解度が様々な外国籍の生徒が在籍する一方、不登校等を背景に学び直しの生徒が年々増加する等、多岐にわたる対応が求められております。また、府内の夜間中学は、いずれも設置市以外の市町村や、近隣県からも生徒を受け入れており、広域での教育機会確保の役割を果たしております。
府教育庁では、府域全ての夜間中学に日本語指導支援員やスクールカウンセラーを配置するなど支援を行っております。また、設置市外からの受入れが円滑に進みますよう、府内7市の夜間中学設置市との調整を行っているところでございます。
令和6年度には、さらに泉佐野市に夜間中学が新設されることとなっております。
今後も引き続き、設置市教育委員会と緊密に連携しながら、各校の状況や課題を把握し、多様な学びを保障する場のひとつとして、夜間中学への支援を引き続き行ってまいります。
3 国際金融都市OSAKA
・大阪が国際金融都市としての地位を確立していくためには、どのようなところに力を入れて、取り組みを進めていく必要があると考えているのか所見を問う。
(政策企画部長答弁)
「金融をテコに発展するグローバル都市」の実現にあたりましては、議員お示しのとおり、金融系外国企業等の誘致が、大阪経済の好循環につなげていくことが大切だと認識しております。
こうした認識の下、海外の資産運用業者やフィンテック企業などの誘致を着実に進めるため、拠点設立補助金や今年9月定例議会でご議決いただいた地方税の軽減制度を創設したところでございます。
また、先月30日には、海外のフィンテック企業と在阪の金融機関、事業会社、また、海外の資産運用業者と大阪・関西のライフサイエンス系スタートアップとを結びつけるビジネスマッチングイベントを開催したところでございます。現地では約90社130名、オンラインで約150名が参加いただき、100件以上の個別商談を行うなど、大阪のビジネスに対する関心の高さを実感することができたところでございます。
こうした取組みの結果、大阪進出に関心のある企業から、国際金融ワンストップサポートセンターへの問い合わせについても、着実に増加してきているところでございます。
今後も、国際金融都市の実現に向け、金融系外国企業等の活力をテコにした、地域経済エコシステムの確立をめざすことにより、大阪の持続的発展を図ってまいります。
(再質問)・30社誘致する目標をどのように達成しようとお考えなのか、所見を問う。
(知事答弁)
金融系外国企業等の誘致にあたっては、英国での関係者とのヒアリング等を重ねる中で、大阪でのビジネスの機会、サポートの体制、インセンティブが重要であると実感したところです。
このため、国内外の資産運用業やフィンテック企業を大阪・関西のスタートアップや金融機関等と繋げるビジネスマッチングや、ワンストップサポートセンターでの伴走支援に力を注いできました。結果、今年度に入り6社の誘致に結びつけました。
こうした取組みを加速させると共に、今年度、新たに拠点設立補助金に加え、大阪独自の支援として地方税を軽減する制度を創設したところです。引き続き、これらの府のサポート内容や、大阪のビジネスの魅力、生活環境等を、私自ら広く発信するなど、誘致目標を30社、失礼し、30社これを達成できるように、しっかりと取り組んでいきます。
4 新大阪駅周辺地域のまちづくり
・まちづくりの更なる機運醸成に向け、今後、どのように取り組んでいくのかについて問う。
(大阪都市計画局長答弁)
新大阪駅周辺地域につきましては、「まちづくり方針2022」において、リニア中央新幹線などの全線開業を見据えたまちづくりを進めることとしており、効果的なプロモーションにより民間都市開発やそれにつながるまちづくりの機運醸成を図ることが重要であると認識しております。
このため、本年2月に関係者による協議会の主催のもと、まちづくりセミナーを開催いたしましたところ、これを契機として南口エリアの地権者によるワークショップが設けられ、まちの将来イメージ等に関する活発な意見交換が行われてきたところでございます。
さらに、お示しの11月のシンポジウムにおきましても、南口エリアの活動状況の報告とともに、地権者から、今後、エリアのビジョン等に関する検討を進めたいとの意向が示されるなど、まちづくりの機運の高まりが実感できる状況となっております。
引続き、新大阪駅周辺地域がめざすべき将来像とともに、まちの価値向上につながる都市開発事例を発信するなど、さらなる機運醸成に向け、経済団体や鉄道事業者などの関係者と連携しながら、戦略的なプロモーションを実施してまいります。
5 淀川流域の魅力あるまちづくり
・十三船着場のかわまちづくりのみならず、大堰の上流部を含めた流域において、船着場周辺のにぎわいづくりに取り組むとともに、拠点同士をつなげ線にすることで、流域全体の魅力を高めることが重要と考えるが、所見を問う。
(大阪都市計画局長答弁)
淀川沿川の魅力向上に向けましては、国や市町、民間事業者等との連携のもと「淀川沿川まちづくりプラットフォーム」を設置し、にぎわいづくりや情報発信を進めますとともに、国を中心とする「淀川舟運活性化協議会」にも参画し、舟運とあわせた沿川地域の活性化に取り組んでおります。
今年度につきましては、船着場のさらなる活用や周辺のにぎわいづくりをすすめるとともに、それらの拠点を船や自転車などでつなぐことにより、沿川の魅力を効果的に高める取組を推進しております。
具体的には、先月11月12日に、守口市や枚方市の船着場周辺において集客イベントが開催されましたことにあわせ、観光船の運行実績がある八軒家浜から枚方までの区間に、新たに守口の佐太船着場を加え、これら3か所を舟運でつなぐ試みが実現したところでございます。
あわせて、これらの船着場周辺や大阪から京都に至る淀川沿川のみどころなどを通過ポイントとして設定し、一定の期間内に広く自転車で巡っていただくイベント「淀川周遊サイクルディスカバリー」をスタートいたしました。
引き続き、国や沿川自治体等の関係者と広域的な連携を進め、淀川沿川全体の魅力あるまちづくりに向けまして、積極的に取り組んでまいります。