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1 府立高校の脱炭素化の取組みについて
・脱炭素化に向けて、特に府有建築物として占める割合の大きい府立高校の現在の取組み状況について問う。
(教育長答弁)
民間事業者の資金やノウハウを活用して、LED照明などの省エネルギー設備に改修するESCO事業を現在府立高校22校に導入しております。また、太陽光パネルを11校に設置し、省エネルギーなどの取組みを行っております。
LED照明などにより生徒の学習環境が改善されますとともに、CO₂排出量の削減が実現されますことから、今後もESCO事業の導入について、検討してまいります。
また、建替えを予定しております寝屋川高校では、「おおさかカーボンニュートラル推進本部会議」にて決定されました「府有建築物の新築におけるZEB化の推進方針」に基づきまして、50%の省エネルギー化を実現するZEB Readyを目指すことといたしております。
今後も建替えを検討する中で、省エネルギー設備や断熱効果の高い資材の導入などを併せて検討し、CO₂排出量の削減に取り組んでまいります。
2 小中学校の不登校対策について
①小中学校の不登校者数の激増という、府の課題についてどう捉えているのかを問う。
(教育長答弁)
ただいま、お示しのとおり、国の「問題行動・不登校等調査」におきましては、大阪府の公立小中学校の不登校者数は、全国と同様に増加し、令和4年度では19,952人となり、5年前の平成30年度と比較いたしますと小学校では2倍以上、中学校では1.5倍以上増加をしている現状であります。
一度、不登校になりますと翌年度以降も不登校の状態が続く傾向がみられ、小学校での不登校が、中学校・高等学校まで影響を与えることも懸念されます。そこで、小学校の段階から楽しく通うことのできる魅力ある学校づくりを推進していくことに加えまして、不登校になった児童生徒に対しては学びの保障を行いますとともに、小学校から中学校、中学校から高校など、各校種間において子どもに関わる情報共有等の連携を図ることが一層必要になってきているとそのように考えております。
②保護者が相談できるような体制が必要と考えるが、保護者の悩み等に対する府としての取組みについて問う。
(教育長答弁)
子どもが不登校となることで生じる保護者の不安等が、さらに子どもたちに影響することもあり、保護者が悩みを相談し、落ち着いて子どもと向き合えるようになることは何よりも重要であると考えております。
そこで、府としては、スクールカウンセラーについて、これまでの中学校を中心とした配置に加えまして、令和3年度より小学校への派遣を拡充し、保護者の悩み等に対応できるよう働きかけているところでございます。
また、令和5年度より、校内での不登校等の子どもの居場所となる「校内教育支援ルーム」を設置する小中学校に、府として、支援人材を配置する事業を始めております。本ルームでは、子どもの状況やニーズに合った支援を可能とするために、支援人材や専門家も共に、保護者ときめ細かに話をしながら対応を進めているところでございます。
③未然防止から不登校の兆しの段階での早期対応、不登校の子どもたちの学びと進路を確実に保障するために、今後、府としてどのように進めていくのかを問う。
(教育長答弁)
不登校対策は喫緊の課題であり、これまでの取組みをふまえ、小学校段階から高校まで一貫した支援を進めていくことが必要であると考えております。
そこで、不登校を生み出しにくい学校体制づくりや校種間連携の在り方、子どもたちの学習機会を保障するための柔軟で多様な学びの場の充実に向けまして、市町村教育委員会や学校現場等の意見を聞きつつ、府教育庁全体で議論を進め、「学びの多様化学校」の設置も含めて、不登校の総合的な対策を検討してまいります。
今後とも大阪府のすべての子どもたちの学びの支援に向けて取組みを進めてまいります。
3 難聴児への手話獲得支援について
・聴覚に障がいのある子どもとその保護者を支える活動について、(公財)日本財団の支援が終了した後も、引き続き府がしっかりと支えていくべきと考えるが、所見を問う。
(福祉部長答弁)
難聴児の皆さんが、早期に手話を習得できる機会を確保することや、併せて保護者へ相談等のサポートを行いますこと、これは、難聴児の皆さんの言語の獲得やコミュニケーション能力の発達が円滑に進み、難聴児の皆さんにとって、より一層社会生活が豊かになるものであり、大変重要であると認識しております。
そのため、府といたしましては、お示しの福祉情報コミュニケーションセンターを難聴児支援の中核機能拠点といたしまして、難聴児の手話言語習得獲得とその保護者の支援を実施してきたところでございます。
今後の展開につきましては、実施主体である法人をはじめとした関係機関等とも調整を重ねながら、手話言語条例に基づく難聴児と保護者への早期支援などの効果的な方策につきまして研究してまいりたいと考えております。
4 IR事業について
①大阪IRの現在の事業計画で金融機関からの融資が本当に確実なのか見解を問う。
②本年4月のIR区域整備計画の認定に際して、推計に用いる各種データ等の精緻化に係る条件が付されている点について、今後、事業者に対しどのように取組みを促し、様々な懸念をどのように払拭していくのかを問う。
(知事答弁)
IRは、民設民営の事業として、MGM・オリックスの中核企業2社に加えまして、大阪・関西を中心とした企業20社が自らの出資や金融機関からの借入れにより資金調達を行い、リスクを負って1兆円を超える投資を行うものであり、事業計画の立案にあたっても、慎重に検討・精査されているものだと認識をしております。
来訪者数等の効果推計については、IR事業者において、人口統計や訪日外客統計等の統計情報、そして、既存のIR施設や近畿圏及び日本国内にある集客施設等の実績・知見等を踏まえて推計されており、また、それらの来場者数を踏まえて売上等が見込まれているものであります。
また、借入については、返済原資を当該プロジェクトから生み出される収益・キャッシュフローと当該プロジェクト資産に限定する、いわゆるプロジェクトファイナンスによる借入を予定しており、事業者においては、金融機関の厳しい審査を経て、金融機関からの融資確約書を既に取得しているところであります。
加えて、シンガポールのIRとの概括的な比較においても、大阪においては、域外からの旅行者数や後背圏の規模が大きく、高い需要のポテンシャルを有するものと考えています。
これらを総合的に勘案すると、実現性のある相応の計画であると認識をしていますが、事業の進捗に合わせて、事業者と引き続き精緻化を図っていくとともに、各IR施設やコンテンツの魅力の維持・向上に取り組むなど、その推計値の実現に向けた取組みを着実に進めていきます。
今後、大阪の再生・成長を確かなものとしていくためにも、圧倒的な魅力を備えた世界最高水準の成長型IRを大阪ベイエリアで実現し、大阪・関西の持続的な成長につなげていきたいと思います。
5 万博会場の建設費の増額について
・知事は、令和5年11月1日の2025年大阪・関西万博推進本部会議で、協会の説明を聞き、その日にうちに、大阪府・市としての対応方針を示したが、なぜ、現状の説明で、今回の500億円もの上振れをやむを得ないものと判断できたのかを問う。
(知事答弁)
10月20日に博覧会協会から示された精査結果は概略なものであったことから、詳細な資料等が必要になるため、私自らも確認事項を提示し、11月1日の推進本部会議までの間、府市として確認・検証作業を進めてまいりました。
物価影響額については、協会において、会場建設費1,850億円全体に対する物価上昇を考慮して、当初の150億円から527億円増額すると算出されたものであります。お示しの大工区のような項目ごとに物価影響額を算出して、それらを合計しても結果は同じだと思います。なお、今回の物価影響額については、府市の発注する公共工事との比較などにより、妥当なものであるということも確認をしております。
また、工事内容の見直しによる変更等の減額157億円については、事務方においても、協賛の獲得や仕様の見直しなど一つ一つ内容を確認しています。
こうした確認・検証の結果、前回の増額時の想定を上回る物価上昇が主な要因であるということに加え、予備費の計上についても必要性が認められる一方で、工事内容の見直しによる縮減努力もなされていることから、今回の増額はやむを得ないというふうに判断をいたしました。