議会報告

  • 山下浩昭議員
    平成30年2月議会 一般質問(山下浩昭議員)要旨(平成30年3月2日)
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    1 障がい者のスポーツと文化芸術事業について

    ・今後の障がい者スポーツと障がい者文化芸術の振興に向けて、どのようなビジョンを持っているのか伺う。
    ・障がい者スポーツに対する取り組みについて伺う。
    ・障がい者の舞台芸術に係る支援者などの発掘・育成等を進める取り組みについて伺う。
    (福祉部長答弁) お示しの「包摂的社会」を実現するうえで、障がい者スポーツ・文化芸術の振興を図りますことは、大変意義深いことと認識しております。
    このため、まず、障がい者スポーツについては、「ファインプラザ大阪」を府内の拠点としておりまして、指導員を養成して府内支援学校等へ派遣しているほか、障がい者スポーツ団体等に対しまして、PRや運営面の相談支援等を行っておりまして、今後、こうした機能を一層強化をしてまいります。
    次に、障がい者文化芸術についてであります。国際障害者交流センター「ビッグ・アイ」や障がい者アート作品の販売支援プロジェクト、これは「カペイシャス」と申しますが、「カペイシャス」との連携を一層強化をいたしまして、府内のアーティストや福祉事業所の作品展示、販売の活動支援のほか、舞台芸術に係る支援者などの発掘・育成等を進めてまいります。
    これらの取り組みを通じまして、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会はもとより、その後の継続性もしっかりと見据えまして、大阪の障がい者スポーツや文化芸術の裾野を拡げ、成果を発信することによりまして、持続的な取り組みとなるよう努めてまいります。
    お示しの「東大阪市のウィルチェアースポーツ広場」のように、誰もが身近に車いすスポーツを体験することのできる場、これが府内に増えていくことは、これは大変、有意義なことと考えております。
    今後、こうした地域のスポーツ施設、或いは自主的な障がい者スポーツの取り組みに対しまして、「ファインプラザ大阪」との連携強化や指導員の派遣などの技術的な支援を継続することによりまして、地域それぞれで、障がい者スポーツの集いの場が形成をされ、地域での裾野が拡大していきますよう、取り組みを進めてまいります。
    障がい者の舞台芸術に係る人材養成についてお答えを申し上げます。
    大阪府では、平成13年度から、「ビッグ・アイ」を拠点といたしまして、障がいのある方を中心に、音楽、ダンス、演劇の専門家によるワークショップ形式の「障がい者芸術・文化カレッジ」というものを実施してまいりました。
    今年度からは、2020年「東京オリンピック・パラリンピック」開会式・閉会式などへの参加を目標といたしまして、世界的ダンサーなどを演出・振付・出演者として招へいいたしまして、舞台芸術を造り上げていく取り組みというものを開始しております。
    今後も、「カレッジ」を通じまして、障がい者パフォーマーはもとより、障がいのある人を「伴走者」としてサポートする人材の養成を進めてまいりたいと存じます。

    2 継続した医療的ケアを必要とする児童・生徒の通学支援について

    ・継続した医療的ケアを必要とする児童・生徒の通学支援について伺う。
    (教育長答弁) 医療的ケアを必要といたします児童・生徒の通学につきましては、主治医や学校医の所見をもとに個別に検討を行い、安全が確保できると判断した場合には、通学バスを利用しております。
    現在、府立支援学校に通学をする医療的ケアが必要な児童・生徒は約400名でございます。その8割の約320名が通学バスで登校いたしております。
    小中学校につきましては、全国に先駆けて、看護師配置にかかる経費の一部を市町村に補助をし、地域の支援学級への就学環境の改善にも努めてきたところでございます。
    これまでから、通学バスを利用できない児童・生徒の通学支援につきましても、様々な角度から検討してまいりましたが、特に介護タクシーの導入につきましては、多くの財源が必要となりますとともに、看護師や車両の確保が大きな課題でございます。
    また、現在多くの児童・生徒が利用いたしております、放課後等デイサービス事業におきましては、本事業を利用するための送迎はできますものの、制度上、通学支援に利用することはできません。
    今後とも、これら課題解決に向けまして、福祉部と連携をし、法律改正や財源確保につきまして、国に対して要望を行ってまいります。
    また、医療的ケアが必要な児童・生徒は、個々に状況が異なりますことから、通所支援事業所が有する車両や人材を活用することができないかなど、事例の検証を行ってまいります。

    3 道路防災対策について

    ・平成25年に台風第18号による道路災害が発生したが、この災害を道路防災対策にどのように反映させたのか伺う。
    ・大阪生駒線で災害が発生した原因について伺う。
     また、必要な場所で適切な対策工事を実施するために、どのように取り組んでいくのか、併せて伺う。

    ・道路防災事業の推進について伺う。
    (都市整備部長答弁) 道路法面の安全確保については、5年ごとに実施する道路防災点検により、道路災害につながる恐れのある箇所を調査し、道路防災対策の要否を判定したうえで、必要な対策工事を実施し、安全で円滑な交通の確保に努めております。
    平成25年の台風第18号による被災の後、日常のパトロール結果に加え、道路の利用者や自治会などからいただいた、落石、倒木などに関する情報を反映した結果、平成22年度点検と比べ、約860箇所多い、1,966箇所の点検箇所を抽出いたしました。
    平成27年度実施の道路防災点検においては、これらの点検箇所について調査を行った結果、対策を必要とする「要対策」271箇所を把握し、順次、防災対策工事を実施しております。
    道路防災点検において、「要対策」と評価された箇所及び「経過観察」と評価された箇所は、5年ごとの点検とは別に、職員が年に1回、遠方目視による簡易点検を実施しております。
    大阪生駒線において、昨年の台風第21号により崩落が発生した箇所は、「経過観察」としていた箇所であり、平成29年3月に簡易点検を実施いたしましたが、その際、異常は認められませんでした。
    昨年の台風第21号は、記録的な大雨と長雨が特徴であり、道路法面などの崩落が府内各地で発生いたしました。その原因は、降り続いた雨により、土の中に多くの水分を含み、法面が緩んだことと考えており、大阪生駒線も同様の原因によるものと考えられます。
    今回の台風第21号による被災を踏まえ、簡易点検において、遠方目視だけでなく、ドローンなどの新技術の導入を検討し、異常箇所の早期発見とそれに基づく迅速な対応をめざしてまいります。
    平成27年度の道路防災点検で「要対策」と判断した271箇所のうち、昨年度末時点で18箇所が対策済みとなっており、今後、2024年度までに全ての箇所の対策を完了することとしております。
    道路法面の対策工事は、法面の地権者の特定や、境界の確定などに時間を要することや、地権者に土地利用の協力をいただかなければならないことなど課題がありますが、粘り強く調整を行い、着実に対策を進めてまいります。

    4 山地災害対策について

    ・国の森林環境譲与税(仮称)と、府が平成28年度から導入している森林環境税のそれぞれの目的や使途について伺う。
    ・山地における防災や減災に対応していくために必要な財源の確保について伺う。
    ・山地災害対策の取り組みについて伺う。
    (環境農林水産部長答弁) 先ず、国の森林環境譲与税(仮称でございますが)は、温室効果ガス吸収源等に重要な役割を担う森林を支える仕組みとして、市町村が行う森林整備及びその促進に関する費用に充てなければならない、とされております。
    次に、大阪府の森林環境税でございますが、これは、自然災害から府民の暮らしを守るため緊急かつ集中的に実施する必要がある、防災・減災につながる森林保全対策を主体に取り組んでいるものでございます。
    府の森林環境税を活用した「危険渓流の流木対策事業」は、平成32年度までの5年間で実施することとしており、先ずは、この事業を確実に執行してまいります。
    一方で、昨今、経験したことの無い異常な集中豪雨等による甚大な災害が、全国各地で発生していることなどもふまえ、今後、本府において必要となる新たな防災・減災等の対策につきましては、国庫事業の活用なども含め検討してまいりたいと考えております。
    大阪府では山地災害対策として、国庫補助を活用した治山事業を実施いたしますとともに、その対象とはならない危険度の高いという箇所については、森林環境税を活用し取り組んでおります。
    ご指摘の東大阪市上石切町におきましては、防災・減災対策として、近年におきましては、平成27及び28年度に国庫補助を活用し、治山ダムを設置いたしました。また、平成31及び32年度に府の森林環境税を活用した流木対策事業の実施を予定しており、併せて、災害から「逃げる」という減災意識を醸成する観点から、「森林危険情報マップ」を活用した防災教室も実施することとしております。
    今後ともハード・ソフト両面から都市整備部や市町村とも連携を図りながら防災・減災対策に取り組んでまいります。

    5 災害時の外国人旅行者の安全確保について

    ・多言語ボランティア確保支援事業について伺う。
    ・外国人旅行者専用の避難場所の設置について伺う。
    (府民文化部長答弁) 来阪外国人旅行者が1,100万人を超える状況の中、災害時において外国人旅行者の安全を確保することは重要であると認識しております。
    ご質問の多言語ボランティア確保支援事業は、地域に暮らす外国人の方々が、災害時に避難所に避難してきた外国人旅行者に対し、多言語支援ボランティアとしてご協力いただけるよう、市町村が実施する研修会や交流会等に必要な経費を補助するものです。
    来年度、5市町村をモデル団体として支援し、これらの取り組み事例を広くフィードバックすることにより、他の市町村での実施につながるよう取り組んでまいります。
    災害時の避難所は、災害対策基本法により市町村が指定することとされています。
    しかしながら、大阪に来られた外国人旅行者の安全を確保することは、本府としても重要であると認識しており、災害発生から帰国に至るまでの間、どのような支援が必要かについて、市町村や宿泊施設等の観光関連事業者と検討を行い、昨年度「府内観光関連事業者向けの災害時における外国人旅行者の支援フロー(案)」として取りまとめたところです。
    この支援フロー(案)では、外国人旅行者の方には、一定の受入れ体制が整っていることから、可能な限り宿泊先のホテル等に滞在していただくことを基本的な考え方としています。
    こうしたことを踏まえつつ、今後とも、市町村や地域の関係者に加え、在関西総領事館等と意見交換を行いながら、避難場所も含め、外国人旅行者の安全確保策について、さらなる検討を進めてまいります。

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