議会報告

  • 山下浩昭議員
    平成30年9月定例会 代表質問(山下 浩昭 議員)要旨(平成30年10月3日)
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    1 大阪府北部地震および台風21号等災害対策について

    ・災害時の体制について問う。
    (危機管理監答弁) 災害時の初動対応については、議員お示しのとおり、風水害については、事前の準備ができることから、地震時のような自動的な設置基準はなく、原則は防災・危機管理指令部が被害情報を収集し、人命救助などの応急対応の必要性を見極めながら、判断するということとしています。
     今後、台風の場合には、事前の備えの強化や情報収集の充実など応急対応の観点から、最接近時間の遅くとも3時間前には防災・危機管理指令部設置をルール化するということとともに、指令部会議には関係機関の参加を求めるなど、体制を強化し適切な判断ができるように努めてまいります。
    災害対策本部の設置基準については、風水害に関しては客観的な基準の設定がなかなか難しいというふうに考えておりますが、気象台など関係者のご意見も聞いていきたいと考えています。

    ・知事の府民への情報発信について問う。
    (危機管理監答弁) 災害時における、各種の情報を網羅的に「おおさか防災ネット」に掲載することにより、広く府民に防災情報を伝えるよう努めております。
    また、重要な情報は、民間事業者の防災アプリによる情報発信など、民間の力も活用し、あらゆるチャンネルを利用して発信に努めてまいります。
    情報の見せ方ということについては、議員ご指摘のとおり、必要な情報を正しく伝える上で、 大変重要であり、「おおさか防災ネット」の表示については改善をしていきたいというふうに存じます。
    さらに、SNSなどさまざまな媒体での情報提供を検討し、迅速で正しい情報伝達に努め、府民の生命・財産を守れるよう災害対策に万全を期してまいります。

    ・災害時の外国人観光客対応について問う。
    (府民文化部長答弁) 訪日外国人が急増する中、大阪が世界有数の国際都市をめざす上で、災害時における外国人への情報提供など安全・安心の取組みを推進することは、重要と認識しております。
    本府では、本年6月の地震発生後、大阪府国際交流財団と共同で「災害時多言語支援センター」を立ち上げ、外国人への多言語による相談対応や情報提供を行ったほか、市町村を通じまして避難所にいる外国人の支援ニーズを確認し、翻訳や通訳派遣を行いました。また、大阪観光局においても、観光案内所や多言語コールセンターにおける相談対応やSNS等による情報提供を行いました。
    先月の台風21号においても、地震の際と同様に、多言語による相談対応や情報提供を行うとともに、大阪観光局において、外国人観光客の相談に対応するため、新たに専用電話回線による相談窓口を設けたところです。
      こうした中、外国人観光客に必要な情報を、確実に届けるための仕組みに課題があったと認識しております。
    これらの課題も踏まえ、災害時に外国人観光客が必要とする情報を、より迅速かつ的確に届けるため、関係機関とも連携しながら、効果的な情報提供について検討を始めておりまして、早急に実施できるよう、取り組んでまいります。

    ・災害時の知事による情報発信について問う。
    (知事答弁) 訪日外国人が急増する中、大阪が世界有数の国際都市をめざす上で、災害時における外国人への情報提供など安全・安心の取組みを推進することは、重要と認識しております。
    本府では、本年6月の地震発生後、大阪府国際交流財団と共同で「災害時多言語支援センター」を立ち上げ、外国人への多言語による相談対応や情報提供を行ったほか、市町村を通じまして避難所にいる外国人の支援ニーズを確認し、翻訳や通訳派遣を行いました。また、大阪観光局においても、観光案内所や多言語コールセンターにおける相談対応やSNS等による情報提供を行いました。
    先月の台風21号においても、地震の際と同様に、多言語による相談対応や情報提供を行うとともに、大阪観光局において、外国人観光客の相談に対応するため、新たに専用電話回線による相談窓口を設けたところです。
      こうした中、外国人観光客に必要な情報を、確実に届けるための仕組みに課題があったと認識しております。
    これらの課題も踏まえ、災害時に外国人観光客が必要とする情報を、より迅速かつ的確に届けるため、関係機関とも連携しながら、効果的な情報提供について検討を始めておりまして、早急に実施できるよう、取り組んでまいります。

    ・タイムラインによる防災対策について問う。
    (都市整備部長答弁) 台風第20号、第21号、及び24号においては、タイムラインに従い、台風最接近の時刻、注意報・警報の発表タイミング等の気象台の情報や、河川の水位、施設操作の状況などの府の情報をタイムライン参画機関と共有しました。
    一連の台風の対応について、現在、検証作業を進めており、参画機関からはタイムラインの活用により、早期に防災体制の構築ができた、早いタイミングで避難情報を発令できたといった成果が報告されております。
    一方で、台風第21号は、休日から月曜日、火曜日に接近いたしましたため、休日を含む体制確保や情報共有の対応について課題が見つかりました。そこで、台風第24号の際には、金曜日に、参画機関に対して週末の体制確保を促すなどの対応を行いました。
    引き続き、今回の運用に関する検証を進めますとともに、今後も運用と検証を繰り返し、タイムラインをよりよいものにしてまいります。
    さらに、市町村に対し、先行事例や運用の効果を説明するとともに、水害や土砂災害を対象とする策定マニュアルを活用した勉強会を開催することにより、ノウハウを共有し、市町村のタイムラインや、住民の避難行動につながる地域のタイムラインの策定につなげてまいります。

    ・府立学校における災害に係る施設や連絡体制等に関する課題について問う。
    (教育長答弁) 先ず、府立学校の老朽化対策につきましては、平成28年度から今年度までの3年間、学校施設の劣化度調査を行っておりまして、このデータに基づいて、来年度、「府立学校施設の長寿命化に関する方針」を策定し、これに沿って着実に取り組んでまいります。
    次に、今回の地震で、交通が途絶をしまして登校できなかった児童生徒に対する安否確認につきまして、電話等がつながりにくかったこともありまして、すべての確認に夕刻まで要してしまったというケースもございました。また、台風21号のため、Webページを更新できずに休校等の情報を発信するのが遅れたというケースもございました。
    何よりも、災害時におきましては、生徒の安否確認、情報伝達、これらを速やかに行うことが重要でありまして、このことに時間を要したということにつきましては、これは非常に大きな課題であると認識しております。
    今後、この課題を解決できますように、安否確認や情報伝達にSNS等を活用するなど、災害時に有効に利用できる連絡方法について研究・検討してまいります。

    ・府立学校の危機管理体制に関する課題とその対応について問う。
    (教育長答弁) 府教育庁としましては、学校の非常配備体制が教職員に十分周知されていなかったことを課題としてとらえ、校長等を対象に、非常配備が敷かれた場合の教職員の対応について、改めて研修を実施しました。加えて、災害等が発生した場合の教職員の行動指針を示しました「教職員防災必携」を新たに作成し、教職員が携帯するよう指導いたしました。
    府教育庁としましては、今後とも、学校が災害時に求められる役割を十分に果たすことができますよう、また、全教職員の危機管理体制がより確かなものとなりますよう、努めてまいります。

    ・民間のブロック塀の安全対策について問う。
    (住宅まちづくり部長答弁) 通学路沿道を含む民間のブロック塀の安全確認については、教育庁、特定行政庁、市町村と連携し、これまでに府内全域で約5,700箇所の点検を実施し、必要に応じて塀の所有者に対して、注意表示や改善等の指導を徹底して行うとともに、引き続き点検を進めているところです。
    また、危険性があると判断されたブロック塀の除却については、府内全域で早急に進める必要があることから、全ての市町村において所有者に除却を促す補助制度がすみやかに創設されるよう、市町村を支援するための補助制度を創設することとし、必要な補正予算を計上しているところです。
    今後とも市町村と連携し、所有者に対するきめ細かな指導と支援によりブロック塀の安全確保に向けた取り組みを強力に進めてまいります。

    ・台風21号被害に対する中小企業支援について問う。
    (商工労働部長答弁) 大阪府では、被災された中小企業・小規模事業者にご活用いただける制度融資について、商工会・商工会議所等を通じて、改めて、企業等への制度周知を図っております。
    一方、府内市町村に対し、域内中小企業等の被害状況の把握を依頼し、建物等の直接的な被害、停電や関空の欠航等による間接的な被害想定をあわせて、約1万7千件の被害報告がありました。
    これを受けて、国に対し、被害による売上減少等が懸念される中小企業等に対するセーフティネット保証の発動などを強く働きかけましたところ、9月28日の国の関係閣僚会議において、同保証の発動などの支援策が決定されました。
    大阪府といたしましても、国の支援策の実施にあわせて、金利を通常より引き下げ、年0.9%の低利とした新たな融資制度の創設など支援策を早急に実施してまいります。

    ・台風21号被害に対する農業支援について問う。
    (環境農林水産部長答弁) 先般の台風21号では、大阪農業の特徴でもある高収益な施設園芸を中心に大きな被害が発生いたしました。ハウスの再建に多大な労力や費用を要することから、露地栽培と比較いたしますと、施設園芸農家の経営再建は容易ではないと認識をしております。
    特に新規参入者をはじめとした若手農家からは、ハウスの再建資金に加え、既存債務の返済もある中、営農再開に向けた資金面での支援を求める声を、数多く聞いております。
    このため、国に対し、補助事業の適用等様々な支援策についても要望いたしますとともに、府としても、JAバンク大阪との協力のもと、「大阪版被災農業者無利子融資事業」を開始したところでございます。
    こうした中、9月28日に、国においてビニールハウスの再建に対する補助等の支援策が決定をされました。引き続き、これらも活用し、若手をはじめとした被災農家が早期に経営再建を図れるよう、全力で支援してまいります。

    2 大阪府健康づくり推進条例について

    ・条例制定の意義・必要性について問う。
    (健康医療部長答弁) 府民の平均寿命、健康寿命が全国平均を下回り、市町村間における健康格差が生じる中、長寿社会に向けて、これらの健康課題への適切な対応が必要と認識しております。
    現在、お示しの3計画に基づき、生活習慣病の予防や歯と口の健康、食生活の改善などに取り組んでおりますが、各分野が密接に関連しており、課題解決に向けては、施策をより総合的・効果的に推進することが求められております。
    今議会に提案しております「健康づくり推進条例(案)」により、多様な主体の役割の連携・協働によるオール大阪体制を構築するとともに、健康づくり関連企業の集積等「大阪の強みを活かした取組み」や府民の健康づくりの意識啓発と一層の気運醸成を図ることで、健康づくりに係る施策を強力に推進してまいります。
    * 3計画:「第3次大阪府健康増進計画」、「第3次大阪府食育推進計画」、
    「第2次大阪府歯科口腔保健計画」

    3 がん患者支援について

    ・小児がん患者に対する重粒子線がん治療にかかる患者支援について問う。
    (健康医療部長答弁) 小児がん患者に対する重粒子線がん治療にかかる患者支援については、現在、小児がん患者に対する先進医療の動向や他府県における先進医療に対する助成制度の実績を踏まえるとともに、小児がん患者・家族に対するニーズ調査を行っているところです。
    これらの内容を踏まえ、平成31年度に向けて、小児がん患者が経済的な事情で重粒子線治療を断念することがないよう、制度創設に取り組んでまいります。

    4 ギャンブル等依存症対策について

    ・ギャンブル等依存症対策基本法の成立に伴い、府においても、いち早く推進計画の策定を進めるべき。
    (健康医療部長答弁) 今年7月に成立したギャンブル等依存症対策基本法に基づき、まず国において基本計画が策定されることとなっています。
    今後、府としても、国の計画を踏まえつつ、すみやかに推進計画を推進していきます。 計画の策定にあたっては、IR推進局をはじめとする庁内各部局との連携のもと、治療体制と相談支援体制の充実、普及啓発に加えて、予防に向けた取り組みや依存症関連機関との一層の協力体制の構築などを内容に盛り込み、法成立を契機として、ギャンブル等依存症対策をさらに推進してまいります。

    ・ギャンブル等依存症予防施策の効果検証や府内のギャンブル等依存症者の実態把握のためにも、実態調査すべき。
    (IR推進局長答弁) 依存症の実態把握については、有効な対策を講じ、効果検証を行う上でも重要であると認識しており、今年5月に設置したギャンブル等依存症対策研究会のテーマの一つとして、専門的知見を有する有識者等の助言も得ながら、関係部局とともに検討を深めております。
    研究会では、府の関係機関等で、相談、診察、支援を行った依存症者の情報や関連統計データを共有することで府内の実態把握に努めております。さらにギャンブル等依存症対策基本法においては、実態調査は政府が実施すると規定されていることも踏まえつつ、国の全国疫学調査の実施主体である国立病院機構 久里浜医療センターを訪問し、ヒアリング・意見交換を行うなど実態把握のあり方や手法について研究しております。引き続き、大阪府・市として有用な実態把握を行えるよう、検討してまいります。

    5 薬物乱用防止対策について

    ・若者の大麻乱用対策について問う。
    (健康医療部長答弁) 大麻は、脳に悪影響を与え、幻覚や妄想を引き起こすだけでなく、より依存性の強い覚醒剤などの使用のきっかけとなる大変危険な薬物でございます。
    府内の大麻事犯の検挙者数は、ここ数年増加傾向にあるとともに、その半数以上を10代、20代の若者が占めていることから、平成22年度以降ほぼ全ての小中高等学校での薬物乱用防止教室を行うとともに、府内大学の学生等への啓発などを通じて、大麻の危険性を若者が理解するように取り組んでいます。
    国においては、「水際での密輸阻止」、「未規制物質の迅速な規制」、「関係機関との連携」等を強化するための「第五次薬物乱用防止五か年戦略」が8月に策定されたところです。府としても、大麻事犯の検挙者数に占める若者の割合が全国より高いという特性も踏まえて、今年度中に五か年戦略を策定し、関係機関と連携して、総合的な薬物乱用防止対策に取り組んでいきます。

    6 認知症施策の推進について

    ・認知症施策の総合的な体制構築と充実について問う。
    (福祉部長答弁) 認知症の発症予防につきましては、国際協働も視野に入れながら国家レベルでの研究等が進められている状況です。府においては、加齢や生活習慣などが認知症のリスクとなる指摘もあることから、市町村とともに健康づくりや介護予防に取り組んでいるところです。
    また、認知症の人にワンストップで支援を提供するという視点は大変重要であると認識しています。これまで、全市町村で「認知症初期集中支援チーム」を配備するなど支援体制を強化してきたところであり、その取組状況を確認しつつ、他府県の事例等も踏まえながら、適切な支援のあり方について研究をしてまいります。
    あわせて、若年性認知症の実態把握や診断・治療に役立てるための医療資源調査を実施したいと考えております。今後とも、認知症に対する理解を深める啓発活動やケアに携わる人材の養成をはじめとする認知症施策の充実を図ってまいります。

    7 発達障がい児者支援

    ・「新・発達障がい児者支援プラン」に基づく取り組みをどのように進めていくのか。また、教育との連携はどのように考えているのか問う。
    (福祉部長答弁) 「新・発達障がい児者支援プラン」では、それぞれのライフステージに応じた切れ目のない支援が行われるよう、テーマごとに現状と課題を踏まえた目標を設定し、取組みを進めることとしております。
    このうち、教育と福祉の連携については、放課後等デイサービスなどを行う通所支援事業所に対し、府が専門的な助言や支援を行う場に、モデル的に学校にも参画していただく等の具体的な連携方策について検討することとしています。また、本年5月、国において、家庭と教育と福祉の連携のあり方等をまとめた『「トライアングル」プロジェクト報告』が示されたところであり、こうした動きも踏まえつつ、教育庁と共に、連携にあたっての課題等について検討してまいります。

    8 少子化対策について

    ・少子化対策の推進について問う。
    (福祉部長答弁) 少子化対策につきましては、今般、「少子化対策基本指針(案)」を取りまとめたところです。この中では、「ライフステージに応じた切れ目ない支援を実施する」との基本的な考えのもと、「すべての府民が結婚や子どもについての希望を実現できる社会づくり」を目標に、全庁的な取組を進めることとしています。
    とりわけ、「結婚」「妊娠・出産」「子育て」を重点分野と位置付け、結婚支援の充実や、待機児童の解消などをはじめとして、様々な取組を進めることとしているところです。
    今後、検討を深めつつ、年度内の成案化を図ってまいります。

    ・少子化対策における知事のリーダーシップについて問う。
    (知事答弁) 地方自治体が重点的に取り組む課題の中においても、とりわけ少子化対策は重要かつ喫緊の課題であります。
    現在、策定を進めている指針は、少子化の現状を踏まえた上で、府としての考え方を改めて府民の皆様にお示しするものであります。
    今年度内に指針を取りまとめた上で、あらゆる施策を総動員し、全庁一丸となって、より一層の取組みを推進してまいります。

    9 子どもの貧困対策について

    ・子どもの貧困対策にかかる取り組みについて問う。
    (福祉部長答弁) 子どもたちが生まれ育った環境に関わらず同じスタートラインに立って将来に向かって進めるよう、子どもの貧困対策を総合的に進めていくことが重要と認識しています。そのため、学習支援については、子ども食堂での取組みが進むよう、大学や教育庁と連携して、大学生や教員OBを対象としたボランティアの募集を年内に開始し、子ども食堂とのマッチングに取り組んでまいります。
    また、セーフティネットづくりについては、新たに創設した「子どもの貧困緊急対策事業費補助金」により、市町村の取組を支援するとともに、ひとり親家庭への就労支援については、母子家庭等就業・自立支援センターに新たに専門職員を配置し、一層の求人開拓を進めているところです。
    引き続き、市町村や関係部局と連携しながら、子どもの貧困対策に着実に取り組んでまいります。

    10 教育相談について

    ・今年度のLINEを活用した教育相談について問う。
    (教育長答弁) 現時点でのLINEの登録者数、これは2,503人であります。相談アクセス数は延べ1,183件で、うち575件に対応をいたしました。対応できなかった相談につきましては、翌日以降に再度アクセスするか、電話相談あるいは、メール相談もあることを案内をさせていただいております。
    主な相談内容ですが、「交友関係」、「学校生活」、「家族関係」など様々でございました。また、「いじめが疑われる」相談には、相談しやすい教員などの継続した相談を促しました。さらに、学校が特定された場合には、本人のご了解をいただきまして、当該校に連絡が届くように適切な対応を行いました。
    特に、2学期が始まる時期の前後、これは子どもの不安が強く感じられる相談が多く、その中で、児童虐待あるいは、いじめ等の緊急対応事案が生じましたが、マニュアルに従いまして、関係機関と連携をし速やかに対応することができたという報告を受けております。

    ・次年度に向けLINEを活用した教育相談を拡充すべき。
    (教育長答弁) このLINE相談につきましては、お示しのように、1件あたりの相談時間に時間がかかってしまう、あるいは相談のあったすべてに対応できているわけではない等、いくつかの課題はございますが、子どもにとって利用しやすい相談窓口の一つとして用意しておくことが望ましいと考えております。
    今年度の実施結果もふまえまして、より多くの子どもたちが、このLINE相談を活用できますように、国事業も活用しながら、その充実に向けまして検討を進めてまいりたいと存じております。

    11 私立学校の耐震化について

    ・私立学校の耐震化促進の取り組みについて問う。
    (知事答弁) 私立学校に通う児童・生徒の安全性を確保するために、平成25年度から私立学校耐震化緊急対策事業を実施してきた結果、私立学校の耐震化率は概ね9割にまで改善をいたしました。
    大阪北部地震での被害状況や、今後高い確率で発生すると予想されている南海トラフ地震などを勘案すると、私立学校の残る1割の耐震化を完了することが、児童・生徒の命を守る上で、喫緊の課題と認識をしております。府独自の補助事業は平成28年度から3年間の延長を行っているところであり、耐震化が実施されていない理由を十分把握したうえで、国の動向を注視しながら、制度の在り方を検討してまいります。

    12 次期高校再編整備計画について

    ・学校の募集停止は慎重な議論を重ねて判断するべき。
    (教育長答弁) 公立学校の再編整備は、生徒減少を教育環境や教育条件等の質的向上を図る好機と捉えまして、教育内容の充実とあわせまして、府域全体での適正な配置を推進するという観点から行ってまいりました。
    前計画についてですが、中学校卒業者数の減少を踏まえ7校程度の募集停止を行うこととし、これに沿って実施をしてきましたが、一方でエンパワメントスクールの設置、普通科総合選択制の改編、工科高校における魅力づくりなどに取り組み、教育内容の充実を図ってまいりました。募集停止にあたりましては、平成27年2月の附帯決議も踏まえまして、受け皿となる府立高校の確保、在校生が卒業まで安心して高校生活を送るための学習環境の維持など、十分な配慮のもとに進めてまいりました。
    今回公表した再編計画(案)では、2024年の府内公立中学校卒業者数の推計をもとに試算を行い、さらに8校程度の募集停止が必要というふうに考えております。
    募集停止にかかる個別校の精査にあたりましては、学校の特色や地域の特性、志願動向の変化、当該地域における将来の中学校卒業者数の推計など、様々な状況を勘案し総合的に検討し決定をするということとしております。

    13 府大・市大統合について

    ・府立大学と市立大学の法人統合に係る中期目標について問う。
    (府民文化部長答弁) 中期目標案の策定にあたっては、統合準備を円滑に進めるため本年5月に、私、府民文化部長と大阪市の経済戦略局長、両大学法人の理事長等を中心メンバーとする「新法人設立準備会議」を立ち上げ、これまで3回にわたり議論してまいりました。
    両大学法人からは、新大学実現のためのイニシャルコスト等に対する財政支援を望むといった意見や、受験生目線での検討の必要性、さらにキャンパス構想について、大阪府、大阪市としても具体的に検討を進めてほしいという意見があったところです。
    こうした意見を踏まえ、本中期目標案においては、「特に、教育研究組織の検討を着実に進めるとともに、キャンパス再編については、大阪府、大阪市及び法人間で緊密に連携して取り組んでいく」旨の記述を入れ、両大学法人の理解を得たところでございます。

    ・新大学実現に向けた知事の決意を伺う。
    (知事答弁) 世界的大学間競争を勝ち抜き、より強い大阪を実現するための知的インフラの拠点として、大阪府立大学と大阪市立大学を統合し、優秀な学生や研究者から選ばれる魅力ある新大学を実現することが必要であります。
    このため、大阪市、法人と緊密に連携をしながら、しっかりと取り組み、2022年度を目途とする新大学の開学を成し遂げたい。こういう思いであります。


    14 犯罪被害者等支援条例について

    ・犯罪被害者等支援条例制定に向けた今後の道筋について問う。
    (危機管理監答弁) 犯罪被害者等支援条例制定について、本年7月から9月にわたって計3回、懇話会を開催し、条例案に盛り込む内容をはじめ、今後の支援の充実などについて、幅広くご意見を伺いました。委員からは、被害者が置かれている状況などについて、府民理解の増進に努めていくこと、経済的負担の軽減など被害者支援の充実に努めていくこと、府民に身近な市町村での支援が重要であることから、府が市町村をしっかりとサポートしていくこと、必要とする支援が受けられる総合的な支援体制を構築することなどのご意見をいただきました。
    今後、こうしたご意見を踏まえながら、条例案の作成に取り組み、来年2月定例会に条例制定の議案を提出させていただきたいと存じます。

    ・条例制定を機に、犯罪被害者等への支援策を、より充実したものにしていくべき。
    (危機管理監答弁) 総合支援体制の整備につきましては、私ども知事部局と府警本部、犯罪被害者等早期援助団体である「大阪アドボカシーセンター」の三者のほか、市町村にも参加していただく「被害者支援調整会議」を創設し、関係機関が一体となって被害者支援を実施するワンストップの支援体制構築に向けて、検討を進めているところでございます。
    また、先月には、不動産業界の2団体との間で支援協定を締結し、被害者への民間賃貸住宅の物件情報の提供と、入居契約時の仲介手数料の免除という経済的支援策を講じました。
    引き続き、国や市町村との役割分担を踏まえながら、支援策について検討してまいります。

    15 富田林署事案(容疑者逃走)について

    ・今後の再発防止策について及び迅速な情報提供について問う。
    (警察本部長答弁) 被留置者逃走事案について、今後の再発防止策について、お答えします。
    大阪府警察では、事件発生を受け、即日、府下の全留置施設の面会室の点検を実施し、発生翌日には、通達により面会室の扉に設置したセンサーの確実な作動と、面会中の人の出入りが確認できる場所への監視員の配置を徹底するよう指示いたしました。また、弁護人の方には面会が終了したことを連絡していただくよう協力を確実にお願いすることと、その旨を記載した依頼文を面会室扉の両面に掲示することを再徹底いたしました。さらに、留置施設に対する監査につきましても、本部監査官が点検している現行の項目を細分化し、よりきめ細やかな監査・指導を行うことといたしました。 また、面会室の設備につきましても、仕切り板と外枠を固定する部分を補強する等の効果的な対策を検討しております。
    次に、重大事件が発生した場合の、メールや防災行政無線を活用した迅速な情報提供のための対応につきましては、職員に対し、府民の皆様への情報提供の重要性について、再度、徹底するとともに、自治体担当部署との連携を一層強化していくこととしております。今後、重大事件発生時には、迅速に情報提供に関する検討を行い、適切なタイミングで府民の皆様に情報を提供できるよう努めてまいります。

    16 特殊詐欺対策

    ・府内における特殊詐欺の現状と特殊詐欺被害を防止するための条例に関する考えについて問う。
    (警察本部長答弁) 大阪府下における特殊詐欺の現状について、お答えいたします。大阪府下における特殊詐欺の認知件数及び被害額については、8月末現在で、876件、約21億8千万円で、それぞれ昨年同時期と比較して、認知件数で307件、被害金額で約5億3千万円減少しているものの、依然として深刻な状況にあります。 こうした情勢を受け、被害を1件でも減らし、その増加に歯止めをかけるため、現在、大阪府警察においては、特殊詐欺を重点犯罪に指定し組織一丸となって検挙と抑止の両面において取り組みを推進しているところであります。
    また、これに加え、官民一体となって特殊詐欺を撲滅する機運を高めていくため条例制定等によって防犯意識の高揚を図るなど、より効果的な対策を講じていくことが必要であると考えています。
    そこで今回、その前段として、9月定例府議会において、「大阪府特殊詐欺対策審議会」を公安委員会の付属機関として新設する「大阪府付属機関条例」の改正案を上程しております。
    「大阪府特殊詐欺対策審議会」では、有識者に条例の制定も含め、特殊詐欺の被害防止に関する重要事項を調査審議していただく予定としております。

    17 障がい者雇用について

    ・障がい者雇用数における不適正な計上の原因と再発防止を含めた今後の取り組みについて問う。
    (警察本部長答弁) 平成29年の雇用障害者数を修正するに至った経緯、今後の障害者雇用への取り組み等についてお答えします。
    雇用障害者数の算定にあたっては、厚生労働省のガイドラインにおいて、障害者手帳等を確認することとされており、このうち、身体障害者については、指定医師、産業医による診断書、意見書によって確認を行うことも認められてられておりますが、大阪府警察においては、職員本人や所属からの報告に基づき、何らかの疾病を有しており、人事担当部署において、身体障害者手帳の等級1級から6級に相当すると判断した者について、身体障害者手帳や診断書等の確認を行うことなく算入していたものであり、先般、修正の報告を行ったところであります。
    このことにつきましては、身体障害者手帳等がなくても、身体障害者手帳の1級から6級に相当すると判断できる者も、「障害者の範囲」に含めて良いとの誤った理解のもと算入していたものであり、厚生労働省のガイドラインの認識が不十分であったことが原因であると考えております。
    今後は、厚生労働省のガイドラインに沿って、身体障害者手帳等による確認を厳格に行い、適正な運用に努めてまいります。
    また、今後の障害者雇用につきましても、法定雇用率の達成に向けて、より積極的な採用活動を行っていくとともに、幅広く障害者の雇用ができるよう、受験資格年齢や障害の種別等について、人事委員会等関係機関と協議、調整を進めていく所存であります。

    18 中小企業支援団体の統合

    ・大阪産業振興機構と大阪市都市型産業振興センターの法人統合による中小企業支援機能の強化とその実現について問う。
    (商工労働部長答弁) 議員ご指摘のとおり、大阪産業振興機構と大阪市都市型産業振興センターは、これまでそれぞれの強みを活かして、中小企業支援に取り組んでまいりました。
    今般、両法人を統合し日本経済の7%のシェアを占める大阪の成長を支える、オール大阪の支援機関として再構築を図り、都市間競争に打ち勝つために、府市が一体となって、財政的、人的資源を集中しかつ、より効果的で効率的な事業へと組みなおすことで、大阪の中小企業支援機能や体制の強化を図ってまいります。

    19 事業承継支援について

    ・後継者の見つからない中小企業・小規模事業者の事業承継を円滑に進めるための取り組みについて問う。
    (商工労働部長答弁) 今年度は、事業承継診断やセミナーの開催など経営者に対する気付きの機会の提供や、事業承継相談デスクの設置など相談体制の整備に取り組んでおります。
    また、本年5月に発足した大阪府事業承継ネットワークでは、若手後継者候補が、ワークショップ等への参加を通じて家業を活かした新事業展開のきっかけをつかむ「ベンチャー型事業承継プロジェクト」のほか、後継者の見つからない事業者を「事業承継相談デスク」において、M&Aが適当と判断される場合には、「大阪府事業引継ぎ支援センター」につなぐなどの支援を行っております。
    さらに、議員ご指摘のとおり、後継者の見つからない事業者への支援を強化していく必要がありますことから、関係支援機関が一丸となって、創業希望者や企業経営の経験者などを後継者候補として掘り起こし、「事業承継相談デスク」の機能を高めることで、これら事業者と結びつける仕組みの構築を進めるなど、より効果的な支援の実現をめざしてまいります。

    20 食品ロスについて

    ・食品ロス削減の取り組みについて問う。
    (環境農林水産部長答弁) 食品ロス削減の実現には、食品関連事業者の取組みに加えて、府民の意識改革と行動の変化を促すことが重要と考えております。
    このため、本年6月に、事業者、消費者、学識経験者をメンバーとする「食品ロス削減ネットワーク懇話会」を設置し、食品ロス削減に向けた具体的な府民への啓発方法などについて意見交換を行いました。
    この懇話会での意見を踏まえ、10月1日から1ヶ月間にわたり展開している食品ロス削減キャンペーンでは、ポスターや動画を活用した啓発に加え、10月28日には、廃棄されがちな食材を使った料理の試食会を開催するなど、府民の行動につながるような工夫を凝らした取組みを、新たに実施をいたします。
    また、府民が自宅の冷蔵庫内の状況を把握する「家庭の食品ロス実態調査」を行い、食品ロスが家計に与える影響を明確にするなど、府民の意識改革につながるような取組みを実施することとしております。
    引き続き、「食品ロス削減ネットワーク懇話会」をはじめ、様々な意見を聞きながら、食品ロス削減に向けた効果的な啓発活動に取り組んでまいります。

    21 海洋プラスチックごみ対策について

    ・国と歩調を合わせて、マイクロプラスチックを含む海洋プラチックごみ対策に積極的に取り組むべき。
    (知事答弁) 海洋プラスチックごみについては、海の様々な生物がプラスチックで傷つけられていることや、化学物質が付着したマイクロプラスチックを魚が食べることにより、生態系への影響が懸念をされております。
    府といたしましては、プラスチック製品の使用抑制に向けた企業の取組みの後押しにもつながるような、あらゆる広報ツールを活用した府民の意識啓発に直ちに着手をしてまいります。
    さらに、国のプラスチック資源循環戦略の検討の動向も踏まえ、G20の開催地として、海洋プラスチックごみの対策に全力で取り組んでまいります。

    22 空家対策について

    ・今後の空家対策の促進について問う。
    (住宅まちづくり部長答弁) 大阪府では、「空家総合戦略・大阪」に基づき、空家等対策計画の策定など、市町村による主体的な空家対策等を促進してきた結果、集中取組期間が終了する今年度中に、府内の全ての市町村で、特定空家等に対応するための体制整備が完了する見込みとなりました。
    一方で、今回の地震、豪雨、台風の被害を踏まえて、損傷により周辺に危険を及ぼすような空家への早期対応や、リノベーション等による空家流通の活性化など空家対策の取組みを更に促進する必要があると考えています。
    このため、これまでの取組みの成果と残された課題を検証し、市町村の空家対策への技術的な支援、空家流通の活性化に向けた宅地建物取引や、リフォームに関わる民間団体等との連携強化、建築物の用途変更に関する規制緩和を活用した空家のリノベーションの促進など、今後戦略的に取り組むべき方策を年度内にとりまとめます。

    23 大阪府都市公園条例の改正について

    ・大阪府都市公園条例の改正について問う。
    (都市整備部長答弁) 今回の駐車場料金の改訂案では、料金を安くしてほしいという
    多くの利用者からの声に応えるため、時間制をとっている公園について、約5割を占める2時間以内の利用者が値下げとなるよう料金を設定しており、約2割の利用者の料金は据え置きとなります。
    一方、公園管理の主要な財源である駐車場収入について、現在の指定管理者とは、現行料金を前提に契約していることから、料金改訂後も、現行の収入を確保することが必要となります。このため、長時間利用される方の上限料金は上がることとなりますが、過度の負担増にならないよう、回数券やプリペイドカードによる割引、運動施設利用とあわせた料金割引などのさらなる充実を指定管理者に強く働きかけてまいります。
    また、今回、駐車場料金に加え、イベントなどの行為許可の料金や運動施設の目的外利用の料金を指定管理者が上限内で自由に設定できることとしており、これにより生み出される収益も活用して、公園の維持管理を充実させてまいります。

    24 新大阪駅周辺のまちづくりについて

    ・新大阪周辺のまちづくりについて問う。
    (住宅まちづくり部長答弁) リニア中央新幹線や北陸新幹線が結節する新大阪駅は、日本全国をつなぎ、なにわ筋線などを通じて関西国際空港にも直結し、国内外から多くの人が訪れる一大ターミナルとなり、新大阪駅周辺地域は、大阪・関西の成長、発展を牽引する地域となることが期待されています。
    大阪・関西の玄関口にふさわしいゲートウェイ機能や、様々な企業が集まり新しいビジネスが生まれる環境づくり、淀川の豊かな自然を生かした都市魅力の向上など、様々な観点から新大阪駅周辺地域のまちづくりの検討を進める必要があります。
    今後、都市再生緊急整備地域の指定を目指し、府市が中心となり、国・経済団体・民間事業者などで構成する検討協議会を、年内を目途に立ち上げ、全国で最もアクセスし易い場所となる新大阪駅周辺地域が、そのポテンシャルを最大限発揮できるよう、新大阪駅周辺地域の将来像、まちづくり方針の検討を進めます。

    25 おもてなしステーションについて

    ・観光客のニーズにワンストップで対応可能な観光案内所である「おもてなしステーション」について、JR大阪駅だけでなく、府内の主要駅に設置すべき。
    (府民文化部長答弁) 「トラベルサービスセンター大阪」は、来阪旅行者の急増に伴う相談等の増加や多様化するニーズに対応するため、観光案内にとどまらず、旅行時のトラブル相談対応をはじめ、各種サービスをワンストップで提供するために設置したものです。
    平成29年度には約32万人の方が利用され、前年度と比べ、約1.8倍に伸びるなど、利用者は増加しています。
    お示しの新大阪駅を含めた府内主要駅への設置拡大につきましては、こうした利用状況や旅行者のニーズ、さらには鉄道事業者をはじめとする民間事業者の動向も踏まえまして、しっかり検討して取り組んでまいります。

    26 宿泊税について

    ・宿泊税制度の見直しの必要性について問う。
    (府民文化部長答弁) 本府が宿泊税制度を検討していた平成27年以降、来阪旅行者数が約3倍に増加し、簡易宿所や民泊施設の急増に伴い宿泊施設数が約2倍に増加するなど、大阪の観光や宿泊を取り巻く環境は著しく変化しています。
    このような状況変化を受け、府の平均宿泊単価が、この3年間で、約9,100円から約5,600円まで下落している中、宿泊税制度のあり方等についてご審議いただくため、本年6月、有識者による検討会議を設置いたしました。
    検討会議における審議の結果、今後も来阪旅行者のさらなる増加が見込まれる中、観光振興施策の一層の充実という喫緊の課題に早急に対応するため、宿泊税制度の見直しを講ずるべきという答申が示されました。
    本府としては、この答申を踏まえ、緊急的な対応として、免税点を現在の1万円から7千円に引き下げる見直しを提案させていただいたものです。

    ・宿泊税の活用及び今後の宿泊税制度の改正について問う。
    (府民文化部長答弁) 宿泊税につきましては、条例上、大阪が世界有数の国際都市として発展していくことをめざし、都市の魅力を高めるとともに、観光の振興を図る施策に要する費用に充てることとされております。
    これを踏まえ、宿泊税を受入環境整備のさらなる充実と、大阪の魅力をより高める取組みに活用することにより、旅行者の利便性の向上や、ホテル・旅館等の観光業界の活性化につながっていくものと考えています。
    また、今回の制度改正は、検討会議の答申において、喫緊の課題である観光客の受入環境整備や魅力づくりを着実に実施していくため、緊急的対応として、制度を一定見直すこともやむを得ないという見解が示されたことを踏まえて実施するものです。
    今後の宿泊税制度につきましては、宿泊税条例の規定に基づき、施行後5年ごとに、制度のあり方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとしたいと考えております。

    27 百舌鳥・古市古墳群の世界文化遺産登録について

    ・ユネスコ諮問機関であるイコモス(国際記念物遺跡会議)による現地調査への対応結果と来年度の世界文化遺産登録実現のために機運醸成を図るべき。
    (府民文化部長答弁) イコモスの現地調査につきましては、9月11日から7日間の日程で行われました。調査にあたっては、文化庁、宮内庁をはじめ地元3市とともに、百舌鳥・古市古墳群が、世界文化遺産にいかにふさわしいかということを、現地で調査員にしっかり説明したところです。さらには、VRやヘリコプターなども用い、その価値について理解を深めていただけるよう工夫を凝らしたところであり、十分にお伝えできたものと考えています。
    また、百舌鳥・古市古墳群の世界文化遺産登録の実現に向けては、大阪府民の方々に、地元大阪が世界に誇る歴史遺産としての価値や魅力について理解を深めていただくことが大変重要だと考えています。
    そのため、これまでも、シンポジウムを毎年開催するとともに、世界遺産学習会につきましては年間十数回にわたり実施しており、今年度は、新たに記念切手を発売いたしました。今後さらに、主要ターミナル駅におけるPRなども予定しており、こうした取り組みにあたっては、メディアの活用も含め、より多くの府民の方々に、百舌鳥・古市古墳群の価値や魅力を伝えられるように、しっかりと努めてまいります。
    今後とも、地元3市とともに、機運醸成をはじめ、来年度の世界文化遺産登録の実現に向け、しっかりと取り組んでまいります。

    28 未来医療国際拠点について

    ・未来医療国際拠点の実現に向けた府の取り組みについて問う。
    (商工労働部長答弁) 未来医療国際拠点については、再生医療をベースに今後の医療技術の進歩に即応した最先端の「未来医療」の産業化と、国内外の難病患者等への「未来医療」の提供による国際貢献をコンセプトとした、世界に開かれた国際的な拠点をめざしております。
    現在、府が事務局を担い、再生医療関連企業等で構成される準備組織を立ち上げ、拠点運営の中核となる(仮称)未来医療推進機構の来年度設立をめざすとともに、拠点に備えるべき機能の実現に向けた検討を行っております。
    大阪・関西が健康・医療関連産業の世界的なクラスターとなるよう、今後、府内はもとより、神戸や京都などとも連携を図りながら、本拠点の実現に取り組んいきます。

    29 公民連携について

    ・府政の重要課題について自由に対話する「創発ダイアログ」を健康や子どもの貧困のほか、防災や障がい者の雇用、スポーツ、文化・芸術、観光振興、高齢者雇用などでも行うべき。
    (財務部長答弁) 「創発ダイアログ」については、「新たな試みを発見していこう」という思いを込めて命名し、意欲のある企業などの参画を得て、昨年度は「健康」、今年度は「子どもの貧困」をテーマに開催したところです。
    ここでの対話がきっかけとなって、例えば、健康経営や働き方改革について企業同士で情報共有ができる場を作ろうと、企業や大学が主体となってWell-Being OSAKA Labという集まりが組織され、好事例をもとにしたセミナーの開催など企業による自主的な取組みにつながっています。
    このほかにも、創発ダイアログを契機として、本年7月と9月に府内で開催されたサッカークラブ「FC大阪」の試合では、府内に住む子どもの無料招待や、「子ども輝く未来基金」「がん対策基金」の募金活動、健活10のPRなどが行われ、府政への積極的なご協力をいただいているところです。
    「創発ダイアログ」については、お示しのように、府政の重要課題の解決につながるよう、企業、事業部局などと調整し、様々なテーマを取り上げ、一層精力的に取組んでまいります。

    30 2025日本万国博覧会誘致について

    ・知事のヨーロッパ3か国訪問の手ごたえと、最後までBIE加盟国への働きかけに知事が赴くべき。
    (知事答弁) 万博誘致につきましては、ライバル国と熾烈な戦いが続く非常に厳しい状況にあります。このため、9月には、国、経済界とともに、態度を表明していない国が多いヨーロッパを訪問し、デンマーク、ハンガリー、イタリア各国の政府関係者に対して、直接働きかけを行いました。
    訪問先では、日本の万博のテーマが、世界の国々に貢献をし、国連が掲げるSDGsの達成にも寄与することなどを説明し、支持要請を行ったところです。また、経済界からは、二国間における経済交流の重要性について説明がなされました。各国には、話を興味深く聞いていただき、我々が万博でめざしているものは十分伝わったと考えております。
    開催地決定まで2か月を切りました。「やれることはすべてやる」という強い覚悟で、あらゆる機会を捉え、BIE加盟国の政府要人に、私自身、直接働きかけを行うなど、最後まで国、自治体、経済界が一体となって、全力で誘致を勝ち取ってまいります。
    議員の皆様の更なる協力も、よろしくお願いいたします。

    31 G20サミットの成功について

    ・G20サミット警備について、府民の不安感を払拭し、理解と協力を得るために、早い段階で、警備や交通規制に関する詳細な情報を府民や企業に周知していくべき。
    (警察本部長答弁) まず、G20大阪サミットの開催に向けた、警備対策についてお答えいたします。
    府警では、高まりつつある国際テロの脅威や、世界中で頻発しているサイバー攻撃など、G20大阪サミットを取り巻く情勢は大変厳しいものであることを踏まえ、必要な諸対策を進めていくこととしております。
    具体例を挙げますと、主会場や各国首脳の宿泊ホテルといったサミット関係施設等の重要施設に対する警戒はもとより、大規模集客施設等いわゆる「ソフトターゲット」への対策や海空港における不審者の把握、入国阻止に向けた水際対策についても強化していくこととしております。
    次に、交通対策についてですが、G20大阪サミット開催両日はもちろんのこと、その前後において、大阪市内や阪神高速道路等において、これまでにない大規模な交通規制を実施することとなります。そのため、迂回路を確保するなど、一般交通に与える影響を最小限にとどめることを基本方針とした交通対策を進めていくこととしております。
    これを踏まえ、「2019年G20大阪サミット関西推進協力協議会」をはじめ、自治体や関係機関・団体等に緊密に連携を図り、広く府民や企業の皆様に対しまして、交通規制実施期間中におけるマイカーの利用自粛や業務用車両の運行調整等交通総量抑制に対する協力をお願いしているところです。
    また、交通規制広報につきましては、警護路線等が決定した段階で、交通規制の範囲等を明確に示し、会議場等周辺の地域住民、企業等はもちろんのこと、広く大阪府民等に対し交通規制に対する理解と協力を得るための広報を実施してまいります。
    いずれにいたしましても警戒警備や交通規制等を実施するにあたっては、府民の皆様のご理解とご協力が不可欠であります。
    大阪府警察においては、ホームページやインスタグラム等警察が有するあらゆる広報媒体を活用するとともに、行政が主催する住民説明会の場を利用するなどして、地元住民や事業者をはじめとする府民の皆様に対する丁寧かつタイムリーな情報提供に努めることとしております。

    ・G20サミットでの「おもてなし」について問う。
    (政策企画部長答弁) ただいま、G20への府民の参画についてご提案をいただいきましたが、おもてなしを行うにあたり、とりわけ重要な役割を担っていただくのは、会場となる咲洲エリアの住民や事業者の皆さんであるというふうに考えております。
    まず、会場周辺の皆さんに「おもてなし」へのご協力をいただき、その輪を大阪・関西全体に広げ、世界の人々をお迎えできる体制が作れるよう、現在、地元説明会や意見交換を行っているところでございます。今後、地元の皆さんからのアイデアもいただきながら、主体的に協力・参画していただける取組みを進めてまいります。
    また、次世代を担う子どもたちに対しましては、サミットを機に、広く世界に目を向けるきっかけとしてもらうため、これまでのG20サミットの成果や大阪開催の意義を記載した冊子を作成する予定でございます。今後、学校等での活用を働きかけてまいりたいと考えております。
    こうした取組みにより、府民の参画を得た「おもてなし」が行えるよう、その気運を醸成してまいります。

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