議会報告

  • 平成30年9月議会 一般質問(肥後 洋一朗議員)要旨(平成30年10月5日)
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    1 寝屋川流域等の治水施設の効果について

    ・寝屋川流域等の治水施設の効果について伺う。
    ・寝屋川流域の一層の治水対策について伺う。
    (都市整備部長答弁) 平成30年7月豪雨では、寝屋川流域の治水施設に、25mプール約5,800杯分にあたる約209万m3の雨水を貯留しました。貯留施設が満杯になった後、降雨が小康状態となった時間を活用し、次の大きな降雨に対応するため排水し、再度雨水を貯留した施設があるなど、効果的な運用により、浸水被害を防ぐことができました。
    台風第21号接近の際は、タイムラインを運用し、三大水門を含む高潮対策施設の操作職員などを早い段階から配備するとともに、関係機関と協議を行い、台風の最接近時刻が予測より1時間早まったが、全ての施設を適切なタイミングで稼働させることができました。
    また、三大水門の閉鎖により河川をせきとめることになるため、毛馬排水機場より総量約426万m3の上流からの雨水を淀川に排水し、大阪府内を浸水被害から守ることができました。
    次に、寝屋川流域の一層の治水対策のうち、まず、下水道増補幹線については、本年2月に中央(一)増補幹線などを地下河川に接続し、浸水被害軽減区域を約1,000ha拡大しました。また、新たな幹線である門真守口増補幹線については、発進立坑整備の現場着手に向け準備を進めています。
    寝屋川北部地下河川については、現在、支川である守口調節池約3.1 kmの工事を進めており、2020年度末供用をめざしています。
    また、地下河川を本来の流す施設として運用するために必要な、最下流部の約4.6 kmの地下トンネル部分については、大深度地下使用に向けて、現在、国土交通省の審査中であり、認可を受けたうえで2019年度の工事着手をめざします。

    2 住宅確保要配慮者の居住の安定確保について

    ・住宅確保要配慮者の居住の安定確保に向けた今後の取組みについて伺う。
    (住宅まちづくり部長答弁) 住宅確保要配慮者の居住の安定確保のためには、住宅登録等の促進に加え、要配慮者の多様なニーズへの対応や居住支援体制の充実が必要と考えています。
    このため、共同で生活する等の多様な住まい方ができる住宅の登録が進むよう、府の住宅事情や居住環境を考慮の上、新たにシェアハウス等を対象にした登録面積の緩和基準を今年中に設ける予定です。
    また、住まい相談会の開催や居住支援法人間のネットワークの構築等、市町村と連携した取組みを行う法人への補助を通じて、市町村単位での居住支援協議会の設立にも取り組んでおり、今後とも要配慮者の視点に立ち、災害時においても安心して住宅を確保することができ、住み続けられる環境整備を進めていきます。

    (要望) 住宅確保要配慮者が安心して地域で住み続けられる環境づくりを行うためには、市町村における住宅部局と福祉部局との協力、連携が非常に重要です。
    今年2月の都市住宅常任委員会においても述べたところですが、社会福祉協議会などの住宅確保要配慮者への対応の担い手と、宅建事業者とのつながりを含め、住宅部局と福祉部局が連携した取組みは、まだまだ十分ではありません。
    その中でも、生活保護受給者の住宅扶助費等の代理納付制度については、居住の安定確保に有効な制度と考えますが、平成18年度に民間住宅も含め、代理納付が可能となったものの、一部の市では利用していないところがあると聞いています。
    市町村において住宅部局と福祉部局の連携が一層深まるように、今後とも府が先導して取り組むことを要望しておきます。

    3 少子化対策について

    ・結婚支援の充実について伺う。
    (福祉部長答弁) 社会全体で結婚に対する機運を高めていくためには、結婚を希望される方への支援の充実を図りながら、積極的な情報発信に努めることが重要と考えています。
    そのため、「おおさか結婚縁ジョイパス」事業については、協賛店舗の拡充に向け、府と事業連携協定を締結している企業などを中心に働きかけを行うとともに、提供いただいているサービス内容について、府が有するSNSを活用し、より分かりやすく情報発信を行うことで利用登録者の増加にも努めてまいります。
    また、「婚活イベント」については、今後、同様の取組を行う市町村や企業の職員福利厚生団体、NPO法人等の団体に連携を呼びかけ、府内全域でネットワーク化を図り、取組事例等の情報を共有するとともに、その情報をポータルサイト「ふぁみなび」により発信することで、さらなる機運醸成に努めてまいります。

    (要望) 本年1月、府において結婚支援にかかるプロジェクトチームの会議が開催され、その会議には、市町村の担当者や民間事業者も出席し、府が行う結婚支援の取組について共有を図るほか、専門家による講演を行うなど、公民連携の枠組をつくる上で有効な取組だったと思います。
    今後、この会議ではオブザーバーの位置づけであった市町村担当者も本メンバーとし、定期的に開催するなど効果的な手法で、ネットワーク化等の取組みを是非進めていただくようお願いします。
    併せて、先の調査でも公的な結婚支援の取り組みとして、最も必要だと思うものは「出会いの機会・場の提供」で、4人に1人の方が望んでおられるとのことですので、婚活イベント開催回数の増加についても一層進めていただくようお願いします。

    ・子育て世代包括支援センター設置に向けた取り組み状況について伺う。
    ・子育て世代包括支援センター設置拡大への働きかけについて伺う。
    (健康医療部長答弁) 子育て世代包括支援センターの設置に向けて、妊産婦ニーズ調査結果の周知や、センターの中心的役割を担う母子保健コーディネーター育成に取り組むとともに、全市町村が参加する連絡会議で先行市における事例の共有などに取り組んできました。これらにより、現在では28の市町がセンターを設置しています。
    あわせて、センターの増加に伴い、現場のニーズに応じた研修や検討会議の充実を図るなど、市町村支援に努めているところです。
    市町村が設置する子育て世代包括支援センターは、妊娠期から子育て期まで、関連機関による切れ目のない支援を行うコーディネート機能が期待されており、市町村の母子保健分野と子育て支援分野の連携・協力が不可欠です。
     今年度と来年度に新たに6か所整備される予定であるなど、センター設置市町村は毎年確実に増えつつありますが、未設置の市町村については、子育て支援分野との連携体制の確立が不十分であるとの課題があると聞いており、好事例の周知など、早期に設置されるよう積極的に働きかけてまいります。

    4 就職に困難性を有する若者への就業支援について

    ・大阪府における若者への就業支援の取り組みについて伺う。
    (商工労働部長答弁) 大阪府ではOSAKAしごとフィールドにおきまして、キャリアカウンセリングやセミナー、合同企業説明会等、きめ細やかな就業支援を行っていますが、発達障がいやその可能性がある方を含め、様々な理由によって安定就職に結び付かず、通常の支援だけではカバーしきれない若者も多くいます。このような就職に困難性を有する若者に対しては、就職を前提とした職場体験プログラム「あんしん就活」を実施しています。
    このプログラムでは、実際の職場体験を通じて自身の仕事への適性や職場の雰囲気などを知ることで、彼らの抱える就職への不安等を解消することができます。また企業にとっても面接だけでは分からない若者の特性を時間をかけて知ることができるため、就職後のミスマッチを防ぐことができ、有効な手立てであると考えています。

    ・職場体験プログラムの実績について伺う。
    (商工労働部長答弁) 平成29年度は3回実施し、計64名がこのプログラムに参加、そのうちの約半数にあたる29名の就職に繋がりました。大阪府が実施している合同企業説明会の就職率が約2割であることから、一定以上の手ごたえを感じています。
    また、プログラムに参加した企業からも、「まじめに働いてくれるいい人材が来てくれた」という評価等をいただいていることから、今年度は年間6回に拡大する予定であり、そのうち既に2回を実施したところです。

    (要望) 冒頭で申し上げたように、発達障がいなどのある児童・生徒が成長し、社会に出る段階になった時に、本人が就職して自立していくことのできる仕組みづくりが必要です。
    本プログラムは、困難性を有する若者にとって、安定就職に結び付くための非常によい取組みです。また、現在の雇用状況が売り手市場であるがゆえに、一方では人材不足に悩んでいる中小企業も多いので、そういった企業にも理解促進を図り、受入れ先の拡大を進めていくことが重要です。職場体験プログラムが若者、企業双方にとって一層効果的な事業となりますよう、今年度はもちろん次年度以降も着実に実施していただくようお願いします。

    5 乳幼児期手話獲得支援事業「こめっこ」について

    ・「こめっこ」の成果について伺う。
    (福祉部長答弁) 昨年6月にスタートした「こめっこ」は、大阪聴力障害者協会や手話言語条例検討部会の部会長でありました河﨑神戸大学大学院教授等のご協力も得ながら、これまで延べ650人を超える聴覚に障がいのある子どもたちに、手話の習得の機会を提供し、保護者からも、心理面での大きな支えとなっているとの声が寄せられています。
    また、多くのマスメディアから取り上げられるなど、注目度の高い取組みとなっています。
    今年度からは、「こめっこ」と連動した取組みとして、出生後間もなく子どもの聴覚に障がいがあるとわかった保護者への相談支援や、乳児とのコミュニケーションに特化した、保護者対象の手話習得支援も行っています。

    ・「こめっこ」の2020年以降の事業継続について伺う。
    (知事答弁) 「福祉3センター」は、福祉関連の情報発信とコミュニケーション支援の拠点施設として、整備を進めています。
    今後、「こめっこ」の取組みをさらに広げるためにも、乳幼児期の手話習得支援に係る人材養成機能などを、同センターに位置付ける方向で、検討を進めていきます。

    (要望) ただ今、知事から、「こめっこ」の取組みをさらに広げるため、人材養成機能についても福祉3センターに位置付ける方向で検討をいただけるとのご答弁をいただきました。ありがとうございます。
    「こめっこ」は、その高い専門性からも府が責任をもって取り組んでいく必要のある事業でありますので、聴覚に障がいのある子どもたちや保護者の皆さんが、引き続き安心して手話の取得に取り組むことができますよう、ぜひともよろしくお願いいたします。

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