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1 新型コロナウイルス感染症対策について
・社会・経済活動と感染拡大防止の両立に向けた休業要請と補償のあり方について問う。
(知事答弁)
7月31日の対策本部会議でミナミ地区の休業要請等を決定し、その後、夜の街関係者の感染者数やその全体に占める割合が減少したところです。
また、8月17日、18日にミナミ地区での現地確認を行ったところ、確認できた範囲では、9割程度の店舗が閉まっていたとの報告を受けました。夜間の人出についても、携帯電話の位置情報をもとに7月平均と休業要請期間中を比較すると、3割程度減少しました。以上のことから、一定の効果があったものと考えています。
休業要請等については、7月3日の本部会議において、ステージ毎の対応方針を定めており、これを踏まえて、具体的な休業要請を行う際には、その時点での陽性患者やクラスターの発生状況、地域、年齢構成など多角的に分析し、専門家の意見を聞いた上で、必要な対策を本部会議で決定していきます。
休業要請と補償はセットであるべきと考えており、引き続き、国に休業補償の規定を創設する特措法の改正を要望します。
ミナミ地区の休業要請等に協力いただいた事業者に対しては、大阪市と共同して、最大30万円の協力金を支給することとしております。さらに、感染状況を見極めつつ、ミナミ地区に対する応援を検討して実施していきたいと考えています。
(要望)
今回提出された8号補正予算案の中にある緊急資金に係る制度融資の預託金の増額についてですが、新型コロナウイルス感染症関連の府制度融資の利用申込み件数については、実質無利子融資の受付が開始された5月には、1日当たり1,500件超、最も多い日には、平常時の1か月分を上回る約2,800件と申し込みが殺到し、8月に入っても、前年を大きく上回る申し込みが続いています。
感染の再拡大に中々歯止めが掛からないなど、新型コロナウイルスの影響が長期化することが見込まれる中、資金繰りは企業にとって生命線であり、府内事業者に対する速やかな資金供給が、何より求められています。年度後半に向けて、新たな資金需要や、一旦資金調達を済ませた企業においても、再度の資金需要が生じてくることも大いに考えられます。
今後とも、中小企業の資金需要に迅速に対応すべく、十分な融資枠の確保はもちろんのこと、新型コロナウイルス感染症対応資金における融資限度額を府独自で引き上げるなど、中小企業等への資金繰り支援の更なる強化に一層取り組まれることを強く要望いたします。
2 特別区設置協定書(いわゆる都構想)について
・新型コロナ感染症による特別区財政への影響について問う。
(知事答弁)
新型コロナによる影響は、全国的な課題であり、懸念される経済の下振れや地方税源の減少に対しては、地方が新型コロナへの対応をはじめとした行政需要に対応し、安定した財政運営が行えるよう、地方交付税など必要な地方一般財源総額を確保・充実するのが国の役割です。
これまで府や全国知事会としても要望してきたところであり、今後もあらゆる機会を捉えて国に強く求めていきます。
・4つの改善提案を受けて修正された協定書について問う。
(知事答弁)
法定協議会では、都構想の制度案について、公明会派から、住民目線に立った、前向きで建設的な提案をいただいた結果、法定協議会での議論を実のあるものにすることできました。
具体的には、
・住民サービス維持の方針を協定書に明記するとともに、特別区設置当初の10年間、毎年度20億円の特別加算を行うことで、特別区の財政基盤を強化しました。
・また設置コストについて、当初の558億円から241億円に、300億円強の削減ができました。
・さらに、今の24区の区役所での窓口サービスの維持や4つの特別区での児童相談所の設置についても間違いなく実施することを明確にしたところです。
私としても、大阪の成長と安全・安心で豊かな住民生活の実現に向けた、より良い制度案、協定書を取りまとめることできたと考えています。
・消防・救急に係る効果について問う。
(知事答弁)
大阪都構想が実現すれば、これまで大阪市が培ってきた大規模災害に対応し得る都市型の消防力や、ハイパーレスキュー等の高度な機能をはじめ、現在の大阪市の消防署や人員など消防・救急体制をそのまま大阪府が所管することとなるため、サービスが低下することはありません。
消防の広域化については、市町村による自主的な取り組みを引き続き支援するとともに、消防一元化に向けて、特別区の消防事務を担う府が当事者となって直接市町村や消防事務組合と調整し、関係者の合意のもと、広域化の取り組みが加速するよう積極的に進めてまいります。
・災害対策に係る効果について問う。
(知事答弁)
過去、大阪府・市それぞれが管轄する施設で独自に実施してきた南海トラフ巨大地震対策は、現在では、府・市が連携して計画を策定し、防潮堤の耐震化や液状化対策といったインフラの防災対策を強化するなど、減災効果を大幅に向上してきました。
さらに、特別区制度の実現により、大阪府が一元的に港湾や一級河川の整備・改修を担うなど、大阪全体の安全安心を見据えた防災対策をより迅速かつ効果的に実施することができます。
一方、各特別区においては、特別区長が大阪市長より目の届きやすい区域において、発災時に災害応急対策を迅速に行うことが可能になります。現に私が大阪市長であった際に大阪北部地震があり、この時学校を一斉休校にしたが、後になってみると市内でも北部は揺れが激しかったが南部はそうでもありませんでした。あわせて、より地域の実情に応じて策定する特別区ごとの地域防災計画に、今と同じ24の区役所ごとに災害対策本部の設置を位置づけることで、きめ細かな応急救助や住民支援が可能になります。
・感染症対策に係る効果について問う。
(知事答弁)
新型コロナウイルス等の感染症対策において、大阪府は、感染状況等の情報集約・発信、検査・医療体制の確保など、府域全体の司令塔として的確な対策を責任もって進めることになります。
保健所は、現在大阪市に1つだが、特別区になると各区ごとに設置され、この4つの保健所を核として、地域の感染状況のきめ細かな把握、相談対応や啓発活動など、住民に寄り添った対策を行うことになります。
こうした役割分担のもと府と特別区が連携することで、各区の実情に合った対策を講じるとともに、大阪府域で一体的な感染症対策を進めることができます。
・大阪の成長について問う。
(知事答弁)
かつて、大阪府と大阪市の関係は、「府市あわせ」といわれ、市域内は大阪市、市域外は大阪府といった、役割分担が固定化し、大阪の成長を大きく阻害してきました。
今は、私と松井市長の人間関係に基づき、方針を一致させることにより、二重行政の解消が進んでいる。その結果、なにわ筋線や淀川左岸線延伸部の事業化、大阪・関西万博の開催など、大阪の成長に向けた成果が着実に実を結んできています。
こうした人間関係に基づく連携ではなく、広域インフラ整備や都市拠点形成などの経済成長にかかる機能を制度的に府に一元化することにより、大阪城東部地区や新大阪周辺地域のまちづくりの推進など、都市機能の整備を将来にわたって迅速かつ強力に行うことができ、「成長する大阪」を実現できるものと考えています。
【再質問】広域一元化後の大阪の発展・成長に向けたビジョンをしっかりと示すことの必要性について問う。
(知事答弁)
現在、大阪の発展・成長に向けたビジョンとして、副首都ビジョンをお示ししています。
広域機能が一元化されることにより、府は、大阪の成長を実現し日本の発展をけん引する成長エンジンとして生まれ変わります。新たな大阪府が、成長に向けた取り組みを加速させることにより、府民・市民にどのようなメリットがもたらされるか、具体的にわかりやすく伝えていきます。
・コロナ禍での住民投票について問う。
(知事答弁)
住民投票の実施については、感染症対策に万全を期しながら11月1日に実施したいということが基本的な考え方です。一方で誰にもできないことですが、今後の感染状況の推移を見通すことは非常に困難です。このことは11月以降も同じ、感染状況を見通すことはどの段階であっても難しいと考えています。
その中でも日々感染状況を分析し、感染が拡大し、このままでは医療崩壊する、社会全体をとめなければならないような状況になっている場合には住民投票を延期ということもありうると考えていますが、できるだけそうならないように、これは都構想をするためということではなく、感染症対策として抑え込むための努力は常にしていきたいと考えています。
おわりに
住民投票で賛成が多数となり、都構想が実現した後の大阪には、広域行政が一元化された大阪府と、現在の東京都にある特別区を上回る権限を有する4つの特別区という今までになかった新たな行政機構が置かれ、大阪の自治を担っていくことになります。
振り返ると、ここ大阪からは、日本にとどまらず、世界に先駆けた様々な商品やサービス、文化が生まれ、大阪の人々のみならず日本中の、また世界の人々をも魅了してきました。
特別区設置協定書は、こうした大阪に相応しい、新たな成長、歴史を創り出して行くための設計図とするべく、今議会に提出されたものです。我が会派においては、引き続き最後まで住民目線に立った議論を通して、都構想の意義を明らかにしてまいります。