議会報告

  • 三宅史明議員
    令和2年9月定例会(後半) 一般質問(三宅 史明 議員)要旨(令和2年12月4日)
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    1 がん対策

    ①コロナ禍におけるがん検診について問う。
    (健康医療部長答弁) 市町村のがん検診については、6月以降順次再開され、月別受診者数の前年度比率は回復傾向にあるものの、6月から9月においても前年度比約2割減となっており、これには受診控えが影響していると考えられます。
    この間、市町村から個別受診勧奨や啓発を行うとともに、府としても、府民に安心して検診を受診していただけるよう、府政だより、アスマイルや街頭キャンペーンなどにより、検診機関では感染症防止対策が徹底されていることや定期的な検診受診の重要性について周知してきました。
    新型コロナの感染が再び拡大している状況にありますが、引き続き、市町村や関係機関とも連携し、一人でも多くの府民が検診を受診いただくよう、受診促進に取り組んでまいります。


    ②府指定拠点病院における緩和ケア研修について問う。
    (健康医療部長答弁) 府のがん診療拠点病院における緩和ケア研修については、これまで、がん診療連携協議会と連携し、各拠点病院に講師派遣や受講の呼びかけ等を行い、拠点病院49のうち、11病院では受講率が9割以上となっています。一方、7拠点病院で受講率が6割以下となっており、取組み状況にばらつきが生じています。
    こうしたことから、府のがん診療拠点病院の指定要件を改正し、病院に対し、研修開催数の充実などにより、全ての医師が受講できるよう配慮することを求めてまいります。特に受講率の低い病院に対しては、講師派遣や研修の合同開催の支援など、個別に方策を講じることで、全体の受講率向上に取り組んでまいります。


    ③学校におけるがん教育について問う。
    (教育長答弁) 生徒ががんについて正しい知識とがん患者に対する理解を深めるため、本年1月、府立学校及び市町村教育委員会に対しまして、また、3月には私立学校に対しまして、医師220人、看護師115人を含む412人の外部講師リストを配付し、外部講師を活用したがん教育を実施するよう要請をいたしました。
    4月の段階で希望のあった府立高校と中学校で実施を予定しておりましたが、コロナ禍の中、一旦中止いたしました。
    6月の学校再開後、講師となる医療関係者の了解を得まして、府立高校2校と中学校7校ですでに実施し、他に府立学校1校と中学校1校で本年度中に実施をする予定ということになっております。
    今後、医療機関等と連携を図りまして、次年度に向けまして、外部講師派遣リストの更新を行い、学校における外部講師を活用したがん教育を本格的に推進していきたいと思っております。


    2 インクルーシブ教育

    ①府立学校における医療的ケアについて問う。
    (教育長答弁) この医療的ケア通学支援事業につきましては、令和元年度のモデル実施の結果を踏まえて、コロナ禍の中、本年9月からのスタートとなってしまいましたが、現在、約60人の児童生徒から利用の申し込みがありまして、実際の利用が始まっております。児童生徒達からは「ベッドの上から天井だけしか見えなかったのに、世界が広がった」と学校に通えることの喜びの声というものを多くお聞きをしているところであります。
    今後、より多くの児童生徒が府立学校で充実した学校生活を送ることができますように、お示しの点も踏まえまして、通学支援事業の実施状況、そして学校における支援体制などについて検証を行いまして、その結果を府立学校の学習環境の向上につなげてまいります。


    ②自立支援推進校等の取組みについて問う。
    (教育長答弁) ご指摘をいただきましたとおり、支援学級から府立高校への入学者、年々増加しておりまして、府立高校における知的障がいのある生徒等の支援体制、学習環境、これを整えていくということが重要だと認識をしています。
    今後、自立支援推進校などの取組成果をしっかりと検証をいたしまして、審議会で専門家のご意見もお伺いしながら、府立高校におけるインクルーシブ教育のさらなる充実方策を検討いたします。


    3 父親の育児休業

    ①府庁における男性職員の育児休業について伺う。
    (総務部長答弁) 府庁の男性職員の育児への参画に関する状況につきましては、男性職員の育児休業の取得率は平成27年度の1.6%から令和元年度には12.9%へ、育児参加休暇の取得率は平成27年度の62.3%から67.4%へと上昇してまいりました。
    本年4月には、次世代育成支援対策推進法に基づく「特定事業主行動計画」の、この後期計画を策定し、令和6年度末、男性職員の育児休業取得率は30%以上、育児参加休暇取得率は100%を目標に掲げ、職員に積極的な取得について周知を図るなどの取組みを進めているところです。
    議員お示しの上司が取得計画を作成するといった国の取組みにつきましては、男性職員の育児に伴う休暇等の取得促進に向けて大変有効と考えておりまして、本府においても、こうした取組みを参考にしながら子育てをサポートする仕組みについて検討を行い、男性職員も子育てしやすい職場環境づくりを着実に進めてまいります。


    ②民間企業における男性の育児休業について伺う。
    (商工労働部長答弁) 男性の育児休業の取得と出産後の女性の離職には、一定の相関関係がみられる。女性が働き続けられる環境を整えていくためには、育児休業を取得しやすい社内制度の整備、男性側の意識醸成が極めて重要です。
    両親が育児休業を取得した場合、休業期間が延長される制度や、男性従業員が育児休業を取得した場合に、事業主に助成金が支給される制度などが国制度としてありますが、十分に周知されていない現状です。
    こうした現状を踏まえ、府では、府内企業の「働き方改革」を進める中で、女性が出産・育児により離職することがないよう、必要な基礎知識をまとめた冊子を市町村を通じ、母子手帳の交付時に配布するとともに、国の支援制度についても情報提供を行っております。
    今後、府のセミナーやHP、広報媒体などを活用し、府内企業やその従業員への啓発・周知に一層努めると共に、国の取組動向も踏まえながら、男性の育児休業の取得促進に取り組んでまいります。


    ③男性の育児休業の取得推進について問う。
    (知事答弁) 三宅議員のご質問にお答えを申し上げます。
      国は2025年の男性の育児休業取得率30%を目標に掲げていますが、男性の育児休業取得はまだまだ進んでおらず、社会全体としての課題として認識しています。
    目標数値に少しでも近づけるように私も取得を呼びかけるなど、経済界にも理解を求めながら課題解決に取り組み、男性が育児休業をためらうことなく取得できるような環境づくりに努めていきたいと思います。


    4 多胎児家庭支援

    ・多胎児家庭への支援策について問う。
    (健康医療部長答弁) 令和元年の府の出生数62,557人のうち、1,259人が多胎児であり、概ね600組と推定されています。
    府内全ての市町村が、多胎妊産婦も含めた出産前後の妊産婦への支援事業を地域の実情に応じて実施しておりますが、お示しの令和2年度に国補助事業でメニュー化された、多胎妊産婦に特化した支援に取り組む市町村は、現在のところございません。
    多胎妊産婦支援も含め、全ての妊産婦やその家族への支援策が市町村でより一層充実したものとなるよう、国補助事業の活用事例を示すなど、施策の周知や活用促進を図ってまいります。


    (福祉部長) 多胎児を育てる家庭においては、同時に2人以上の妊娠・出産・育児をすることに伴う、精神的、身体的な負担や経済的な問題など、多胎児ならではの困難さに直面することが多く、ご負担が重いと認識をしております。
    府では、令和2年度から国交付金事業を通じ、市町村が地域子育て支援拠点において、多胎児のいる家庭等に対し交流の場の提供や相談支援を行うに当たり、きめ細かい対応をするため専門的な知識を有する職員を配置した場合等に、運営費を加算することとしております。
    また、一時預り事業において、多胎児や障がい児などを預かるため職員を加配した場合に、児童一人当たりの補助額を運営費に上乗せすることとしております。
    今後とも、多胎児支援も含めた子育て家庭への市町村による支援が、より一層充実したものとなるよう、制度の周知や活用等を働きかけてまいります。


    ②多胎児家庭支援について問う。
    (知事答弁) 多胎児をお持ちの家庭の大変さ、苦労、そういったことは、私も多胎児の父親でありますのでよく理解できるところです。
    多胎児をお持ちの家庭の不安であったり、負担感、それから孤立感、そういったものを解消するため、基礎自治体である市町村において国の支援制度を活用しつつ、それぞれの状況等に応じて支援策を講じていくべきものというふうに考えています。多胎児をお持ちの家庭はもちろんですが、全ての家庭に対して、妊娠・出産から子育てに至る一連の支援を充実していただくように府として市町村に働きかけていきます。


    5 信号機電源付加装置の整備

    ・信号機電源付加装置の整備について問う。
    (警察本部長答弁) 議員お示しのとおり、信号機電源付加装置は、災害等による停電に備え、信号機が機能停止した際の予備電源として、信号機に備え付けるものであります。
    この装置は、大規模災害の発生に際し、人命救助、救援物資の輸送等の災害応急対策が的確かつ円滑に実施されるようにするため、緊急交通路として指定が予定されている、国道1号、2号等の14路線の主要交差点を重点に整備を進めてまいりました。
    令和元年末の整備状況は324か所となっており、令和2年度は13か所の更新を予定しております。
    また、そのほか信号機電源付加装置が整備されていない交差点に対して、可搬式の発動発電機を接続することにより、停電時であっても信号機の機能を維持することが可能となる接続コネクタを20か所、整備する予定であります。
    今後とも、大規模災害発生時の交通の確保に向けて所要の整備を進めてまいりたいと考えております。


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