議会報告

  • 垣見大志朗議員
    令和3年5月定例会 一般質問(垣見 大志朗 議員)要旨(令和3年6月2日)
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    1 新型コロナウイルス感染症対策としての制度融資及び離職者の雇用対策について

    ①中小企業者への資金繰り支援について問う。
    (商工労働部長答弁) 新型コロナウイルス感染症の影響を受けている中小企業者の事業継続にあたっては、昨年来、実質無利子融資である「新型コロナウイルス感染症対応資金」をはじめ、様々な制度融資を実施してきました。
    これら制度融資にかかる保証承諾件数は、例年の約10倍以上となる約13万件、その承諾額は3兆円を超え、中小企業者の事業継続に一定寄与しています。
    一方で、コロナ禍での厳しい経営環境は続いており、引き続き、 売り上げが減少している中小企業者の経営改善への取組も必要です。この観点から、今年度は、金融機関によるフォローアップなどを備えた「新型コロナウイルス感染症伴走支援型資金」を創設し、一定の要件を満たすことにより、保証料を減額するなど、中小企業者の資金負担の軽減を図ってまいります。
    また、金融機関には、中小企業者の資金ニーズに応じた対応をきめ細かく行うよう要請するとともに、無利子融資の再開につきましては、既に、国に対して知事会から要望がなされていますが、必要に応じ、府としても要望していくなど、適切に対応してまいります。今後も金融機関及び大阪信用保証協会と連携し、中小企業の事業継続に向けた支援を実施してまいります。

    ②コロナ後を見据えた雇用対策について問う。
    (商工労働部長答弁) IT関連、新産業など雇用ニーズのある分野への就職を支援し、人材のシフトを促していくことは、職業生活の安定と向上を図り、大阪産業の成長にもつながるものです。
    そこで、ITに関心のある若者に対して、基礎的なITスキルを身につけ就職につなげてもらうため、本年2月にグーグル合同会社等5社の民間企業とパートナーを組み、「OSAKA若者・リ・スキリングパートナーズ」を立ち上げ、5月から無償で研修を開始しています。
    今般、新たに日本マイクロソフト社など3社の参画も得て、現在、約900名が研修を受講しており、研修メニューや就職に向けたサポート体制も強化されつつあります。今年度は約2千人の研修参加を目標に、一人でも多く若者が就職できるよう取り組んでみます。
    また、OSAKAしごとフィールドのキャリアカウンセリングなどを通じ、新産業等も含めた製造業やIT等、雇用ニーズのある分野への就職活動のサポートにも注力するほか、大阪産業局とも連携し、中小企業のDX推進に向けた社内人材の育成にも取り組んでまいります。
    ポストコロナの雇用ニーズを見据え、コロナ禍における失業者の就職等が円滑に進むよう支援してまいります。

    2 動物愛護管理行政の推進について

    ・新たな「大阪府動物愛護管理推進計画」で掲げる目標の実現に向けた、ボランティア団体などの様々な主体との連携について問う。
    (環境農林水産部長答弁) 人と動物が共生できる社会を実現するためには、市町村をはじめ獣医師会、動物関係団体、そして、地域等と相互に連携・協働しながら取り組むことが重要と認識しております。
    このため、獣医師会や動物関係団体等で構成いたします「大阪府動物愛護推進協議会」におきまして、動物愛護管理行政に関する情報共有・意見交換を重ねるとともに、多くの方々にご支援をいただいております「動物愛護管理基金」を活用して、様々な事業を進めているところです。
    これまでの取組みに加えまして、本年度からは、手厚い管理が必要な子猫へのサポートに対して、より多くの動物病院に協力を要請するとともに、飼育が難しい生後6週齢未満の子猫を預かっていただけるよう、ボランティアの方々の飼養管理技術に応じて、対象の子猫の範囲を拡げることとしています。
    今後とも、様々な主体と、積極的に連携し、社会全体で殺処分がゼロとなることをめざしてまいります。

    3 ベイエリアにおける広域サイクル連携の推進について

    ①3年間にわたる社会実験の結果等について問う。
    (住宅まちづくり部長答弁)  平成30年度からの3年間にわたって実施した社会実験においては、民間団体等と連携し、大阪南部・北部・東部の3つのエリアごとに、「サイクリングマップ」を作成するとともに、主要なサイクルルートにおいて「走行会」を開催し、地元の市長や町長、大学生など多くのサイクリストに参加をいただきました。
    これらの取組みの結果、多くの方々に、豊かな自然や歴史文化などの魅力ある地域資源を知っていただいたことに加え、250箇所を超えるサイクリストの休憩所ともなる「サイクルステーション」の設置が進んでいます。
    さらに、サイクリストを対象に実施したアンケート調査でも、行動範囲や参加者の年齢層の広がり、日ごろのサイクリング回数や立寄り箇所等の増加などの結果が見られ、自転車を活用した社会実験が、地域のにぎわいの創出や魅力あるまちづくりなどに着実につながっているものと考えています。

    ②ベイエリアにおける広域サイクル連携の推進について問う。
    (住宅まちづくり部長答弁) お示しのとおり、ベイエリアには、大阪湾の良好な景観はもとより、各地に様々な魅力ある地域資源があり、これらを広域的に「つなぐ」手段として、自転車は非常に有効であると考えています。
    今後、自転車で移動しながらベイエリアの魅力を楽しんでいただけるよう、市町村や民間団体との連携のもと、沿岸地域の観光資源やビュースポットなどを巡るきめ細かいサイクルルートを設定するとともに、手軽に利用できるスマートフォンを活用したサイクリングマップの情報発信を図ります。
    あわせて、シェアサイクルの広域的な導入可能性に関する調査を実施するなど、ベイエリアの活性化に資する「広域サイクル連携」の取組みを積極的に進めていきます。

    ③大阪ベイエリアのまちづくりの推進体制について問う。
    (住宅まちづくり部長答弁) 大阪広域ベイエリアまちづくりビジョンのとりまとめにおいては、各市町の取組みの方向性や重点エリアの設定などについて、地元市町との意見交換を重ねてきており、さらに、先月に開催した推進本部会議では、市長や町長にも出席いただき、魅力ある地域資源の活用や今後の取組み等について意見交換を行ったところです。
    今後、ビジョンに基づく大阪広域ベイエリアのまちづくりの推進に向けて、泉州地域の市町の参画はもちろんのこと、地元の経済団体や民間事業者等とも連携した推進体制を構築し、ベイエリア全体の活性化につなげてまいります。

    4 大阪湾沿岸の海岸高潮対策について

    ①泉州地域の海岸高潮対策の現状と今後の取組みについて問う。
    (大阪港湾局長答弁) 大阪港湾局として、高潮対策は非常に重要と認識しており、既往最大規模の伊勢湾台風クラスの台風が、満潮時に室戸台風コースで接近することを想定した場合に発生する高潮に対応すべく、防潮堤や水門などの海岸保全施設の整備を推進しております。
    大阪港湾局が所管する泉州地域の海岸保全施設の高潮対策は、令和2年度末現在、整備が必要な延長65.5kmに対し64.5kmが完了、98.5%の整備率となっており、残り1kmの未整備個所は、堺市の新港地区および阪南市の貝掛地区の2地区となっております。
    堺市の新港地区につきましては、今年度一部区間の工事に着手し、令和4年度末に当該区間の工事を完了する予定でございます。また、阪南市の貝掛地区につきましては、隣接地権者等との合意形成に向け協議調整を行うとともに、今年度、測量及び設計を実施することとしております。
    今後とも、府民の安全・安心の確保に向け、残る高潮対策の早期完成に向けしっかりと取り組んでまいります。

    ②漁港内の海岸高潮対策の現状と今後の取組みについて問う。
    (環境農林水産部長答弁) 漁港における海岸高潮対策につきましても、港湾と同じ想定の高潮に対応できるよう整備を進めており、令和2年度末で整備が必要な延長8.3kmに対して、6.3kmが完了しており、整備率が75.9%となっております。
    今後、漁港ごとの整備状況を踏まえ、防潮堤の新設や嵩上げ工事、水門の移設工事など必要な整備内容を精査し、地元の理解を得ながら、用地買収などを進めていくこととしております。
    現在、令和6年度末までに全ての漁港で基本設計の完了を目指し、事前調査や測量を順次実施しており、今後とも、府民の生命、財産を守るため、必要な事業費を確保し、早期の整備完了に向け、計画的に高潮対策を着実に進めてまいります。

    ③泉州地域における高潮ハザードマップの作成状況等について問う。
    (大阪港湾局長答弁) 大阪府では、高潮時の氾濫の危険性を府民へお知らせするとともに、円滑かつ迅速な避難行動等につなげることを目的に、防潮堤など海岸保全施設の整備水準を超えた想定し得る最大規模の高潮による浸水想定区域図を公表しております。
    泉州地域の浸水区域に当たる12の市や町に対しまして、浸水想定区域図作成の各段階において、検討内容を情報提供してきたところであります。また、浸水想定区域図完成後には、ハザードマップ作成に必要となる浸水の深さ等の詳細データを速やかに提供するなど、きめ細やかに市や町の取り組みを支援してまいりました。
    その結果、本年3月に高石市がハザードマップを公表しており、泉佐野市が近日中に公表する予定となっております。その他大部分の市や町は令和3年度に公表し、遅くとも4年度中には12全ての市や町が公表する予定と聞いております。
    今後も、引き続き府民の円滑かつ迅速な避難行動につながる市や町のハザードマップ作成の取り組みを引き続き支援してまいります。

    ④大阪湾沿岸(泉州)高潮広域タイムラインの想定訓練について問う。
    (大阪港湾局長答弁) 大阪港湾局では、大阪湾沿岸に台風が接近した場合に備えて、時系列的に発生する状況をあらかじめ想定し、体制強化のステージ移行の判断および、関係機関の防災行動を定めた「大阪湾沿岸(泉州)高潮広域タイムライン」を、令和2年8月に策定したところでございます。
    その後、10月に、台風第14号の上陸が見込まれていましたため、泉州地域の市や町、警察、ライフライン事業者等の各構成員に、高潮広域タイムラインを台風最接近の2日前に発動し、防災行動を呼びかけるとともに、台風状況の提供を行いました。その後、構成員と検証する中で意見がありました「危険箇所を事前に把握する」ことについて、防災行動に追加するなど、改善を実施いたしました。
    今後、高潮広域タイムラインの習熟を図り、効果を発揮するためにも、台風接近に伴う気象情報の発表に応じた、ステージ移行の情報伝達・共有を目的とした訓練を実施していきます。また、訓練や実際の運用を通じた検証により、必要に応じてタイムラインの改善等を行い、実効性を高めてまいります。

    5 岸和田旧港地区周辺の魅力づくりについて

    ①岸和田旧港地区における未利用地への施設の誘致等について問う。
    (大阪港湾局長答弁) 岸和田旧港地区の未利用となっている府有地への企業誘致につきましては、これまで地元岸和田市とともに取り組んできており、市が令和元年度に約500社に企業立地の意向調査を実施した結果、進出に前向きな企業もございましたが、新型コロナウイルスの影響もあり実現には至りませんでした。
    昨年10月の大阪港湾局発足以降、私自身も、金融機関や不動産関係企業等にこの未利用地を紹介し、ニーズの把握に努めるとともに、ホームページによる周知を図るなどの取り組みを進めており、スポーツ・レクリエーション施設ではありませんが、いくつか問い合わせが寄せられたところでございます。
    こうした取り組みの中で、社会経済情勢の変化に伴い、事業者のニーズも変化し、「岸和田旧港地区周辺の魅力づくり構想」の基本コンセプトで掲げる「豊富な資源を生かした“にぎわいが持続・発展する魅力ある交流拠点”を実現」するためには、スポーツ・レクリエーション施設だけでなく、もう少しターゲットとする業態や用途の幅を広げ、それに合わせた条件整備が必要と認識しております。
    今後、地元岸和田市と密接に連携し、事業者のニーズや貴重な親水空間であることを踏まえながら、必要であれば土地利用の見直しを行うなど、施設の誘致に取り組んでまいります。

    ②緑地の管理や活用によってにぎわい創出につなげる取組みについて問う。
    (大阪港湾局長答弁) 当該未利用地は、緑地等と共に一つのゾーンを構成しており、大阪港湾局といたしましては、施設誘致や緑地の管理運営にあたりまして、ゾーン全体での賑わい創出につなげていけるよう、地元市や関係団体と協力しながら取り組んでまいります。
    とりわけ、緑地におきましては、大阪港湾局において、他の臨海部での先行事例もありますことから、未利用地の早期の施設誘致につながるよう、民間事業者の知恵も活用しつつ、利用者ニーズに対応した良好な憩いの空間づくりに取り組んでまいります。

    6 新たな農業拠点である岸和田丘陵地区の企業参入に向けた支援について

    (環境農林水産部長答弁) 岸和田丘陵地区では、大阪農業の成長産業化に向け、平成25年度から、ほ場整備事業に着手しており、完成した農地の一部では水ナスなどの栽培が始まっております。
    岸和田市が所有する農地の売却は、事業効果の早期発現に加え、大阪農業にとっては、意欲ある担い手を確保する大きなチャンスであることから、農地中間管理事業を行う「大阪府みどり公社」とも連携し、農業参入を検討している企業や規模拡大をめざす農家に、積極的に農地を紹介するなど、市の取組みを支援しているところです。
    また、購入を検討している企業向けの現地説明会などにおける要望を踏まえ、議員お示しの耕作道路の舗装により、農地の利便性等を高めるとともに、営農する作物に適した土壌に改良するなど、きめ細やかな整備を行うこととしております。
    このような取組みにより、市が所有する農地のスムーズな売却の支援を通じて、大阪農業の振興を図ってまいります。

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