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1 犯罪被害者支援について
①被害当事者等の意見を踏まえた支援策の改善について問う。
(危機管理監答弁)
大阪府犯罪被害者等支援条例に基づく施策の実施状況については、条例制定の翌年度から毎年、各部局の協力を得て取りまとめ、大阪府のホームページ上において公表しております。
この間、個々の事業内容については一部見直しも行っており、例えば、加害者に対する損害賠償請求権の時効による消滅を中断するための「再提訴費用の助成」において、来年度から、裁判所費用だけでなく弁護士費用についても助成対象とすべく、所要の経費を来年度当初予算案に計上しているところです。
このように府においても適宜改善に努めていますが、お示しのとおり、条例制定後、一定期間を経過した時点で、被害当事者団体の代表者や有識者の方々からご意見をお伺いすることは必要であると考えており、来年度、取組内容や手法等についてご意見を伺い、それらも参考に改善を図りながら、引き続き事業を推進してまいります。
②犯罪被害者等支援のための基金創設について問う。
(知事答弁)
府民の誰もが犯罪の被害に遭う可能性がある中で、被害者支援に関する問題を社会全体で共有し、支え合っていくということは大切だと考えています。
府においても、これまで「犯罪被害者等支援に関する指針」のもと、民間支援団体の活動に対する補助であったり、無料法律相談など、各分野において総合的に支援を実施しているところです。
今後とも、施策の充実に向けて、その内容や手法について検討を重ね、被害に遭われた方々への支援を推進していきたいと思います。
この北新地で起きましたビルの放火殺人事件ですが、これは被害者の方は、何の落ち度も全くないという中で被害に遭われています。その被害に遭われた方の御冥福をお祈り申し上げますとともに、犯罪の被害者の方々の支援を充実させていく必要があると考えています。
基金等の手段もありますが、寄附に頼る基金となるとこれは一過性のものであっても、行政の手続きとしては、やはりなかなか難しいところもあろうかというふうに思います。さまざまな手法があるかと思いますが、現在、被害者等支援指針のもとで、様々な施策を行っています。これをさらに充実させていく、行政としてやるべきことを更に充実させていくべきといった観点から支援を推進していきたいと思います。
2 ストーカー対策について
①ストーカー事案に対する取組について問う。
(警察本部長答弁)
ストーカー事案は、突如として事態が急展開し、取り返しのつかない重大事件に発展するおそれが高いという特徴を有しており、その事案に応じて危険性や切迫性を的確に見極め、被害者の保護を最優先とした対応が重要であります。
そこで、大阪府警察では、ストーカーやDV事案をはじめとする府民の生命身体の安全に関わる事案に迅速かつ的確に対応するため、警察本部に「人身安全対策室」を設置し、警察署で事案を認知した段階から助言・指導を行うほか、室員を積極的に現場へ派遣する等、24時間体制で対策室と警察署が一体となった活動を行っております。
具体的には、被害者の方に対しましては、再被害に遭うことを防止するために、警察官による身辺警戒を行うとともに避難を促す等、その保護に万全を期しております。
また、加害者に対しましては、すでに犯罪行為に至っている場合の速やかな事件化のほか、自発的なストーカー行為の中止を求める警察署長等からの書面での警告、そして、ストーカー行為をしてはならないということを罰則付きで命ずる警察本部長等からの禁止命令等、ストーカー規制法に基づく再発防止のための行政措置についても積極的に講じており、昨年の件数は、一昨年と比較して大幅に増加したところであります。
②ストーカー行為の再発防止及び「ストーカー対策大阪ネットワーク」の活動について問う。
(警察本部長答弁)
まず、関係機関・団体と連携を図りながら効果的なストーカー対策を推進するため、昨年4月に設置された「ストーカー対策大阪ネットワーク」につきましては、昨年末に各委員が一堂に会して第1回会議を開催しております。
会議では、ストーカー対策を推進していく上での各機関・団体の推進事項や課題等について、相互に情報交換等を行い、今後、さらなるストーカー対策の強化についての確認を行ったところであります。
また、議員ご指摘のとおり、ストーカー行為の再発を防止するためには、警察による検挙や行政措置に加えて、精神科医療による専門的な治療が非常に重要であると考えております。
現在も、希望する加害者に対しましては、大阪府警察に在籍する公認心理師によるカウンセリングを実施しておりますが、これを更に一歩進め、加害者が精神科医療においてカウンセリングを受ける費用を公費で負担する制度についての関連予算を本議会に上程したところであります。
大阪府警察といたしましては、ストーカー被害を少しでも減少させるため、この制度を効果的に運用していきたいと考えております。
3 「安まちアプリ」について
・「安まちアプリ」の現状と今後の取組について問う。
(警察本部長答弁)
犯罪を抑止し、「安全なまち大阪」を確立するためには、警察官によるパトロール等のほか、府民のお一人おひとりに、犯罪発生情報等をタイムリーに提供し、自主的な防犯活動に取り組んでいただくことが大変重要であると考えております。
その一つのツールとして、昨年3月からは、それまでの安まちメールでの情報発信に加え、「痴漢撃退・防犯ブザー」機能や、ボランティアとしての見守り活動が記録できる「防犯パトロール」機能等を備えた「安まちアプリ」を運用しているところであります。
議員ご指摘のとおり、「安まちアプリ」の効果を最大限に生かすためには、更なる普及促進が必要であると考えております。
その一環として、昨年この「防犯パトロール」機能を活用した防犯イベントとして「大阪ランパトチャレンジ」を開催しましたところ、多くの企業や府民の皆様にご参加いただき、防犯ボランティアの活性化や安まちアプリの普及促進に大きな成果が見られたところであります。
その他様々な普及促進のための取組により、本年1月末現在では、13万人を超える方に登録をしていただいております。
府民の皆様からは防犯に非常に役立つアプリだと思う、痴漢撃退ブザーは押すだけでいいので使いやすい、などという声も寄せられているところであります。
大阪府警察としましては、今後も、防犯情報や交通規制情報等、府民の皆様に有益な情報発信に一層配意するなど、「安まちアプリ」の配信情報の充実を図るとともに、防犯イベント等のあらゆる警察活動や関係機関・団体との連携を通じてアプリの普及促進に努めてまいりたいと考えております。
4 子どもたちが主体のSDGs活動について
・SDGsの活動を顕彰する取組について問う。
(教育長答弁)
SDGsにつきましては、子どもたちが、世界や身近な地域で起きている課題を自分に関わることとして捉え、主体的に解決策を考えられるように、一人ひとりの関心・意欲を高めていくことが重要でございます。
そのため、府立学校に対しましては、学校教育全体でSDGsの視点を踏まえた活動に取り組むよう指示をいたしますとともに、市町村教育委員会に対しては、議員お示しの「教育プログラム」の積極的な活用等を指導助言することで、子どもたちの主体的な実践につながるよう取り組んでいるところでございます。
今後、幼稚園から高等学校まで、SDGsの取組みをより一層浸透させるために、表彰や発表の機会の設定、優れた事例の紹介等、学校の取組みを後押ししていきたいと考えております。
5 若者・女性活躍推進について
①若者の奨学金負担軽減策について問う。
(商工労働部長答弁)
大阪の将来を担う若者が、いきいきと活躍できる社会をつくることは大切なことです。
日本学生支援機構の調査によれば、奨学金を延滞している人は全国約15万人で、その理由として、正社員率が低く、収入が安定的でないことが示されています。このことからも正社員として採用されるなど、経済的な自立が円滑な返還を図る上で重要と考えます。
このため、府では、府内10の大学と連携し、合同企業説明会を開催するなど、府内中小企業とのマッチングを通じて、学生の安定就職の機会を積極的に提供しています。
今後、連携する大学の拡大をはじめ、就職困難性の高い若者の就職支援も強化するなど、多くの人に活躍の場が提供されるよう、よりきめ細かな支援に取り組みます。
一方、日本学生支援機構の奨学金代理返還制度は、制度化されて日が浅く、中小企業にまだ十分浸透していないことから、OSAKAしごとフィールドの企業向けセミナーや人材不足分野の業界団体への呼びかけなど、府内企業に周知を図り、制度の導入を働きかけてまいります。
②IT分野におけるジェンダーギャップの解消について問う。
(府民文化部長答弁)
男女共同参画社会の実現に向けましては、ジェンダーギャップを解消するために、社会のあらゆる分野での女性の参画を拡大することが重要と認識しております。
そのため、本府では、昨年度、策定いたしました、おおさか男女共同参画プランにおきまして、「方針の立案・決定過程への女性の参画拡大」を重点目標とし、女性比率が低い「理工系分野等の女性の人材育成」を計画の具体的取組に位置付け、各部局で様々な取組を行っているところでございます。
具体的には、理工系分野で活躍する女性講師によります、女子中高生等を対象としたセミナーの開催や、女性や若者を対象にいたしましたデジタルスキルを身に付ける研修の実施等に取り組んでいるところでございます。
今後、議員お示しの女性デジタル人材の育成に関する、国又は他県の動向等を注視しながら、関係部局と連携し、IT分野を含む理工系分野等への女性の参画拡大に向けた取組を進めてまいります。
6 がん患者等妊よう性温存治療費助成について
・がん患者等妊よう性温存治療費助成事業に係る現状と今後の取組について問う。
(健康医療部長答弁)
今年度スタートしました、がん患者等に対する妊よう性温存治療費の助成事業につきましては、現時点で当初予定していた80件を上回る140件の申請が見込まれており、補正予算として必要額を増額し、今議会でご審議いただいております。
この事業については、将来子どもを産み育てることを望むがん患者が、希望をもって治療に取り組めるように、がん治療前の生殖温存を必要とする方への支援として、運用していくことが重要であると認識しています。
そのため、患者に寄り添った治療前カウンセリングの実施やがんの治療実施医療機関と妊よう性温存治療を行う医療機関との連携を強化するとともに、がんの治療計画等を申請書において確認することで、安定的な制度運用に努めていきます。
7 プレコンセプションケアについて
・プレコンセプションケアに係る府の認識と今後の取組について問う。
(健康医療部長答弁)
プレコンセプションケアは、成育医療に関する国の基本方針では、「女性やカップルを対象として、将来の妊娠のための健康管理を促す取組」と示されているものの、現時点では、妊娠を考えるカップルの生活習慣のチェックや若年層の健康教育など、幅広い概念で用いられており、どのような対象にどのような施策を推進していくかを整理するため、お示しの国における有識者ヒアリングが行われているものと認識しています。
そのため、まずは国における検討状況やお示しの東京都をはじめ他団体の動向を注視しつつ、関係部局と連携しながら必要な取組みについて検討していきます。
8 新型コロナウイルス感染症対策について
①希望される方が安心してワクチン接種できる環境整備について問う。
(知事答弁)
オミクロン株による感染拡大が依然として続く中で、さらなる接種の促進に向けて、希望される方が安心して接種できるよう環境整備が重要だと思っています。
本府では、府内企業の労働環境改善のための啓発と助言を行っておりまして、ワクチン接種後の休暇取得促進について、事業者の理解が深まるよう、取り組んでいきます。
議員ご提案の助成制度をはじめとする促進策については、今後の動向を見極め、適切に判断をしてまいります。
②「大阪版CDC」の機能構築に係る感染症対策の進捗状況と今後の方針について問う。
(知事答弁)
科学的知見の活用につきましては、この間、府専門家会議や国立感染症研究所等の提言を府の方針決定に活かすとともに、大学や府・市病院機構との連携協定締結、治療に係る専門医の知見の共有などを進めてきました。
なかでも、大阪健康安全基盤研究所においては、疫学調査の支援や、ゲノム解析による変異株の流行動態の分析など、感染症に関する専門的拠点として貢献をいただいています。
また、大阪公立大学の大阪国際感染症研究センターでは、文系・理系の総合知を結集した様々なテーマの調査研究を進めており、大阪大学では、科学的エビデンスに基づいた情報発信や感染症研究、感染症医療人材の育成の拠点が設置をされて、活動が開始されました。
これまでの感染症対策を踏まえ、新たな感染症によるパンデミックにも対応できるように、こうした拠点機関との連携体制を、大阪健康安全基盤研究所を主軸に構築していくことにより、「感染症に強い都市」づくりをめざしていきます。