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1. 区域整備計画における需要予測と経済波及効果等について
・区域整備計画における需要予測、経済波及効果等及び大阪IRの来訪者数や売上などの市場ポテンシャルについて問う。
(IR推進局長答弁)
来場者数については、IR事業者において、人口統計や訪日外客統計等の統計情報、既存のIR施設や近畿圏及び日本国内にある施設の実績・知見等を踏まえて推計されており、また、それらの来場者数を踏まえて売上等が見込まれているもので合理的なものであると考えております。
IRは、民設民営事業として、MGM・オリックスの中核企業2社に加えて、大阪・関西を中心とした企業20社が自らの出資や金融機関からの借入れにより資金調達を行い、リスクを負って1兆円を超える投資を行うものであり、事業計画の立案にあたっても、慎重に検討・精査されているものと認識しております。
また、借入については、返済原資を当該プロジェクトから生み出される収益・キャッシュフローと当該プロジェクト資産に限定するプロジェクトファイナンスによる借入を予定しており、既に事業者において金融機関からの融資確約書を取得しているところでありますが、金融機関も厳しい審査を行っているものです。
なお、補足として、シンガポールのIRとの概括的な比較においても、大阪の方が、域外からの旅行者数や居住人口等の後背圏の市場規模が大きく、高い需要のポテンシャルを有するものと考えています。
これらを総合的に勘案すると、実現性のある相応の計画であると認識をしております。
2. 夢洲の土地課題について
・土地課題対策費用について大阪市が負担することになった経過と費用の上振れの有無について問う。
(IR推進局長答弁)
夢洲特有の土地課題への対応については、大阪IRが国内外から毎年約2,000万人の来場者が訪れる国際観光拠点の核となる大規模集客施設であることから、IR事業用地としての適性確保が必須であり、土地に起因する所有者としての責任に加えて、大阪臨海部のまちづくりなどの政策的な観点も踏まえ、土地所有者として大阪市が負担するものです。
この負担については、2021年12月に副首都推進本部会議・市戦略本部会議において、オープンな場で議論し、決定のうえ、議会における議論を経て、大阪市において債務負担行為の予算の議決をいただいたものです。
これまで埋立地においては、土壌汚染や液状化の調査結果等がない状況で、瑕疵担保、契約不適合責任を負わないという特約を付したうえで、一般競争入札により価格競争の上、土地売却等を実施してきております。
一方で、IRの事業者公募については、賃料を固定したうえで、IR用途に限定し、事業者からIR事業の提案を求めるスキームであり、これまでの瑕疵担保責任等を負わないとしてきたスキームと異なるもので、また、公募段階において土壌汚染及び液状化層の存在が判明したものです。
土地課題対策費用について、大阪市が負担する金額は、債務負担行為の限度額788億円の範囲内としており、負担にあたって事業者からの請求額をそのまま負担するものではなく、対策の必要性やその内容・方法等に合理性があると認めた場合に、大阪市の設計・積算基準等により、妥当と認める金額を負担するもので、限度額内での執行となるよう適切に取り組んでいくこととしています。
地盤沈下対策に関しては、IR施設建設に必要となる地盤沈下対策は事業者において適切に実施するものとしており、また、市が使用した埋立材の原因により、通常の想定を著しく上回る大規模な地盤沈下や陥没が生じた場合を除いて、市は費用負担を行わないことを前提としています。
引き続き、IR事業用地の適性確保に向けて、適切に対応してまいります。
3. IR事業者のカジノへの依存症対策について
・IR事業者のカジノへの依存症対策について問う。
(IR推進局長答弁)
IR整備法では、世界最高水準のカジノ規制が設けられ、依存症対策を適切に講じていくことが求められています。
今後、区域認定を得られれば、区域整備計画に取りまとめたIR事業者が実施する対策について、具体的な運用など、詳細の検討を進めていくことになります。
これにあたっては、IR事業者は大阪府市と協議しながら進めていくこととしており、府市は学識者や患者家族団体等の意見も聞きながら、カジノへの依存防止対策が有効なものとなるようしっかりとIR事業者と協議をしてまいります。
一方、これとは別に、外部有識者等により構成するIR事業評価委員会の設置等、モニタリングの枠組みを構築することとしており、依存症対策についても専門家の知見等も踏まえながら実施状況をチェックし、必要に応じて改善を求めるなど、有効な対策が確実に履行されるよう対応してまいります。
また、大阪府域における「ギャンブル等依存が疑われる者等の割合」を毎年調査したうえで、その低減をめざすことを目標として、区域整備計画にも明記しており、調査結果の推移も検証しながら、着実に対策を実施してまいります。
4. 府民理解の促進について
・府民の理解を得るための、地域の合意形成に向けた取組みについて問う。
(IR推進局長答弁)
IRの実現に向けては、府民の理解を得ながら進めていくことが重要であると認識しており、これまで、府民向けセミナーや出前講座、広報紙やパンフレット、動画など、様々な広報ツールを活用して、大阪IRの意義や効果、懸念事項対策などの情報発信に努めてまいりました。
また、大阪IRの区域整備計画(案)については、昨年12月23日に公表し、説明会のほか、IR整備法にのっとった公聴会やパブリックコメントを実施しました。
説明会については、今年1月に7回開催し、延べ228人の方にご参加いただき、公聴会についても1月に4回開催し、40名が公述されました。パブリックコメントは、区域整備計画案を公表して以降、1月21日まで意見募集を行い、537名の方から1,497件の意見をいただいたところです。
これらを通して頂いたご意見、全てに対して、府市の見解を公表しております。
また、こうした取組みを経て作成した区域整備計画について府市の両議会で議決をいただいたところです。
この8月、9月にはIRの実現に向けて、府民の理解を深めるため、府民向けセミナーも実施することとしており、今後も府市としては、これまでいただいたご意見も踏まえて、大阪IRの目的や効果、ギャンブル等依存症対策をはじめとする懸念事項や課題に関して、発信内容の充実や手法なども検討しながら、引き続き効果的な情報発信に努めてまいります。
5.住民投票の実施について
・住民投票の実施について問う。
(知事答弁)
地方自治制度の根幹は代表民主制であり、住民の意思の反映については、住民の選挙を通じて選ばれた長や議会が中心的な役割を果たすことになっています。
IR誘致についても、IR整備法に基づき、公聴会の開催、立地市である大阪市の同意を得るなど、必要な手続を実施したうえで、選挙によって選ばれた880万府民の代表である議会において、十分な議論を経て、既に議決されておりまして、国に対しても区域整備計画を認定申請済みであります。
このように、IR誘致については、法が求める手続きを適正に進めているものであり、改めて住民投票を実施する意義は見出し難いと考えます。
6.府民理解の促進について
・IRの意義や効果等について、知事が率先して情報発信していくべきと考えるが、知事の所見について問う。
(知事答弁)
IRに関しましては、様々なご意見があることは認識をしております。大阪IR開業まで、府民の意見に耳を傾け、懸念される事項や課題に関して、しっかりと対策を取り組んでいることが必要と考えております。
大阪IRは、日本最大級の国際会議場や展示場、世界トップクラスのエンターテイメントなどを通じてあらゆる来訪者に楽しんでいただける、魅力あふれる施設であり、地域への大きな経済効果が見込まれるとともに、納付金等収入を、府民の暮らしの充実や大阪の成長投資に広く活用していくものであります。
今後も、引き続き、IRの意義や効果について、情報発信を行い、府民の理解促進に努めながら、大阪の更なる成長に向けて、IRの実現に取り組んでいきます。