議会報告

  • 加治木一彦議員
    令和4年9月定例会 代表質問(加治木 一彦議員)要旨(令和4年10月4日)
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    1. 新型コロナウイルス感染症対策

    (1)原油価格・物価高騰対策
    ・ 原油価格・物価高騰対策について問う。
    (政策企画部長答弁) 昨今の原油価格などの高騰や円安の影響により、エネルギーや食料品を中心に価格が上昇を続けており、8月の生鮮食品を除く、消費者物価指数は、前年同月比でプラス2.8%と、高い水準となっています。物価上昇の影響は府民全体に及んでおり、非常に厳しい状況にあると認識しております。
    本府では、これまで、地方創生臨時交付金を活用いたしまして、府民には、18歳以下の子どもへのギフトカードの配布、事業者には、福祉事業者や公共交通事業者、農業者等への燃料費等の支援などを実施してきたところでございます。
    今般、国から174億円の配分がありました「電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援交付金」を活用いたしまして、コロナ禍において価格高騰等で厳しい状況にある府民や事業者の皆様に速やかに支援が届くよう、支援策を検討してまいります。


    (2)全数届出の見直し
    ・コロナ陽性者全数届出の見直しに伴う発生届対象外の方への支援について問う。
    (健康医療部長答弁) 今般の全数届出の見直しは、通常医療への段階的移行の取組みの一つであり、府としては届出対象外となる療養者に対しても、引き続き支援体制を維持してまいります。
    具体的には、届出対象外となる方や自己検査により陽性となった方の登録を受け付ける「陽性者登録センター」を9月26日に設置し、感染拡大期には1日15,000人の登録が可能な体制を整備しました。
    あわせて、自己検査の促進に向け、新たに「検査キット配布センター」を設置し無料でのキットの郵送をスタートしています。
    また、感染拡大期の自宅療養者への対応として、10月末を目途に、「大阪コロナオンライン診療・往診センター」を設置し、登録者も含めた自宅療養者が、診療や薬剤の処方を受けることができる体制を構築します。
    さらに、自宅療養者に対する相談支援の要となる「自宅待機SOS」については、新たに医学的助言を行う医師を配置するとともに、感染拡大に応じた迅速な電話回線の増設や宿泊療養等の支援など、全数届出見直し後もその機能を適切に確保してまいります。


    (3)高齢者施設等での対応
    ・高齢者施設等における新型コロナウイルス感染症対策について問う。
    (福祉部長答弁) 高齢者施設等におきます新型コロナウイルス感染症対策につきましては、施設と医療機関との連携確保や、シミュレーション訓練の実施など陽性者発生時に備えた対応力の向上が重要と認識しております。
    コロナ治療ができる協力医療機関の確保につきましては、今年4月以降、健康医療部と連携しまして、高齢者施設や医療機関等に働きかけてまいりました。
    その結果、高齢者施設等の協力医療機関の確保率は、働き前の3月時点では、3割程度だったんですけど、現在7割近くまで増加しています。 また、今年5月には、高齢者施設等に対しまして、陽性者の発生を想定した訓練の実施を要請しました。現在、実施率は9割以上になっています。このように施設における陽性者発生時の対応力は着実に向上したものと認識しています。
    今後の感染拡大時におきましても、高齢者の命を守ることができるよう、引き続き、高齢者施設等の取組に対する支援に努めてまいります。


    2. 大阪・関西万博

    (1)万博への府内の子どもの無料招待
    ・万博への府内の子どもの無料招待について問う。
    (万博推進局長答弁) 次世代の担い手となる子どもたちが「未来社会の実験場」をコンセプトとした大阪・関西万博の会場を訪れ、最先端の技術やサービスに触れ、未来社会を直に体験することは、自らの将来について学び考える絶好の機会であると認識しております。
    2005年の愛知万博は、自然との共生や環境問題の解決をコンセプトにしており、児童生徒が国際理解や地球規模の環境を体験学習できるよう、愛知県内の国公私立の小・中学生など約60万人が学校行事として万博を見学した際、県がその入場料全額を負担しておりました。
    府内の子どもの無料招待につきましては、本年8月に「大阪・関西万博推進本部」に設置した「参加促進部会」におきまして、こうした過去の事例や、博覧会協会における入場券制度の検討状況を踏まえながら、対象者の範囲や無料とする手法をはじめ、課題への対応策につきまして、引き続き教育庁など関係部局と協議等を重ね、しっかりと進めてまいります。


    (2)万博における市町村参画の取組
    ・万博における市町村参画の取組について問う。
    (万博推進局長答弁) 府内市町村の大阪・関西万博への参画につきましては、これまでも、博覧会協会の協力のもと、市長会及び町村長会や、府内全市町村が参画する万博首長連合などの場におきまして、会場での催事参加や、会場を訪れる人々を対象とした地域への観光誘客、あるいは文化資源を活用した国際交流などにつきまして呼びかけを行ってまいりました。
    会場内の催事につきましては、現在、博覧会協会におきまして、自治体等が参加する参加催事や協会等が行う主催者催事などにより、会場の至る所で賑わいを創出できるよう、来年度の公募に向け、準備が進められているところでございます。
    また、万博を契機とした国際交流につきましては、国におきまして、地域の海外交流に向けた調査事業といたしまして、先進事例の調査等が検討されるなど、自治体と参加国との交流が全国各地で進められるよう取り組まれているところでございます。
    大阪府・市といたしましても、こうした検討状況も踏まえまして、会場内での催事参加や地域の国際交流等につきまして市町村とともに議論を重ね、国や博覧会協会へ働きかけるなど、しっかりと取り組んでまいります。


    (3)中小企業の万博関連調達への参入促進
    ・中小企業の万博関連調達への参入促進について問う。
    (商工労働部長答弁) 大阪・関西万博は、府内中小企業にとって、新たなビジネスチャンスを獲得できる貴重な場であり、その機会を創出する仕組みとして、「万博関連事業受注者登録システム」を立ち上げるものです。 このシステムの機能を高めるには、多くの府内中小企業の情報が登録されることが不可欠であり、大阪産業局や商工会・商工会議所などの支援機関のほか、金融機関や税理士などと連携し、企業情報の登録を積極的に働きかけてまいります。
    また、発注側となる2025年国際博覧会協会をはじめ、パビリオンの出展者、さらには関連イベントの主催者やライセンスグッズの作成者など、万博関連事業を実施する様々な事業主体に対しては、発注情報の提供をお願いし、受注機会の拡大をめざしてまいります。
    本システムにより、万博に参入する機会が得られれば、中小企業の万博に対する親近感や参加意識も増し、さらなる参入意欲や大阪経済の活性化にもつながってまいります。こうした好循環によって、万博全体への協力や理解も促進されるよう、取り組んでまいります。


    (4)万博における電気バス等の導入
    ・万博における電気バス等の導入について問う。
    (環境農林水産部長答弁) 大阪・関西万博の来訪者に対して、カーボンニュートラルに向けた取組みをアピールできるよう、博覧会協会と連携し、会場アクセスのゼロエミッション化を進めることが重要でございます
    詳細な会場への輸送計画につきましては、現在、博覧会協会において検討されていますが、調達が可能と考えられるシャトルバス等につきましては、できる限りEVバス等が使用されるよう、今年度は予定台数の18台の導入を支援し、令和5年度、6年度の2か年でさらに計画的に導入を促進してまいります。
    このため、府内事業者が国の補助制度を確実に活用できるよう、EVバスに係る予算枠の拡充と、府域への重点的な交付を国に強力に要望するとともに、府市による国の補助金への上乗せ補助制度の継続を検討してまいります。


    3. 安全・安心のまちづくり

    (1)インターネット上の誹謗中傷等対策
    ・インターネット上の誹謗中傷や差別等への対応について問う。
    (府民文化部長答弁) インターネットを利用して人権侵害情報を拡散することは、決して許されないものという認識のもと、府内の市町村におきまして、インターネット上の人権侵害事象の解消に向けた取組みが進むよう、市町村に対する支援を行っているところでございます。
    現在、府内市町村の一部におきましては、お示しのように、地域の実情に応じてモニタリングを実施するなど、人権侵害情報の早期発見と削除の取組みが進められており、府としても、削除に関するノウハウの提供や助言などの支援を行っているところでございます。
    さらに、いわゆる同和地区の摘示といった悪質な人権侵害情報につきましては、人権擁護機関である法務局やプロバイダに対しまして、市町村と連携し、削除要請を行いますとともに、市町村に対しましても助言や研修等についての実施をしているところでございます。
    今後とも、各市町村における人権侵害情報の削除に向けた取組みにつきまして、情報の集約や共有化を図るなど、より一層、市町村への支援を進めてまいります。
    次に、インターネット上の人権侵害に関する相談につきましては、大阪府人権相談窓口におきまして、被害者だけでなく、加害行為者から相談があった場合におきましても対応しうるようにしているところでございますが、現時点におきまして、加害行為者からの相談は、寄せられていない状況にございます。
    府としても、被害者はもとより、加害行為者への支援も重要と考えており、今後、加害行為者がより安心して相談できる環境づくり等につきまして、「インターネット上の人権侵害の解消に関する有識者会議」での議論等を踏まえ、しっかりと検討してまいります。


    (2)犯罪被害者支援
    ・犯罪被害者支援団体との連携について問う。
    (警察本部長答弁) 認定NPO法人 大阪被害者支援アドボカシーセンターにつきましては、大阪府公安委員会が「犯罪被害者等早期援助団体」として指定しております。
    また、その支援センターに所属する相談員を民間被害者相談員として警察本部長が委嘱し、事件や事故の被害にあわれた方やご遺族の方からの相談、医療機関等への付き添い、裁判の代理傍聴などの支援を行うことにより、被害者等の精神的被害の軽減・回復及び犯罪被害の潜在化の防止を図っているところであります。
    警察が民間支援団体と連携することにより、被害者等の心情に寄り添ったきめ細かい配意をするとともに、専門的かつ継続的な被害者支援を実施しております。


    (3)ストーカー対策
    ・ストーカー対策大阪ネットワークの取組と今後の方針について問う。
    (警察本部長答弁) 認定NPO法人 本年3月以降のストーカー対策大阪ネットワークの活動状況につきましては、担当者会議を開催し、参画する関係機関・団体との意見交換や推進事業などについて確認を行い、継続したストーカー対策を推進しているところであります。
    具体的な取組といたしまして、ネットワークの推進事業の一環である若年者への被害防止啓発として、府警察と教育庁が連携し、府立の高等学校に協力を得て、生徒がデザインした被害防止啓発リーフレットを作成いたしました。
    完成したリーフレット30万部は、ネットワークの参画団体を通じ、府内の高等学校に在籍する全ての生徒や中学校、支援学校に配布いたしましたほか、図書館等の窓口に備え付けるなど、若年者に対する被害防止啓発を行っているところであります。
    また、加害者の再犯防止対策として、府警察とネットワークのアドバイザーとして参画する医療機関が連携し、加害者に対して精神科医療での治療を勧める取組を行っております。
    本年は、7月末現在で42人に治療を勧めた結果、16人を受診に繋げております。
    引き続き、ネットワークの相互連携を強化の上、各種媒体を活用したストーカー対策に関する広報啓発を行うとともに、本年度府警察において創設した加害者の受診にかかる公費負担制度を効果的に運用してストーカー被害の未然防止対策を推進してまいります。


    (4)警察職員の不祥事案等に対する再発防止策
    ・警察職員の不祥事案等に対する再発防止策について問う。
    (警察本部長答弁) 認定NPO法人 議員御指摘のとおり、大多数の職員が懸命に職務に当たっている中で、府民の安全を守るべき警察官が非違事案を起こして逮捕されたり、また、部下を指導する立場にある上級幹部がハラスメントを引き起こして処分を受ける事案などが発生したことは言語道断であり、まことに遺憾であります。
    府民の皆様からの期待と信頼に応えていくためには、職員一人一人が、大阪府警察は府民のためにあるという思いを強く持ちながら、「誇りと使命感」を胸に、自己に与えられた職務に邁進し、着実に結果を出していかなければならないと考えております。また、仕事を離れた私生活においても、清廉な生活態度を保持しなければならないことは言うまでもありません。
    そのために、府警察では、警察職員としての「職務倫理の基本」を心に刻ませるため、警察官拝命時の初任科教養や上位階級へ昇任した際の入校教養等の各種学校教養、各所属への巡回教養、所属幹部による所属職員への教養等において、それぞれの属性に応じ、職務倫理、ハラスメント防止、非違事案防止等の教養を実施しているところであります。
    また、部下職員を指導すべき立場にある上級幹部に対しても、各種会議や新任所属長への研修等において、非違事案やハラスメントの絶無について指示・教養を徹底しているところであり、先般の9月30日に開催いたしました署長会議の席上でも、私から各所属長に対し、多発する非違事案やハラスメントの絶無を期すこと、常に府民の立場に立って活動するという警察の原点に立ち返ることの重要性について、部下職員に繰り返し指導するよう指示したところであります。
    今後もこれらの教養を継続するとともに、様々な取組を強力に推進し、職員の非違事案の絶無を期することで、大阪府警に対する信頼の回復に努めてまいる所存でございます。


    (5)府営住宅
    ・府営住宅事業の地元説明の状況について問う。
    (都市整備部長答弁) 認定NPO法人 まず、エレベーター設置を取りやめるなど事業方針を変更した団地のうち早期建替えに着手することとした36団地につきましては、昨年度から説明を実施しており、本年5月までに全ての自治会で完了しました。
    また、入居者に対しましても、順次説明を行っており、今年度は、建替えの基本計画に着手した11団地を対象に進め、これまでに4団地で完了したところでございます。
    次に、エレベーターの設置を行う団地につきましては、7月に各団地の設計や工事などの進捗状況を示した一覧をホームページに掲載するとともに、全入居者に配付する広報誌の夏号で、ホームページへの掲載をお知らせしております。また、個々の団地の状況等につきましては、工事や設計の時期が近付いた段階で自治会を通じて掲示板等に掲載しているところであります。
    引き続き、入居者に対し、丁寧に説明を行いながら取り組んでまいります。


    4. セーフティネットの構築

    (1)孤独・孤立対策
    ①孤独・孤立対策における関係機関の連携について問う。
    (福祉部長答弁) 孤独・孤立対策につきましては、議員お示しのとおり、行政と民間のNPO等の支援団体や企業等との連携が不可欠であると認識しております。
    国におきましては、住民に身近な自治体が主体となってNPO等との連携を進めていくことが必要との考えのもと、官民連携プラットフォーム推進事業が公募され、今年7月に大阪府を含めた18団体が採択されました。
    これを受け、府といたしましても市町村やNPO、地域で活動している民間支援団体等に参画いただく「公民連携プラットフォーム」を立ち上げることといたしております。
    今後、プラットフォームにおきまして、参画団体との情報共有や好事例の展開、意見交換等を行っていることを通じまして、公民協働による取組みを推進してまいります。


    4. セーフティネットの構築

    ②ひきこもり支援について問う。
    (福祉部長答弁) ひきこもり問題につきましては、当事者やその家族等の背景や事情に応じ、社会とのつながりを時間をかけて形成していく継続的な支援が求められますことから、お示しのとおり、身近な市町村における支援体制づくりが重要と認識しております。
    このため、府では、ひきこもりに特化した相談窓口として「ひきこもり地域支援センター」をこころの健康総合センター内に設置し、当事者や家族からの相談に応じますとともに、市町村等の支援機関に対し、専門的な助言や研修講師の派遣等を行っております。
    また、自立相談支援機関、民間支援団体、ひきこもりの当事者会・家族会など関係機関のネットワークの構築・機能強化を図りますため、市町村に対しまして、助言等を行いますとともに、支援者のスキルアップを図るための研修会の実施や庁内関係課との連絡会議の開催など、年齢如何にかかわらず一体的な取組みを行っております。
    さらに、当事者や家族が社会とつながりを持つことのできる環境づくりを進めますため、府、民間支援団体、市町村が連携して、ひきこもりの当事者会や家族会を複数市町村で開催するなどの取組みも行っております。
    今後も、それぞれの市町村で効果的な取組みを展開できますよう、引き続き市町村を支援してまいります。


    (2)医療的ケア児支援センターの設置
    ・医療的ケア児支援センターの設置について問う。
    (福祉部長答弁) 医療的ケア児支援センターの設置に向けまして、府におきましては、医療的ケア児やその家族のニーズを調査、把握させていただくとともに、福祉・医療・保健の専門家や学識経験者、障がい者団体などで構成される大阪府障がい者自立支援協議会のワーキンググループにおきまして、支援センターの機能について検討を行っているところでございます。
    先月の14日に行われたワーキンググループにおきましては、調査結果等に基づき、関係機関と連携した切れ目のない相談支援、地域の事業所等への助言や好事例の紹介、医療的ケアの技術に関する研修や困難事例に対応できる人材の育成など、支援センターに必要な機能や複数個所設置の議論があったところでございます。
    府といたしましては、今後とりまとめられるワーキンググループからの提言をはじめ、医療的ケア児実態把握調査の調査結果等や当事者団体、市町村、その他関係機関からの意見をお伺いしながら、府としての方針を定めてまいります。
    そのうえで、重症心身障がい児施設や医療機関等の関係機関と連携し、さらに様々なご意見を踏まえながら、令和5年度の設置に向けて医療的ケア児支援センターの体制や機能を精査してまいります。


    (3)ギャンブル等依存症対策
    ・ギャンブル等依存症対策について問う。
    (健康医療部長答弁) ギャンブル等依存症対策の普及啓発については、広く府民を対象とした啓発セミナーの他、若年層向けとして高校での出前講座や教員対象の研修などを実施してきましたが、府が行った実態調査によると、ギャンブル等経験者の約9割が20代までにギャンブル等を始めていることなどから、若年層への早期の予防啓発に更に取り組む必要があります。
    また、これまで、大阪府依存症包括支援拠点OATISと関係機関や民間支援団体間の連携支援体制の構築を図ってきました。
    国調査によると、「浪費、借金による経済的困難」など当事者や家族が抱える問題が多種多様であることから、今後、連携ネットワークの機能を当事者の個別支援において発揮できるよう、情報共有等の仕組づくりを更に進める必要があります。
    今年度予定している2期計画策定の中で、こうした課題を踏まえた具体的な取組みについて検討していきます。


    5.教育の振興

    (1)小中学校における人的支援
    ・小中学校における人的支援について問う。
    (教育長答弁) 府教育庁では、児童生徒の支援体制の構築に向けて、専門人材等の配置拡充に努めてまいりました。
    スクールカウンセラーにつきましては、全中学校に週1回配置をいたしましたが、コロナ禍の影響等により小学校におけますニーズが高まりましたため、令和3年度より府内の小学校に対して学期に1~2回の派遣ができるように拡充をいたしました。
    また、スクールソーシャルワーカーにつきましては、全中学校区に配置できるよう、令和元年度から仕組みの整備をしたところでございます。
    さらに今年度は、コロナ禍の影響が続く中、児童生徒の心のケアや保護者の悩み等への対応が増加をしていますことから、国の地方創生臨時交付金を活用し、全ての小学校にスクールカウンセラーを月1~2回派遣増できるよう補正予算案を編成し、ご審議をお願いしているところでございます。
    今後も引き続き、児童生徒の状況に応じて必要な専門人材等を配置するなど、支援体制の構築に努めてまいります。


    (2)1人1台端末活用促進にかかる教職員の指導力向上
    ・1人1台端末活用促進にかかる教職員の指導力向上について問う。
    (教育長答弁) 府立高校におけます教職員のICT活用指導力の向上につきましては、学校や教員毎の状況に応じた支援を充実させるべく、今年度、新たにGIGAスクール運営支援センターを開設し、取組みをすすめているところでございます。
    具体的には、電話等による問い合わせ対応や技術指導をはじめ、ICT活用の好事例のホームページによる発信、学校訪問によるオーダーメイド型の研修などを行っております。さらに、民間企業と連携し、教職員のスキルや活用シーンなどに応じた、きめ細やかなオンライン研修の開催も予定をいたしております。
    府教育庁としましては、これら取組みを通じまして学校現場を支援し、教職員個々の状況に応じたスキル向上をすすめることで、府立高校におけます生徒の学びを充実してまいります。


    (3)支援教育の充実
    ①障がいのある子どもの学びの場の充実について問う。
    (教育長答弁) 府といたしましては、児童生徒一人ひとりの障がいの状況や心身の発達等に応じた指導が適切に実施されることが重要であると考えております。
    各市町村に対しましては、支援学級の状況を丁寧に把握するとともに、国通知の内容を踏まえつつ、本人及び保護者の意向も確認しながら、児童生徒にとって適切な学びの場を提供するよう指導助言をいたしております。
    引き続き、障がいのある児童生徒、一人ひとりの教育的ニーズに最も的確に応える学びの場の充実に向け、各市町村と連携し、支援学級や通級による指導に必要な教員が適切に配置されるよう、国へ要望してまいります。


    ②支援学校の環境改善について問う。
    (教育長答弁) 児童生徒の増加に伴って教室不足等が生じている知的障がい支援学校につきましては、できるだけ早期に教育環境を改善していく必要があると認識をいたしております。
    そのため、現在、地域ごとに知的障がい支援学校在籍者の将来推計を行いますとともに、「特別支援学校設置基準」の不適合や教室不足を解消するための手法を検討しております。
    その手法につきましては、新たな学校整備による対応のほか、既存の教室改修等による対応や、それ以外の対応が可能かについて検討をいたしております。
    学校整備が必要な場合は、閉校となった府立高校の活用や府立高校との併設、その他の効果的な手法も検討し、支援学校の教育環境の改善に向け、できるだけ早く計画的に整備が進められるように、作業を急いでまいります。


    (4)工業系高校の充実
    ・工業系高校の充実について問う。
    (教育長答弁) 府教育庁としましては、ものづくり人材の安定的な輩出という観点から、工業系高校が果たすべき役割は引き続き重要であると考えております。
    一方、ご指摘のとおり、ここ数年の志願者数は厳しい状況となっております。
    そうした背景から、本年5月、今後の工業系高校のあり方について大阪府学校教育審議会に諮問し、8月には、それまでの審議をもとに、工業系高校の魅力化と規模の適正化、大学進学への更なる対応、時代に即した基礎・基本への対応等が盛り込まれた中間報告がとりまとめられました。
    また、10月5日には、第5回の審議会を開催し、工業系高校の魅力発信とイメージ戦略につきまして、ご審議をいただく予定となっています。
    今後さらに審議を進めたうえで、11月末頃に取りまとめられます、予定の答申を踏まえ、工業系高校の更なる教育内容の充実や魅力発信に向けた具体的な取組みについて、検討を進めてまいります。


    (5)授業料無償化制度
    ・令和6年度以降の授業料無償化制度の検討について問う。
    (教育長答弁) 私立高校等授業料無償化制度につきましては、家庭の経済的事情に関わらず自由に学校選択ができる機会の保障と大阪の教育力の向上をめざし、制度創設以降、順次、支援対象となる世帯や支援額等の拡充を図ってまいりました。
    現在、こうした制度拡充による支援対象割合の推移や公私立高校生の保護者を対象としたアンケート調査の結果等を用いて、現行制度の効果検証を行っているところでございます。令和6年度以降の制度につきましては、こうした効果検証の結果も踏まえ、2月定例会までに制度内容をお示しできるよう、検討を進めてまいります。


    6.大阪の再生・成長

    (1)副首都ビジョン
    ・副首都ビジョンのバージョンアップについて問う。
    (副首都推進局長答弁) 意見交換会におきましては、生産性を高め、大阪を成長させていくうえで、「デジタル」と並んで「人」が重要な基盤であるとの議論がなされております。
    この中では、自ら学び、アイデアを発信できる自律型人材による多様性のある人材構成になっていること、企業内で硬直化している人材の流動性を高めていくこと、高度人材に関して、ものづくり技術やデジタル技術を備えた人材に加え、経営人材の充実を図っていくこと、大阪の若者が将来にわたって定着するのはもとより、国内外の若者が活躍できるまちとすること、が重要との指摘がなされています。
    引き続き、「副首都ビジョン」のバージョンアップに向けて、大阪が、若者をはじめ様々な人を惹きつけ、多様な人材が活躍できるまちとなるよう、議論を深めてまいります。


    (2)関空の将来構想
    ①関空の成長目標について問う。
    (政策企画部長答弁) 関西3空港懇談会で合意いたしました、関空の年間発着回数30万回の実現に向けて、まずは、現在、大きく落ち込んでいる関空の復活を図り、成長軌道に戻すことに最優先で取り組むことが不可欠と認識しております。
    今月11日には、国の入国規制が解除されることから、オール関西が一致協力し、インバウンドによる関空の早期回復を図ってまいります。
    さらに今後、万博のインパクトや大阪・関西のポテンシャルを活かし、ライフサイエンスや環境・エネルギーなど成長分野を伸ばすと共に、IRや国際金融都市の実現に向けた取組み等を推進し、世界からヒト・モノ・投資を一層呼び込むなど、地域の着実な成長を図ることで、年間発着回数30万回の実現を目指してまいります。


    ②関空の発着容量拡張に伴う泉州地域への対応について問う。
    (政策企画部長答弁) 関西国際空港の容量拡張に当たっては、「公害のない空港」という当初の理念を最大限尊重し、「環境への配慮」と「地元の理解」を前提に進めていく必要があることから、国に対しまして、飛行経路の検討に当たっては、地域の実情を十分考慮するよう要請したところでございます。
    今後は、国から示される検討結果を待ち、環境面での検証を行った上で、関西エアポート社等とともに、地域の理解が得られるよう、丁寧に説明してまいります。
    一方、地域の観光振興については、まずは、2025年大阪・関西万博に向けて、関西の自治体、経済界で構成する関西国際空港全体構想促進協議会を中心にいたしまして、大阪観光局や泉州の自治体等と連携した観光振興策等について検討、推進するなど、泉州をはじめ府域全般にインバウンドの効果が行き渡るよう、空港と地域社会の双方の発展を目指し、取り組んでまいります。


    (3)市町村のスマートシティ化支援
    ・市町村のスマートシティ化支援について問う。
    (スマートシティ戦略部長答弁) 大阪スマートシティパートナーズフォーラムでは、市町村と民間企業の間の調達を従来のように1対1ではなく複数対複数の調達になるよう仕組みづくりを進めてまいりました。その結果、いわゆる割り勘効果により、1町村あたりのコスト低減が見込まれる一方、ICT企業側にとりましても、従来はビジネス対象とみなされていなかった小規模な市町村も、ビジネスマーケットとして成立するようになり、多くの公民共同プロジェクトが府域全体で立ち上がるようになりました。
    議員お示しの共同調達につきましても、これまで電子申請システムや、チャットツール、それに文書管理システムを対象に、とりわけデジタル人材が不足している市町村のサポートとしてベンダーとの交渉や、市町村間の意見を取りまとめて共同仕様の策定などを実施支援いたしてまいりました。
    効果としまして、各市町村が単独で導入するよりも、概ね3割程度のコスト削減効果が得られましたほか、電子申請システムの事例では、令和3年度時点の11市町村から、25市町村に、チャットツールでは22市町村から30市町村に共同調達への参加団体が拡大いたしました。
    また、後から参加した団体も含めてシステム導入後の利活用が進むように、定例会を開催し市町村間でのノウハウや好事例の相互共有を図っており、さらに今後の展開として、様式や申請項目の統一などシステム運用面での標準化と共同化の拡充を進めてまいります。


    (4)スーパーシティ
    ・スーパーシティにおけるヘルスケアの取組について問う。
    (スマートシティ戦略部長答弁) 大阪のスーパーシティ構想において、めざす未来のビジョンの一つとして、「豊かに暮らす健康長寿社会」をあげていますように、ヘルスケアの取組みは本構想の柱となるものでございます。
    具体的な取組みとしまして、万博前には、ヒューマンデータとAI分析等によるエビデンスに基づく健康増進プログラムを、また、万博期間中には、大阪ヘルスケアパビリオンにおいて、未来の診断や医療などが体験できるサービスが提供され、そして万博後には、次世代PHRや先端技術を活用したサービスの展開等に取り組むこととしております。
    加えまして、夢洲を起点に国籍や場所を問わず医療サービスを享受できる環境整備につきましても専門家による「夢洲における国際医療のあり方研究会議」を設置し、検討を進めているところでございます。 会議の委員からは、夢洲における国際医療貢献の視点が重要であること、あるいは外国人患者を府内の医療機関へつなぐゲートウェイ機能が重要であること等のご意見をいただいております。
    今後、大阪府市としてこうしたご意見を踏まえて、国際医療提供のあり方をとりまとめるとともに、それを含めたヘルスケアの取組みについて具体化し、全体計画に反映させてまいります。


    (5)アートの振興
    ・アートフェスティバル事業について問う。
    (府民文化部長答弁) アートをはじめといたします、文化芸術は、人々の創造性を育み、心豊かな社会をもたらすだけでなく、都市ブランドの形成や地域経済の活性化にも寄与するものと認識しておるところであります。
    そのため、本府では、アートの魅力発信や文化芸術の担い手育成などに取り組んでいるところであり、さらに大阪が世界中から注目を集めます2025年の大阪・関西万博のインパクトも活かして、こうした取組みを一層強化していくこととしているところであります。
    具体的には、このたび補正予算案として提案しております「大阪アートフェスティバル事業」におきまして、府内各地で作品の展示・販売を行いますとともに、若手アーティストの活躍の場を創出し、さらに、本事業の成果をしっかり踏まえ、万博に向けてアートによる大阪の魅力発信を進めてまいりたいと考えております。
    今後とも、アートを含む文化芸術により大阪への集客を図りますとともに、アート市場の活性化による文化と経済の好循環等により、大阪のさらなる成長につなげられますよう、積極的に取り組んでまいります。


    (6)大阪公立大学
    ・大阪公立大学が大阪の成長の原動力となるための取組について問う。
    (府民文化部長答弁) 大阪公立大学が大阪の成長・発展をけん引する「知の拠点」としての役割を果たていきますためには、幅広い教養と高い専門性を備え、地域社会から国際社会まで幅広く活躍できる人材を育成することが重要と認識しております。
    このため、大阪公立大学では、統合の強みを活かし、多彩な共通科目を学べる基幹教育や文系と理系という枠を超えた文理融合の教育など、新たな教育研究活動を展開いたしますとともに、情報に関して高度な知見を有する人材を育成いたしますため、情報学研究科を設置したところでございます。
    さらに、大阪商工会議所やドイツ人工知能研究センターとの連携協定を締結するなど、産学官民の連携機能を強化いたしまして、多様な人々が共に様々な社会課題に取り組む活動を通じ、新たなイノベーションを創出する人材の育成を進めているところでございます。
    大阪府といたしましては、大阪公立大学が両大学から継承した強みを発揮して、社会を支え、けん引することができる人材を育成し、大阪の成長・発展に貢献できるよう、しっかり支援してまいります。


    (7)外国人材に関する取組
    ・外国人材に関する取組について問う。
    (政策企画部長答弁) 大阪・関西万博をインパクトにして、大阪の成長を図っていくためには、生産性の向上や女性・高齢者の活躍とともに、外国人が働き手として活躍し、共に暮らしていく環境を整えることが重要と認識しております。
    このため、経済界や労働団体、国・自治体など外国人材に関わる幅広い機関に参画いただき、本年9月に「OSAKA外国人材受入促進・共生推進協議会」を設置いたしました。この協議会には、受入促進と共生推進の2つのワーキングを設置しております。
    今後、幅広くご意見を聞きながら課題を深堀りし、外国人材の受入促進と共生推進に関する具体的な「取組みの方向性」の策定に向け検討してまいります。
    関係機関が情報を共有し連携して取り組むことで、大阪が外国の方に働きやすく住みやすいまちとして、世界から選ばれる都市となるよう、取り組んでまいります。


    (8)農の成長産業化
    ・農業経営基盤強化促進法等の改正について問う。
    (環境農林水産部長答弁) 今回の法改正に基づく地域計画は、担い手の確保や計画的な農地集約などにつながり「力強い大阪農業」を実現する上で重要と認識しています。これまで、本府では、条例に基づき地域の話し合いによる農空間づくりプランの策定を進めており、この実績を活かしつつ、今年度からはさらに、各農と緑の総合事務所管内に1か所ずつ、計4か所のモデル地区を設定し、市町村などとともに、計画策定に取り組みます。
    そこで得られたノウハウを市町村職員向けの研修会で先行事例として共有するとともに、地域での円滑な話し合いをコーディネートする専門家を派遣するなど、国の支援策も活用いたします。
    今後、市町村の地域計画策定が着実に進むようしっかりと支援し、担い手への農地集積や新規就農、企業参入を加速します。


    (9)脱炭素社会の実現
    ①脱炭素に向けた意識改革・行動変容について問う。
    (環境農林水産部長答弁) 今回の見直しに当たりましては、環境総合計画に掲げます、環境・社会・経済の統合的向上の視点を明確化するとともに、気候変動や生物多様性等の課題に対応するための環境教育のあり方につきまして、ICT技術の活用等、効果的な手法も考慮して、検討することとしております。
    審議会では、環境教育に携わる教育者や先進的な環境活動に取り組む専門家へのヒアリング等により、現場での課題の洗い出しも行った上で、想定される論点につきまして漏れなくご議論いただきます。
    審議会での検討を踏まえ、脱炭素社会の構築等、重要性、緊急性の増す課題に的確に対応し、多くの府民の参加や実践を促すことのできる新たな行動計画を策定してまいります。


    ②水素・アンモニア技術などのカーボンニュートラル技術の情報発信について問う。
    (商工労働部長答弁) カーボンニュートラルの実現は世界的な要請でもあり、万博の場で、これらの取組を発信し、SDGsにも貢献する新たなビジネスへの挑戦を促していくことは、万博の理念を具現化する上で意義深いことです。
    今年度開始したカーボンニュートラル技術開発・実証事業は、その具体的取組でもあり、企業グループ等から28事業もの応募がありました。採択した8事業は、水素や次世代モビリティ、省エネルギーなどの分野で、脱炭素社会の実現に有益な技術です。
    これらの技術について、万博の機会を活用し、多くの事業者が、実証実験の意義や成果を広く情報発信することは、ビジネスチャンスの拡大や社会実装に向けた機運を高めることにもつながります。
    府としても、事業者と連携を図りながら、メディア等を活用し、取組が効果的なものになるよう努めてまいります。


    ③脱炭素社会の実現に向けた建築物の省エネ対策等の取組について問う。
    (都市整備部長答弁) 2050年カーボンニュートラルに向け、お示しの府有施設の脱炭素化を進めるため、今年度、部内に「脱炭素建築物推進チーム」を設置し、建築物の脱炭素化に向け取り組むこととしました。
    現在、2030年に予定されている省エネ基準の引上げを見据え、府営住宅のZEHレベルの省エネ水準を満たす標準設計の確立や、建て替え予定の寝屋川高等学校でのZEB化などの検討を進めているところでございます。
    次に、市町村に対しましては、これまで進めてきたESCO事業に関する情報提供などのほか、府が進める省エネ化のノウハウの情報発信や関係部局が連携して支援を行う建築行政サポートデスクなど具体的な相談を実施してまいります。
    引き続き、これまでの取組みを進め、府内の公共建築物の脱炭素化に向け取り組むととともに、民間建築物に対しても府民の行動変容を促す周知啓発を行い、より多くの建築物の環境配慮が進むよう取り組んでまいります。


    (10)新産業の創出
    ①スタートアップの資金調達について問う。
    (商工労働部長答弁) スタートアップ・エコシステム形成の課題の一つである資金調達環境の整備は、民間の知見や活力を活かし、協働していくことが重要です。
    特に、民間の金融機関等によるスタートアップへの円滑な資金供給は、スタートアップの業績拡大、企業価値の向上、投資者への利益の還元という好循環を生み出す源泉とも言え、その点からも金融が担う役割は大きいと考えます。
    これまでも府では、銀行をはじめとした金融機関を含め、大阪・関西資本の企業によるファンド出資に向けた啓発やコミュニティ形成に取り組んでおり、今年度は新たに、首都圏ベンチャーキャピタリストと大阪・関西のスタートアップとの接点の創出にも力を注いでいるところです。
    今後も、大阪産業局とも効果的に連携を図りながら、金融機関など民間部門との対話を深め、スタートアップの資金調達をはじめとした成長環境を整備し、産学官によるスタートアップ・エコシステムの形成に努めてまいります。


    ②蓄電池関連の人材育成と産業振興について問う。
    (商工労働部長答弁) ロシアによるウクライナ侵攻などを契機に、エネルギーの安全保障が注目されており、蓄電池は、エネルギー源の多様化と脱炭素社会の実現を図る上で、重要な基盤技術です。
    また、蓄電池業界における人材育成は、重要な課題と認識しており、府においても、国のコンソーシアムに参画し、府立工業系高校や高等職業技術専門校などのリソースを活かした人材育成の取組みを早急に検討してまいります。
    蓄電池は府としても、振興に注力すべき分野と考えており、今回のコンソーシアムへの参画を機に、人材の育成を軸とした産学官の更なる連携を図り、大阪の蓄電池産業の活性化につなげてまいります。


    ③未来医療国際拠点を中心とした再生医療のサプライチェーンの構築について問う。
    (商工労働部長答弁) 再生医療の産業化には、iPS細胞の安定かつ安全な供給や、細胞の培養に必要な専門資材などを確保する仕組み、いわゆるサプライチェーンの構築が重要な役割をもちます。
    今議会では、この基盤形成に向け、企業や医療機関における課題やニーズについての調査を進めるため、必要な予算のご審議をいただいているところです。
    2024年の開業に向け、今後、未来医療国際拠点を管理運営する未来医療推進機構が中心となり、サプライチェーンの構築に取り組んでまいりますが、府としても、2025年の万博開催も見据え、世界から多様な人材や最新の情報が集まる再生医療の拠点が形成されるよう、支援してまいります。


    (11)万博記念公園の将来ビジョン
    ①2025年大阪・関西万博の開催とあわせて、1970年の大阪万博を記念する事業を実施するなどの連携した取組みについて問う。
    (府民文化部長答弁) 万博記念公園では、公園を取り巻く社会情勢の大きな変化に的確に対応し、さらなる魅力向上を図る観点から、このたび、日本万国博覧会記念公園の活性化に向けた新たな将来ビジョン2040の案をとりまとめ、議会でのご議論等を踏まえまして、11月を目途に成案化する予定でございます。
    将来ビジョン2040では、太陽の塔をはじめとする大阪万博のレガシーを次世代にしっかり継承いたしますとともに、広大な緑と多くの文化遺産を有した、万博記念公園の魅力を国内外に広く発信いたしますことで、より多くの方に利用していただけるよう、今後の取組みの基本的な考え方をお示ししているところでございます。
    議員お示しのように、大阪が国内外から注目される2025年大阪・関西万博の開催に合わせ、連携した事業を実施いたしますことは、公園の魅力発信におきまして有効な取組みの一つと考えられますことから、今後、策定いたしますアクションプランのなかで、関係部局等とも連携を図りながら、検討を進めてまいります。
    今後とも、万博記念公園のさらなる活性化に向け、未来を見据え、本ビジョンに基づく取組みをしっかりと進めてまいります。


    ②府域全体で2025年大阪・関西万博を盛り上げるための手法として、万博公園の活用について所見を問う。
    (知事答弁) 万博記念公園におきまして、2025年大阪・関西万博と連携した事業を実施するということは、世界中から多くの人を惹きつけた1970年大阪万博のエネルギーを2025年大阪・関西万博につなげるとともに、国内外における機運醸成を図る観点から、非常に意義があるものだと考えています。
    今後、このような取組みを進めて、大阪・関西万博を成功させ、関西全体の活性化につなげていきます。


    (12)新大阪駅周辺地域のまちづくり
    ・新大阪駅周辺地域のまちづくりについて問う。
    (大阪都市計画局長答弁) 新大阪駅周辺地域のまちづくりにつきましては、「まちづくり方針2022」に基づき、駅とまちが一体となった世界有数の広域交通ターミナルの実現を目指し、公民が連携して進めていく必要があると認識しております。
    都市再生緊急整備地域の指定後は、これまでの候補地域としての検討協議会はその役割を終えますことから、新たな検討体制として、関係者とともに、都市再生特別措置法に基づく「都市再生緊急整備協議会」を速やかに設置することを考えております。
    この新たな協議会のもと、都市再生制度を活用した民間都市開発の具体化とともに、さらなる開発機運の醸成や、開発誘導方策の検討のほか、リニア中央新幹線や北陸新幹線の駅位置が示された後のまちづくり方針の更新等についても検討を進めてまいります。
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