議会報告

  • 山下浩昭議員
    令和4年9月議会 一般質問(山下 浩昭議員)要旨(令和4年10月6日)
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    1 大阪府におけるサイバーセキュリティ対策について

    ①中小企業のサイバーセキュリティ対策への府の取組みについて問う。
    (商工労働部長答弁) サイバー攻撃は、自社だけでなく関連するサプライチェーン全体にも影響が及ぶこともあり、その対策は重要です。
    国においては、8月からIT導入補助金に「セキュリティ対策推進枠」を創設し、お示しにありました「サイバーセキュリティお助け隊サービス」の利用補助制度を開始いたしました。
    このサービスには、中小企業に必要なセキュリティ対策がパッケージ化されていることから、府としてもこの活用を推奨しており、導入にあたっての事業者の疑問や不安については、大阪商工会議所において相談対応を行っております。
    こうした支援に加え、府の小規模事業経営支援事業費補助金によるBCPセミナー等での対策に向けた啓発活動、損保会社や金融機関をはじめとする民間との連携強化などを通じ、中小企業にセキュリティ対策が浸透するよう、府としても働きかけてまいります。


    ②重要インフラ等へのサイバー攻撃に対する防衛策について問う。
    (警察本部長答弁) 府警察では、サイバー攻撃への対処を専門的に行う「サイバー攻撃対策隊」によりサイバーテロ、サイバーインテリジェンスといったサイバー攻撃に係る情報収集や捜査を推進する中で攻撃元の探知、犯行主体やその手口、目的を特定する活動に取り組んでいるところであります。
    また、サイバー攻撃による被害防止対策の充実強化を目指し、府警察と府内の重要インフラ事業者等で構成する「大阪府サイバー攻撃対策協議会」の枠組みを通じ、
    ○ サイバー攻撃の脅威や情報セキュリティに関する情報共有や注意喚起
    ○ 各事業者等におけるサイバーセキュリティの現状把握や不審メール情報の分析
    ○ 共同対処訓練の実施
    等の対策を推進しております。
    2023年にG7貿易大臣会合が開催されることが決定し、その後に大阪・関西万博の開催を控えていることから、さらなる人的基盤の強化に努め、サイバー攻撃対処能力の向上を図るほか、引き続き、関係機関、事業者等と連携した取組を強力に推進してまいります。


    ③大阪・関西万博開催中のサイバーセキュリティ対策の国等の取組みについて問う。
    (万博推進局長答弁) 大阪・関西万博におけるサイバーセキュリティ対策に関する国の検討状況につきましては、内閣官房のNISCからは、国や博覧会協会、地元自治体等で構成されるサイバーセキュリティ体制を今年度中に構築すべく準備を進めているほか、万博で想定されるサイバー事象につきまして、リスク分析や対処方針の整備を着実に進めていくと聞いております。
    また、総務省からは、NICTと連携し、お示しのサイバーコロッセオの万博版といたしまして、博覧会協会等の情報システム担当者を対象に、起こりうるサイバー攻撃を想定し、防御手法等を実践する演習を令和5年度から実施する予定と伺っております。
    さらに大阪府・市といたしましても、博覧会協会等とともに、本年5月、サイバーセキュリティの確保に向けたリスクマネジメントの促進や、危機事象が発生した場合の対処態勢の整備、専門人材の育成・確保などにつきまして国に要望したところでございます。
    引き続き、国や関係団体の動向を注視しながら、必要な対策等について国に働きかけるなどしっかりと取り組んでまいります。


    ④大阪府におけるサイバーセキュリティ対策について問う。
    (知事答弁) 社会のデジタル化の進展に伴い、情報セキュリティ対策の重要性は増しています。府では、昨年度、インシデント発生時に迅速に対応する全庁体制「CSIRT(シーサート)」を整備するとともに、今年度は、端末機の不審な動作を検知し封じ込める仕組み「EDR(イーディーアール)」を新たに導入するなど、継続的に取組みを進めています。
    また、府内市町村に対しては、民間アドバイザーを活用した支援や府警察本部と合同でサイバーセキュリティ研修などを実施しているところです。
    万博、更にその先も見据えて、府民が安心してデジタルサービスを利用できる環境を整えていくことが重要だと思います。このため、国と緊密に情報共有等を図りながら、府警察本部やセキュリティ関連機関、市町村等と広く連携・協力し、効果的なセキュリティ対策に取組んでいきます。


    2 新型コロナウイルス感染症の後遺症について

    ①型コロナウイルス感染症の後遺症の実態解明と医療機関での相談・受診が出来る体制の充実について問う。
    (健康医療部長答弁) 新型コロナに関する後遺症の実態については、国により、研究結果や「診療の手引き」が公表されるとともに、府としても、昨年度、41医療機関から、症状や治療等に関する実態把握を行ったところです。
    しかし、依然、後遺症の病態等については不明な点が多いことから、国に対し、より多くの症例を分析し、実態解明を進めるよう要望していきます。
    府としては、引き続き、医療機関に対して「診療の手引き」など後遺症患者の診療に関する情報を提供するとともに、幅広い媒体を活用して、府民に後遺症に関する相談窓口の周知等を行い、かかりつけ医など身近な医療機関で相談や受診ができる体制の整備に努めていきます。


    ②新型コロナウイルス感染症の後遺症に関する理解促進と相談先の充実について問う。
    (健康医療部長答弁) 後遺症の治療は、対症療法が中心となることや、外見上、わかりにくい症状が長期にわたる場合があることなどから、ご家族や職場など、患者を取り巻く周囲の理解も重要と認識しています。
    そのため、YouTubeやSNS等での情報発信のほか、今年度新たに、後遺症の症状や相談窓口等を記載したリーフレットやポスターを、医療機関や大学、宿泊療養施設等に配布し、若年層も含めた幅広い世代に対して一層の周知を図っているところです。
    今後も、後遺症に悩まれる患者やその周囲の方を含めた、府民の理解促進に向けた啓発に取り組んでいきます。
    併せて、心の相談や労働相談等の窓口を一覧化し、後遺症に関するホームページに掲載するなど、後遺症に悩む府民の方々が適切な相談先につながるよう、取り組んでいきます。


    3 ヤングケアラー支援について

    ①府立高校におけるヤングケアラーの実態把握について問う。
    (教育長答弁) 毎年新入生が入学し、また、在校生の家庭状況にも変化が生じます可能性があることから、継続的にヤングケアラーの実態を把握する必要があると考えておりまして、今年度も全ての府立高校の生徒を対象として、アンケート調査を9月末までに行ったところでございます。
    今年度の調査につきましては、より多くの生徒が答えやすいように質問項目等を改善をするとともに、一人一台端末を活用いたしました。調査結果につきましては、10月末を目途に取りまとめる予定といたしております。
    調査結果につきましては、関係部局とも共有し、ヤングケアラーの相談ニーズ等を的確に把握したうえで、スクールソーシャルワーカー等の外部の専門家とも連携するなど、必要な支援へとつなげてまいります。


    ②福祉専門職の支援力の向上と伴走型支援の取組みについて問う。
    (福祉部長答弁) 3点ご質問いただきました。
    まずヤングケアラーの認知度向上の取組みについてでございますが、お示しのとおり、重要という認識のもと、来年1月にシンポジウムを開催し、ヤングケアラーの状況や支援の必要性につきまして、学識者のお話、当事者の体験談、支援者の取組等を紹介し、広く府民の理解と関心を高める機会としてまいります。
    次に、福祉専門職等の資質向上につきましては、研修会を実施、ヤングケアラーを意識して支援につなげる視点やスキルの習得を図っているところでございます。これに加えまして、年内に福祉専門職を対象に、ヤングケアラーに対する認識や支援事例等の実態調査を行い、調査への回答を通じまして福祉専門職の皆さんの意識向上や啓発を図ってまいります。
    また、ヤングケアラー支援では、民間支援団体等による長い時間をかけた伴走型支援が重要と認識しております。今年度、民間支援団体の活動を推進いたしますため、府の福祉基金により、モデル事業に助成しておりまして、食事や学習の支援、居場所づくり、ピアサポートなど、様々なヤングケアラー支援の取組が進んでおります。こうしたモデル事業で得た好事例や支援スキルなどを研修や先ほど申し上げたシンポジウム等を通じて広く周知することによりまして、各地域での取組の活性化につなげ、府域全体のヤングケアラー支援の充実に努めてまいります。


    4 環境配慮消費行動促進に向けた脱炭素ポイント付与制度調査検討事業について

    ①脱炭素ポイント制度のネーミングについて問う。
    (環境農林水産部長答弁) 本ポイント制度の名称は、その趣旨が伝わりやすく、かつ親しみやすいものにする必要がございます。
    様々な業種の事業者等が参画する「脱炭素ポイント制度推進プラットフォーム」において、名称についても検討を行っており、通常のポイントに上乗せして付与されることがわかることや、PRのためのキャッチフレーズ等とあわせて消費者の理解が進むものが良いなどの意見を頂いております。
    今年度の実証事業では、ネーミングについて府民へのアンケート調査も実施する予定でございまして、その結果なども踏まえ、府民に浸透する名称にしてまいります。


    ②脱炭素ポイント制度の実証事業実施に関する府民への周知・PRについて問う。
    (環境農林水産部長答弁) 脱炭素ポイント制度の普及のためには、ファーストステップとして実施する11月頃からの実証事業に多くの府民の興味・関心を引くことが重要と考えております。
    このため、「脱炭素ポイント制度推進プラットフォーム」において、効果的な周知・PR方法を検討しているところでございます。
    例えば、脱炭素化への貢献とともに、お得感を伝えるなど注意を引くキャッチフレーズを盛り込んだのぼりのほか、各事業者のチラシやSNS等、府と事業者がそれぞれ有する広報ツールを最大限に活用して進めてまいります。
    多くの府民に参加をしていただき、有意義な効果検証を行うことにより、今後の持続可能な制度の構築につなげてまいります。


    5 府営東大阪春宮住宅活用地(イオン東大阪店跡地)の売却について

    ①府営東大阪春宮住宅活用地(イオン東大阪店跡地)の売却方式について問う。
    (都市整備部長答弁) お示しの活用地の売却にあたりましては、新駅設置が予定され、にぎわいの創出が期待されること、新しいグランドデザインでも当地区を「大阪の中核を担う拠点エリア」と位置づけられる予定であること等から、この地区のまちづくりにふさわしい提案を募り、有識者で構成する審査会での審査を経たうえで、価格を入札する売却方式とする予定でございます。
    なお、提案の公募条件の検討にあたりましては、東大阪市の意見も聞きながら、駅前にふさわしい商業機能を含めた複合機能の確保、シンボリックかつ新駅や市役所等の周辺施設と調和した景観の創出、にぎわいを創出するオープンスペースの確保などの観点を加えることとしております。


    ②府営東大阪春宮住宅活用地(イオン東大阪店跡地)の売却スケジュールについて問う。
    (都市整備部長答弁) お示しの活用地の売却スケジュールにつきましては、来年度中頃の事業者選定を目標に、今年度中に公募を開始するべく、東大阪市をはじめとする関係者と調整を進めているところでございます。
    引き続き、関係者との連携を密にしながら、商業機能の導入をはじめとした駅前に相応しい複合施設の早期立地に向け、取り組んでまいります。
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