議会報告

  • 大山明彦朗議員
    令和4年9月定例会 一般質問(大山 明彦議員)要旨(令和4年12月15日)
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    1 教員の働き方改革について

    ①採用したい教師像について問う。
    (知事答弁) 教育を取り巻く環境や、社会の情勢は絶えず変化をしていますが、どんなに時代が変わっても、あるいは技術が発達しても、教育は人によって行われるものでありまして、良い教育のためには、優れた人格を伴った、まさに子どもの個性を伸ばす力がある、それこそが教員の力だと考えています。
    教員に求められる資質は、探究心とチャレンジ精神を持ち、絶えず自己研鑽に努め、子どもに対する熱意と豊かな人間性を備えていることと考えます。
    教育委員会には、引き続き、大阪の教育力向上のために、優れた資質・能力を持った教員の採用、育成に努めてもらいたいと思います。


    ②教員の働き方改革に係る計画等について問う。
    (教育長答弁) 議員お示しの「後期事業計画」では、教員の働き方改革につきまして、「府立高校・全日制の教員の年間1人当たり平均の時間外勤務を360時間以内とすること」、また、「府立学校の全ての校種で前年度よりも減少させる。」ことを目標といたしております。
    令和2年度の府立高校・全日制教員の年間1人当たり平均の時間外勤務は337時間で、360時間を下回るとともに、全ての校種において、ほとんどの年度で教員の時間外勤務が前年度よりも減少しているところでございます。 しかしながら、一方で、年間360時間を超える教員が、令和3年度では、府立学校全体で約3割存在しており、その縮減が課題となっております。
    そのため、更なる縮減に向け、部活動指導業務におけます負担軽減をはじめ、グループウェア等を活用した校務運営の効率化、持ち運び可能な端末の配備やシステムのクラウド化により教員が時間や場所の制約等をできるだけ受けずにICTを活用できる環境の整備など、様々な取組みを検討しているところでございます。
    引き続き、働き方改革の推進を第2次大阪府教育振興基本計画の重点取組として位置付け、教員の時間外勤務の縮減などに取り組んでまいります。


    ③小中学校における働き方改革の推進について問う。
    (教育長答弁) 府教育庁では、「市町村教育委員会に対する指導・助言事項」におきまして働き方改革を取組みの重点として位置付け、平成30年に策定しました「府立学校における働き方改革の取組みについて」を参考として、適切に対応するよう市町村教育委員会に働きかけてきたところでございます。
    先ほどご答弁申し上げたとおり、府立学校において、更なる働き方改革に向けて、様々な取組みを検討しているところでございます。府教育庁といたしましては、これらの具体的な取組みにつきましても市町村教育委員会に情報提供し働きを行うなど、大阪府内の公立学校教員の働き方改革の一層の推進に取り組んでまいります。


    2 心の病を抱える教員の増加への対応について

    ①教員のメンタルヘルス対策について問う。
    (教育長答弁) 学校等におきまして、質の高い教育を提供していくためには、教員が心身ともに健康を維持して教育に携わることが不可欠と考えております。このため、府教育庁においては、メンタルヘルス対策に重点的に取り組んできたところでございます。
    府立学校においては、長時間労働による心身の健康障がいを防止するために、時間外在校等時間が月80時間を超える教員や、ストレスチェックの結果、高ストレスと判定され面接指導を希望する教員に対して、産業医等による面接指導を受けさせることといたしております。
    併せて、メンタルヘルスケアの重要性についての理解を深めるため、職場の安全衛生管理者となります校長・准校長等の管理職を対象とした、研修を毎年実施いたしております。
    また、公立学校共済組合大阪支部が設置している「大阪メンタルヘルス総合センター」では、府立学校だけではなく、府内公立学校の教員等を対象として対面及びオンラインによる個別相談や研修、復職支援事業が実施されておりまして、その活用の周知にも努めております。
    府教育庁では、教員が心身に支障をきたすことがないよう、働き方改革を一層推進しますとともに、メンタルヘルス対策の充実にも取り組んでまいります。


    ②教員への相談体制の充実について問う。
    (教育長答弁) 教職員が職務上での悩みを抱えたまま教育活動を行うことは、子どもたちに大きな影響を与えかねないことから、学校内において風通しのよい職場環境を整え、管理職が当該教職員の変化に気づき、適切な指導助言を行うとともに、周りの教職員が支えることが重要と考えております。
    そのため、管理職を対象とした研修では、メンタルヘルスやハラスメントの防止、経験年数の少ない教職員に対する支援について取り上げ、管理職の意識向上を図りますとともに、様々な課題に適切に対応するよう指導をいたしております。
    教職員を対象とした相談先といたしましては、先ほど答弁で申し上げた「大阪メンタルヘルス総合センター」のほか、ハラスメント相談等を受ける「ハラスメント相談窓口」等を設置いたしまして、すべての教職員にとって相談しやすい環境づくりを進めております。
    今後も教職員が様々な悩みから自身の健康や教育活動に支障をきたさないよう、教職員が互いに相談しやすい校内体制づくりを進めますとともに、相談内容に応じた適切な窓口を周知徹底し、課題の早期解決が図られますよう努めてまいります。


    3 優れた人材の確保について

    ①教員確保の状況について問う。
    (教育長答弁) 大阪の教育力向上のためには、子どもたちの成長にかかわる、熱意ある優秀な教員を確保することが重要です。
    このため、教員採用選考テストにおきましては、ひとりでも多くの優秀な人材を確保できるように、受験説明会や約80の大学への個別訪問等により、大阪の学校現場の実情や仕事のやりがいについて、教員をめざす学生に直接伝えるなど、大阪の教育現場の魅力発信に努めているところでございます。
    これらの取り組みによりまして、採用選考の受験倍率は、昨年度は全校種合わせて4.1倍、今年度は4.5倍と全国平均を上回る水準を維持しております。
    引き続き、熱意ある優秀な教員を確保するため、採用選考テストのより一層のPR活動等に努めますとともに、教員の仕事が魅力あるものとなりますように、働き方改革を一層進めてまいります。


    ②優れた人材の確保に向けた今後の対応について問う。
    (教育長答弁) 教員免許を持たない方を対象とした採用選考を、今年度から実施しておられる東京都からは、40歳以上の社会人経験者を対象としているが、就職氷河期世代への支援の側面もあると伺っております。
    大阪府では、中学校の技術・家庭など一部に志願倍率が低い教科がございますが、教員免許を持たない者を対象とした採用制度について、その効果や課題等について研究していきたいと考えております。
    教員志願者に向けたPR活動につきましては、先ほど答弁した受験説明会や大学への個別訪問に加え、府のホームページに教員採用選考のページを設け、若手教員の一日を紹介するPR動画の掲載や、メールマガジンの配信など、効果的な情報発信に努めてきたところでございます。
    今後とも、大阪の教員の仕事のやりがい・魅力を、一人でも多くの教員志願者に届けることができますように、その方策について検討してまいります。


    4 起立性調節障害(OD)等に関する教員への研修について

    ・起立性調節障害(OD)等に関する教員への研修について問う。
    (教育長答弁) これまで、起立性調節障害など様々な疾病により症状のある児童生徒に対して、各学校が適切に対応できるよう、保健主事・養護教諭等や市町村教育委員会の指導主事を対象とした研修を適宜、実施してまいりました。
    また、府立学校の生徒指導担当教員に対しては、生徒の表面的な言動のみに焦点をあてて指導するのではなく、例えば障がいや疾病等、その背景にも目を向けて生徒を支援する重要性を周知しているところでございます。
    今後はさらに、初任教職員や管理職、府立学校の生徒指導担当教員を対象とした研修におきましても、起立性調節障害などの症状により学校生活に支障をきたす場合があることなどを広く周知し、各学校におけます、児童生徒の指導の場面において適切な対応がおこなわれるよう努めてまいります。


    5 府立高校におけるヤングケアラーへの支援策について

    ・府立高校におけるヤングケアラーへの支援策について問う。
    (教育長答弁) 昨年度実施した調査におきまして、「学校に伝えてもよい」と回答し、自身の名前を記入した生徒101人については、各校において、個別に面談を実施いたしました。その結果、約8割にあたる77名の生徒は特に支援を望まないとのことでございましたが、残りの約2割にあたる24人の生徒につきましては、スクールソーシャルワーカーや関係機関等と連携しながら福祉サービスの利用につなげるなど、必要な支援を実施したところでございます。
    また、今年度も引き続き各校においてヤングケアラーである生徒の把握に努め、配置校数が拡充されましたスクールソーシャルワーカーや、新たに配置いたしましたスクールソーシャルワーカー・スーパーバイザーと連携することなどによりまして、9月末時点で生徒約310名について福祉等の関係機関につなぐなど、必要な支援を行っているところでございます。
    さらに本年7月から9月に実施した調査で家族の世話をしていると答えた生徒を対象に、各校が支援を必要とする生徒を的確に把握した上で、スクールソーシャルワーカーと連携し、地域の福祉機関や支援機関に確実につなげていくなど、必要な生徒により適切な支援を届けることができますように、努めてまいります。


    6 出産・子育て応援交付金事業の実施について

    ・出産・子育て応援交付金事業の実施について問う。
    (健康医療部長答弁) 議員お示しの「出産・子育て応援交付金」事業につきましては、国の第二次補正予算に計上されており、実施主体としては市町村の子育て世代包括支援センターが想定されています。
    事業内容の伴走型相談支援とは、妊娠届出時から全ての妊婦・子育て家庭に寄り添い必要な支援等につなぐというものでございます。府としては、これまでも子育て世代包括支援センターにおいて、妊娠期から切れ目のない支援がなされるよう、人材育成などに取り組んできましたが、交付金事業による新たな先進事例を研修に活かすなど、支援体制の更なる充実に努めていきます。
    また、今後国から示される交付要綱等に基づき、福祉部とも連携して、市町村が円滑に事業を実施できるよう、今年度内の執行に向けた予算確保に加え、市町村の意向も踏まえた効率的な実施について、府としても支援してまいります。


    7 乳幼児医療費助成制度について

    ・乳幼児医療費助成制度について問う。
    (知事答弁) 乳幼児医療費助成制度につきましては、府と市町村の役割分担として医療のセーフティネット部分は府が基準設定を行い、子育て支援は住民に身近な基礎自治体である市町村が創意工夫のもと取り組むと整理しております。府域全体の子育て支援の底上げのために、新子育て支援交付金により、子どもの医療費助成を含む市町村の子育て支援施策の充実につながるよう、支援を行っているところです。
    府としては、乳幼児医療費に係るセーフティネット部分の役割を果たすとともに、同交付金により、市町村の子育て支援施策をバックアップしてまいります。
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