1 帯状疱疹ワクチン費用助成について
・帯状疱疹ワクチン費用助成について問う。
(健康医療部長答弁)
帯状疱疹ワクチンについては、定期接種化に向け、国の審議会において、疾病の発生頻度を踏まえつつ、接種効果の程度や持続性、安全性、対象とすべき年齢等に関して検討がなされています。
府としては帯状疱疹の予防のため、ワクチン接種が重要との認識のもと、疾病の特性やワクチンに関する情報について府ホームページで周知するとともに、国に対し早期に定期接種化を実現するよう要望を行ってきました。
引き続き国の状況を注視するとともに、費用助成を実施している自治体の状況や府内市町村の意見も聴取しながら、費用助成を行う場合の費用対効果等を見極めてまいります。
2 精神科病院における取組みについて
①精神医療における身体拘束最小化の取組みについて問う。
(健康医療部長答弁)
精神科病院における入院患者への身体的拘束は、精神保健福祉法に基づき、患者の生命の保護や重大な身体損傷の防止に重点を置いて行うとされています。府では所管する49病院に実地指導を行う際には、対象患者さんにつきまして、診療録・カルテの確認や患者ご本人との面接等を行い、理由や症状、期間などを個別に確認しています。
また、入院患者やそのご家族から身体的拘束に関する訴えがあった場合には、府精神医療審査会において、委員が病院に出向き、本人への面談など必要な調査等を実施した上で、拘束が適切か否かの審査を行っています。
さらに、大阪独自の取り組みとして、府・大阪市・堺市で精神科医療機関療養環境検討協議会を設置し、各病院における身体的拘束を減らすための好事例を病院間で共有しています。
こうした取組みにより、引き続き、府内精神科病院における適正な医療の確保と療養環境の改善に努めていきます。
②精神科病院における入院患者訪問支援事業について問う。
(健康医療部長答弁)
入院者訪問支援事業は、市町村長の同意により医療保護入院となった患者からの希望により、都道府県等が行う研修を修了した支援員が、病院を訪問し、入院中の処遇や生活に関する相談に応じるというものです。
府では令和6年4月の改正法施行に向けて、来年度支援員の養成を開始するなど、必要な準備を行うこととしています。
なお、本事業の実施には、精神科病院の理解と協力が欠かせないことから、関係団体を通じて病院との合意形成を図っていくなど、円滑な運用に向けた取り組みを実施していきます。
③精神科病院における虐待発見時の通報体制義務化について問う。
(健康医療部長答弁)
府では、精神科病院における虐待事案の把握の強化に努めており、精神保健福祉法に基づく実地指導のほか、予告なしの病院訪問により病棟内の状況を確認することを病院に周知するなど、発生抑止に取り組んでいます。
令和3年度は、予告なし訪問3件を含む65件の調査を行った結果、5か所の精神科病院の管理者に対し、期限を示して改善計画の提出を求めるとともに、改善結果の報告内容を検証し、計画どおりの改善がなされるまで必要な指導を行っています。
精神保健福祉法の改正により、新たに虐待を受けたと思われる患者を発見した者からの都道府県等への通報制度等が規定されています。
今後、法施行に向けて、通報制度の具体的な運用方法の検討など、必要な準備を進めてまいります。
3 心のサポーターの養成について
・こころの不調に悩む人を支える人材養成について問う。
(健康医療部長答弁)
こころの不調に悩む方々を地域で支えるため、府ではゲートキーパーの養成に取り組んでいます。具体的には研修の講師を担える人材を確保するため、市町村職員等を対象に講師養成研修を実施し、研修を修了した講師により直近5年間で約6,500人のゲートキーパーを養成いたしました。
心のサポーターについては、国が令和3年度からモデル地域を定め養成研修を実施しており、今年度、大阪府内では3市がモデル地域となり、約1,000人のサポーターを養成されました。
こころの問題について、正しい知識や理解を持つ人材の裾野を広げていくことが重要であるため、引き続きゲートキーパーの養成を進めつつ、国の動きも注視しながら、市町村とも連携して、必要な人材の養成に取り組んでいきます。
4 緊急小口資金等の特例貸付について
・緊急小口資金等の特例貸付の償還が困難な借受人へのフォローアップ支援について問う。
(福祉部長答弁)
緊急小口資金等の特例貸付につきましては、生活が立て直せず、償還が困難となっておられる方への丁寧な支援が必要と考えております。このためには実施主体である大阪府社会福祉協議会(府社協)と相談を受付ける自立相談支援機関、そして市町村社会福祉協議会の三者が連携して支援することが重要と認識しております。
このため、本府では、府社協と自立相談支援機関を設置する市町と協議、調整を重ねまして、府社協から借受人に償還手続の案内書類を送付する際に、府独自の「相談希望票」を付けてお送りさせていただくとともに、「相談希望票」などを通じていただいた緊急性の高い相談につきましては、迅速に自立相談支援機関に情報共有を行い、必要な支援に繋がせていただくなど、連携した支援体制を整備してまいりました。
さらに、昨年10月に国から借受人のフォローアップ支援を図るよう自治体に発出された通知等を受けまして、改めて関係三者で連携して支援するよう会議等の場で働きかけたところでございます。
議員お示しの更なる軽減措置につきましては、府社協と連携し、国が地域の実情を把握するために行っております自治体等との意見交換の場などを通じまして、現場の実情をしっかり届けるとともに、必要な要望も行ってまいります。
5 放課後等デイサービスにおける事故の未然防止について
・放課後等デイサービスにおける事故の未然防止についてについて問う。
(福祉部長答弁)
子どもが安全に放課後等デイサービスを利用していただけるよう、事故の未然防止策を適切に講じることが重要と認識しております。
このため府におきましては、事業所の指定前に、施設の安全確保のための現地確認の実施や、指定後は集団指導や実地指導を通じて運営基準の徹底を図っております。
また、事業所や府内市町村から事故事案に関する情報を収集させていただいてホームページで周知させていただくことによりまして、事故に対する事業所の注意を喚起しているところでございます。
国におきましては、今般設備の安全点検、従業者や利用者に対する施設内外における安全確保のための指導、従業者への研修・訓練などを定めた「安全計画」の策定を1年間の経過措置を設けつつ、次年度から事業所に対し義務付けるよう制度改正を行ったところでございます。今後、ガイドラインの発出や助言等もなされる予定と伺っております。
府といたしましても、この国のガイドライン等を踏まえまして、必要に応じて、事業所にとって参考となる情報を整理して提供し、安全計画策定の促進と事故の未然防止を図ってまいります。
6 がん対策について
①がん対策推進企業アクションに向けた取組みについて問う。
(健康医療部長答弁)
がん検診の受診率向上に向けては、企業においても従業員に対する啓発や正しいがん検診の受診機会を提供していただくことが重要となります。
そのため、令和2年から3年度にかけて、事業者や保険者に対する実態調査を行ったところ、国が推奨する基準で検診が実施できていなかったり、精密検査の結果を把握していない企業があるなど、正しいがん検診に対する企業の理解が十分でないことが明らかになりました。
今年度は、推奨されるがん検診の内容や精密検査の必要性をまとめた健康管理者担当向けのハンドブックや動画及び企業の経営者向けのチラシを作成し、約2万の府内企業や約220の健康保険組合等に対し配布をしたところです。
こうした取組みに加え、来年度は、議員お示しの大阪で開催される「がん検診受診率向上推進全国大会」や業界団体などが主催するセミナーなどにおいて、ハンドブックを活用した啓発や企業の取組みの好事例を発信することで、企業を含めたがん対策に取り組む社会気運を醸成していきます。
②がん相談支援センターの利用促進について問う。
(健康医療部長答弁)
がん相談支援センターは、府内67か所の全てのがん診療拠点病院に設置されており、府としては、病院の待合室内でのデジタルサイネージの設置や案内ビデオの作成に対する支援を行い、がん患者やそのご家族へのセンターの周知を進めてきたところです。
議員お示しのとおり、がん相談支援センターの認知度は向上しているものの、病院によって相談件数にばらつきがあることから、今後、支援センターを初めて訪れた方の数を毎年把握し、圏域ネットワークで共有するとともに、利用が進んでいない病院に対して、他病院の好事例などを紹介することで、センターの利用促進につなげていきます。